S女‼(えすじょ‼)

よこたん

episode5 多分俺はボッチではなさそう

「さて、只野君」

入学式を
終え(もう終わってた)、俺は


スゲー勢いで担任に土下座をしていた。

「君は、入学式そうそう…に、土下座をしている訳だが」

とても落ち着いた声をご発しになられますね先生。あ、ちょっと睨まれた。
新井 岬あらい みさき俺の担任の名前だそうだ。ちなみに、先生が自己紹介している時間、俺は段ボールに隠れながら教室に向かっている途中だった。
…ばれないと思ったんどけどなぁ。

「バレないとでも思ってたか?」

『今丁度思ってやしたぁ!』

俺の頭の思考は世界中に発信している訳ではないんだけどなぁ。

「はぁ…。私も今年入ったばかりだ。問題をあまり増やさないでくれ」

「岬さんは宿題を増やさないで下さいね」

あ、確実に睨まれた、コワイ。

「…………今後、こんなことがないように…………と、いっても通用しないか」

「ええ、ハイ、すいません。岬さん」

「……さっきからだが……学校でのその呼び方は色々アウトだ、そこだけは気を付けろ」

「…うい」

厳重にされてしまった。

『岬』俺はそう呼んだ。
…………いや違う、セフレじゃない。そんなんいないから。
彼女は、昔からの付き合いだ。
…………いや違う、だからセフレじゃない。

閑話休題

彼女の話は、また後にしよう。
その前に、問題の俺の席の確保についてだ。
俺はついさっき来たばかりで、教室すら入っていない。
そのあげく、HRはもう終えており、みんな席を離れているだろう。
そこで問題。

「てーでん」

俺はコミュニケーション力は人並みだろうか
答え『ノー』
俺は陰キャである
答え『イエス』

この質問から導き出される結論は。
【自分の席を聞き出せない】

「よし帰ろう」

進んでいた新しい匂いのする校舎の廊下を引き返そうとする。
このまま俺はこの学校に元々居ませんでしたことに…………

「やあ、只野君」

「…………………ぉぉぅ」

と、俺は呼び止められた。フワッとした髪に少しおっとりしているような雰囲気の人に。
よりによって生徒会長に。

「何、これから帰るの?」

と、友達感覚で接してくる。やりづらいったらありゃしない彼は時鳥 トオルほととぎ。生徒会長っぽくない生徒会長である

「あぁ、いえ、まだ残るつもりです」

「まぁ、まだ授業中だしね、うん」

「ええ、ま、まあ」

「で」

「で?」

「只野君は何してるの?」

「………あ、いやぁ……」

額からもう、汗が、もうびっしょりだぞ 
なんというか会長は、あまり怒ってないのに、ヒヤリと感じてしまう。
まあ、要するに「苦手」なタイプだ。

「ちょっとトイレ…」

「あぁ、止めてごめんね!トイレだったら先に言ってくれれば僕もそそくささ退散してたのに」

「あ、いや、…………いえ」

「じゃ、またね只野君」

何とか自己完結してくれたので、何とか難を逃れることに成功。
よし…、ここまま玄関へと

「あ、只野君」

一ついい忘れていた、と言いつつ振り返った会長。

「幼馴染みには気を…………やっぱりいいや」

…………気を付けろ、と最後まで言わなくても、ハッキリとその言葉は聞こえた。




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