転生ライフ〜転生最後は人間種〜
第4話
 ガラガラゴトンッ
 馬車が揺れるたび、臀部に軽い衝撃が来る。窓から見える太陽は真上で爛々と輝い
ていた。周りの景色は変わらずで一面緑でところどころに大きな岩がある。
 馬車を引く馬は先程休憩をしたからなのか、あまり疲労は見られない。
「父上、公爵様の名前を聞いていませんでした、公爵様の名前はなんておっしゃるのですか。」
ずっと 気になっていたことを今思い出し、父上に聞いた。
「んっお前には言ってなかったな。今から会いに行くのはデレスタシア公爵、マーク・ウォン・デレスタシア。」
マーク・ウォン・デレスタシア、12年前の魔族との戦争では自らが先陣にいき、左腕を無くしたが多くの魔族を屠ったことで有名である。
  
「今日の祝いの出し物にささやかな催しがあるそうだ。お前にはそれに出てもらいたい。」
 父上の口からまた知らないことが出てきた。
「父上、そんなことをおっしゃられても困ります。第一僕はそのことに対しての準備してきておりません。今この状態で披露できるのは僕のチンケな芸や魔法ぐらいなものです。」
 今、僕の手元にあるのはポケットに入れて出すのを忘れていた小さなペンだけ。
 この手持ちで披露できるものは限られてくるだろう。
「確かに、お前に事前に言って置くべきだったな。だが、心配することはないお前に出てもらうのは小さな決闘みたいなことだからな。」
ん? 決闘・・・
「それは僕みたいな子供が相手ですか?」
「いや、お前の倍以上の年の奴も参加するぞ。」
――――え、嘘だろ。
「ちょ、ちょっと父上、僕今5歳ですよ。身体だってまだ小さいんですよ。そんな僕が年が倍以上ある、人に勝てるわけないじゃないですか 」
 僕が一喝すると父上が
「それに関しては本当にすまない、何せ公爵の娘ぐらいの年の子供が決闘すると思って、友の勧めのまま紙の内容や賞品をよく分からずにサインしてしまった。」
「父上ェェ〜。」
 絶対、この人バカじゃないのか。
「本当にすまない。本当に嫌なら断ってくれていい。そのさいはデレスタシア公に頭を下げてエントリーを取り消してもらう。」
 は~〜・・・そんな言い方されたら断れるわけがない。
「わかりました、ご期待に応えれるか分かりませんけど出場しますよ。」
 僕はこの時気づかなかった。
 父上がうっすら笑みを浮かべていたのに。
閲覧ありがとうございます。
どうもこんにちは古風凛です。
最近雨が多いので用があるとき以外は家出ることないですね。
 誤字脱字などがあれば教えてください。
 
 
 
 
 
 
 
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