亡霊軍艦からの脱出

11月光志/11月ミツシ

大海原で

 20世紀初頭、世界各国では急激な軍備増強が行われていた。
某帝國も例外ではなく、世界最大級の戦艦を建造したが、処女航海も兼ねての実践で、轟沈。
だが終戦後から、戦艦が轟沈した海域で亡霊船が出るとの情報を受け、県内トップの高校のオカルト研究部が調査にやってきた。

「ふぁふぁふぁ、ふぁっくしょん」

思いっきりくしゃみをしてしまった。
今俺は、高校のオカルト研究部の活動により船の甲板にいる。
俺の名前は、魚村 誠うおむら まことややオカルト好きです。はい

「ふぁ―。おはよ―」
「おはようじゃないっすよ、もう日がくれますよ」
眠そうな顔をした女性が出てくる。
この人は、うちの部活の顧問、佐藤 沙羅さとう さら先生。今回の目的地は、この人が連れて行ってくれる。
今回の目的と言うのもどうやら海上に現れるらしく、何かとツテが多い先生に頼んできた。

「どれくらいかな」

「あと10分らしいぞー」

船底から誰かが上がってくる。
こいつは、この部唯一の男友達で親友の
佐藤 甲斐さとう かい。聞いて驚け、なんと先生の甥っ子らしいぞ。
 今、この船には他にあと、3人いる。部長である、北下 神きたした かみ先輩、三年生。
副部長である、山神 美結やまがみ みゆ先輩、二年生、俺がこの部活を入った(連行された)原因の一人である。最後に神崎 紗江しんざき さえ同じく二年生。
そして俺というメンバー構成だが、何せうちの部活の女子部員全員に神が付いてるという、偶然ですよね。ですよね。

「もう着いたらしいぞ。」

見渡す限りの大海原の上で友人の甲斐がそう叫ぶ。
聞いた話だと、幽霊船…もとい亡霊軍艦は夜9時から深夜2時までの間、ここの海域のどこかに現れるらしい。
俺たちは今日こそはそれに乗り込むつもりである。危険じゃないかって?ダイジョブダイジョブ、なんとかなるさ。
まあ事実、今日は二日目である。昨日は残念なことに見つからなかったス。
亡霊軍艦かぁ…。ロマンがあるなぁ…。

俺はこの言葉を後悔することになる。

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