俺の右手には力が宿っているのだが厨二病だと思われる件

清水 裕斗

エピソード13:賄賂はバナナ??

佐藤泉、彼は今世紀最大の謎にぶつかっていた。
何の為か知らないがいきなりバナナを渡されたのだ。
今も美春は満足気でムフッとしている。
俺ははたから見ても明らかに戸惑った顔をしているだろう……だって男性器だと思ってたらバナナだろ?
逆に何の意味があってバナナを渡したのか分からくなるわ!

「えっと、美春ちゃん?
これは一体どういう……」

「勿論、賄賂です!」

賄賂ときたか……この子なんで子供なのに賄賂とか知ってんの?あのアホのせいかな?うん、後で殴っとこうと決意して

「美春ちゃん、普通賄賂ってお金だと思うんだけど
なんでバナナを渡したのかな?」

「美春にとってバナナはお金よりも大事なのです!」

この子にとっては金よりバナナなんだな……
初めて知ったんだけどね☆いや、だってたった二週間やそこらで好きな食べ物とか普通知らないでしょ?
だから、俺は悪くない社会が悪い。

「あ、美春!マホ達が揉めている間になに
賄賂渡してるの!」

「そうですよ!美春!賄賂なんて渡したら
中年男性に犯されますよ!」

だからなんで雪はそんなネタ知ってんだよ!
転生者か?転生して記憶残ってる奴なのか?
いや、多分全てあのアホ義父さんが教えてるんだな?
後で調教しといてやろうと泉は決心した

「美春はバナナをプレゼントしただけです!
賄賂なんかじゃありません!」

君さっき賄賂ですって言ってたよね?
その事にマホ姉さんも気づいた様だ。
マホ姉さんこんな事に能力使うものじゃありません!
もっと人の為に能力を使って下さい!
本当に迷惑だから……

「さっき賄賂ですって言ってたよね?」

とマホ姉さんは言った。
本当に敵に回したくない人だ……

「違います!ですよね、お兄ちゃん!」

おっとそこで俺に振るのね、勿論答えはもう決まっている。マホ姉さんに図星を突かれて涙目になってる可愛い妹には………


「美春ちゃん、さっき言ってたよね?
思いだせないの?良い病院紹介しようか?」

ほら、可愛い妹には苦労をさせろって言うよね☆
そして今そのおかげでマホ姉さんと雪は美春に怒っており美春の事を怒る事で頭がいっぱいな為泉へのマークが外れた。この瞬間を泉が逃す筈も無く………

「三人とも仲が良いね。僕は深雪さんの隣に座るから
三人で座っていいよ」

と天然を装った言葉で逃げ、その時深雪は少し驚いた顔をしたが、直ぐにいつものようなクールな表情に戻った。

「ね、深雪さん?」

「泉様がそう仰られるのであれば私は従います。」

とメイドとして百点満点の返しをしてくれた。
マホ姉さん達は焦っていてまだ、諦めてはくれない様だ。

「ダメだよ!泉ちゃんはマホの隣なの!」

「泉お兄ちゃんは雪の隣です!」

「美春は美春は、お兄ちゃんの隣が良いであります」

と全員が俺の隣宣言をしてきたが、コイツらの隣など疲れるから絶対に嫌だ。それに自分が選ばれるために全員が全員を蹴落とそうとしてるし………怖っ

「三人共ごめんね?僕この家に来て二週間しかないのにそんなに構ってくれて……でも、今日は僕の事を忘れてみんなで楽しんでくれないかな?」

これだけ言ってもこの三人組は止まらないだろう
だから最強の必殺技でコイツらの妄執を取り払ってやる!!!

「そんな、マホ達は泉ちゃんが居ないと「ね、お願い」………むぅ、今日だけだからね」

それには三人共顔を赤らめて合意した。
流石に泉の上目遣いでのお願いには負けた様だ。
普通の男だったらこんな事をしても「気持ち悪い死ね」ってなるが、深雪曰く「泉様はカッコ可愛いのです」と言うからこの上目遣いを使ってみたのだ。もう一生使いたくはないがな。






というわけでやっと車に乗れたわけだが、
さっきの言い合いで眠くなってきた……
隣には深雪が居るから何かあるという事は
無いと思うが、、前の席に座る三人組が何かしないとは限らないどうしたものかと考えて居ると……

「泉様眠そうですね?」

と深雪が言ってきた。そこまで顔に出した覚えはないがこの人なら分かってしまうのだろう。

「ん、そうだね、とっても眠いよ……」

正直に言うと深雪が何故か膝をポンポンと
叩いた。

「膝枕をしますので、頭を乗せてください」

と言ってきた。

「いやいや、無理無理」

と泉が否定すると深雪さんはムッとした表情で
理由を聞きたそうな目をした。

「だってシートベルトがあるし」

「とれば良いじゃないですか」

と深雪は即答した。

「いやいや、法律的にダメでしょ?」

と言うと深雪は

「シートベルトとは身を守る為のものです。
ですがこの車が事故を起こした時この車にはなんの
衝撃もこず、もしも怪我をしそうなら私が時を止めます」

と言った。

「でもでも、法律で………」

「泉様はいつも低脳な豚が作った法律など
どうでも良いと仰っているではありませんか」

「いやいや、いつも言ってる訳じゃ……」

流石に逃げ道が無くなった泉は諦めて深雪の膝に
頭を置いた。

「泉様」

「ぅん?何?」

「今日は何故私の隣に座ってくれたのですか?」

深雪は泉の頭を撫でながら聞いてきた。

「一番安心できるのが深雪だったから」

と答えた、あの三人だったら深雪の隣の方が安心できるというのは本心だ。ていうか深雪だけにしかこの家で素で接したことが無くその点からも深雪が一番心を許している人物と言えたから俺はそう答えた。
そう答えると深雪は顔を赤らめた。その後恥ずかしさを隠す為かイタズラする子供の様な笑顔を浮かべ

「泉様の上目遣いも可愛かったですよ」

と言い写真を見せた。
最近では自分以外の人間の時間も少しの間ではあるが止められるようになってきている深雪はあの瞬間俺とマホ達の時間を止めてその間に写真を撮ったのだろう。その写真を奪い取ろうとしたが、多分時間を止めて隠してしまったのだろう。その後深雪が

「私の身体の隅々まで調べてみます?」

と言ってきたので、俺は諦めて眠りにつく事にした。
その時深雪が

「おやすみなさい、大好きです。」

と言った気がしたが、俺はもう意識を微睡みの中に奪われていてその言葉を聞く事はなかった。











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