転生ライフ〜転生最後は人間種〜
プロローグ2 転生
 気付くと真っ白な部屋にいた。
「久しいの、小さき者よ。」
姿は見えないが低く、威圧感のある声がした。
「小さき者よ、次は人間種に転生する。」
「小さき者よ、次こそは何を望む。」
同じような声が周りから複数聞こえた。
――― 貴方達は神様かなにかなのですか?
「小さき者よ、その質問には否と答えよう、我らはアヌビス様に任されてここを管理しているのであって、神様の様な高位の存在ではない。」
―――では、何故かここに来るのが初めてのはずなのですがどこか懐かしい気がするのですか?
「そうか、・・・では小さき者よ、主は転生というものを知っておるか?」
―――はい、存じております。
「小さき者は、今はスライムだが、前世はゴブリンだった、そしてその前は精霊、オーガ、植物、ドラゴン様々な生き物に転生していた。小さき者が、様々な言語を理解き、話せたのはそのおかげだ。」
―――では、人間種の言語が理解出来なかったのは、僕がまだ人間種に転生していなかったから。
「そうだ、小さき者よ、お前は人間種だけ転生していなかった。そしてこれが最後の転生だ。」
「お前は転生する時に3つの特典をもらっていなかった。だから、最後の転生にはきっちりと特典を言って貰う。」
「そして、主には最後の転生をしっかりと終えた時には、我々の跡を継いでもらいたい。」
「では、転生の特典を言え。」
―――跡を継ぐ分は考えさせてください。転生の特典は、魔法の才能、魔法の全ての知識、そして記憶を残したまま転生させてください。
「魔法の才能の方は問題ないのだが、魔法知識の方は脳にちと負担がかかるかもしれん。それよりも、3つ目の特典の記憶を残したままと言ったが記憶を残すのはなぜだ?」
―――・・・僕は、ルナと過ごした時間を忘れたくありません。それに僕はルナが最後に言ったことをまだ出来ていませんから。
「そうか、・・・・・・ではお前の人間種としての生に幸があらんことを。」
僕の体を淡い光が包み込む。
そして、
「オギャーーーーー!!!!」
僕は、人間種として生を受けた。
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