S女‼(えすじょ‼)
episode3 テンプレも悪くはない→フラグ建築
入学式、当日。
「ねぇ、おにーちゃん」
朝方、妹が俺の部屋に入ってきた。
ここは「勝手に入ってくんなよっ!」とでも言うほうがいいんだと思うけど、今はそんなこと言ってる場合じゃない。
「……おにーちゃん、まさか」
「……………なんだ、古鳥羽」
妹がこちらを見てくる。
「まさか……
また夜ふかししたの?」
「………そうだ…………ですハイ」
……そのとうりです。アニメマラソンしてました。
「何やってんのおにーちゃん。今日入学式だよね」
「……そうです」
椅子から床に移動し、正座の体勢をとる。
このときの妹は、攻略が難しい。
なんせ無表情だから、何を考えてるのか検討がつかないから。
…ということで、すぐにでも土下座できる姿勢をつくる。………が
「………え、何で土下座の体勢に入ったの?」
「いや……怒ってるかなー……って思って」
「…怒ってはいないけど、呆れてはいるかな」
「……はい」
あっさり俺の輝かしい土下座のタイミングを潰してくる。
「あれ、もうこんな時間じゃん。おにーちゃん大丈夫なの?」
「入学式は12時から」
時計に目をやる。まだ8時だ。
「ふぅん」
妹は俺の部屋を見回した後、「じゃ、行くね」と言って、部屋から出ていった。
「……あいつ、なにしに来たんだ?」
いや、とりあえずそのことは置いといて、とりあえず寝よう。
床から立ち上がり、ベットに倒れ込む。目を閉じていれば徐々に睡魔が襲ってくる。それに身を任せて、眠りに落ちてい……く……
寝過ごしました。はい。
「……………」
やはりこういうことになることは大体予想していたけど。
まあ、とりあえず入学式の会場の体育館についたら、スネークさんのように隠れスキルを使わなくてはいけないことだけは分かった。
「あー……、行くのめんどくせぇ」
入学早々、「学校辞めたい」の六6文字が浮かび上がってくる。…まぁ、辞めようとしても、妹がキレる(無表情で)からなぁ…。
妹、こわいなぁ…。
と、どうでもいいことを考えていた時、俺の携帯から着信音が流れて来た。
「……もしもし?」
「……………………………………おにーちゃん…?」
「すみませんすぐ行きます」
ドスの効いた声で、フワフワしてた頭の中が覚醒する。
すぐにバックを背負い家を出る。
……遅刻とわかっているので、全力疾走するとか、「やっバーイ、遅刻遅刻ぅ〜」とかしないで、のうのうと歩いてしまう。
時間ヤバイんだけどね。あ、でも「やっバーイ、遅刻遅刻ぅ〜」はちょっとやってみたいかも。
道の角を、少し小走りで向かう。
「やっばーい、遅刻遅刻ぅー(棒読み)」
………………………………変化なし。
「(女子とゴッツーーん……する訳ないか)」
と、思いながら角を曲がろうとしたとき。
ものすごいスピードでこちらに向かって来る物体が見えた。
ゴッツーーん、と。俺とぶつかる。
「いっっっってぇえぇえ!!!!」
想像以上に痛かった。
この出会いから恋が始まる少女漫画の主人公たちを尊敬するぐらい。
「い、いてててて……」
ぶつかってきた物体……少女は、頭を擦ってて、俺と同じ位痛そうだった。
「あ…、えぇ……と、……大じょうー」
手を差し伸べようとして彼女に目を向けた時、俺は目を見開いた。
目の前にいた少女は、美少女だった。
茶色のフワッとしたポニーテール。
整った顔立ちを更に際立たせるオレンジ色の瞳。
「……………」
見惚れていた。テンプレも悪くないな、とも思った。
おっと…いかんいかん。こんな時に見惚れている場合じゃなかった。
「…あ、あの」
「……………」
彼女に話しかける。……けど、反応がない。ていうか、俺をまじまじと見て来る。なんか恥ずかしいな…。
「ね、ねえーー」
「……ともひろ?」
「え?」
そう、その美少女は
一級フラグ建築士でした。
「ねぇ、おにーちゃん」
朝方、妹が俺の部屋に入ってきた。
ここは「勝手に入ってくんなよっ!」とでも言うほうがいいんだと思うけど、今はそんなこと言ってる場合じゃない。
「……おにーちゃん、まさか」
「……………なんだ、古鳥羽」
妹がこちらを見てくる。
「まさか……
また夜ふかししたの?」
「………そうだ…………ですハイ」
……そのとうりです。アニメマラソンしてました。
「何やってんのおにーちゃん。今日入学式だよね」
「……そうです」
椅子から床に移動し、正座の体勢をとる。
このときの妹は、攻略が難しい。
なんせ無表情だから、何を考えてるのか検討がつかないから。
…ということで、すぐにでも土下座できる姿勢をつくる。………が
「………え、何で土下座の体勢に入ったの?」
「いや……怒ってるかなー……って思って」
「…怒ってはいないけど、呆れてはいるかな」
「……はい」
あっさり俺の輝かしい土下座のタイミングを潰してくる。
「あれ、もうこんな時間じゃん。おにーちゃん大丈夫なの?」
「入学式は12時から」
時計に目をやる。まだ8時だ。
「ふぅん」
妹は俺の部屋を見回した後、「じゃ、行くね」と言って、部屋から出ていった。
「……あいつ、なにしに来たんだ?」
いや、とりあえずそのことは置いといて、とりあえず寝よう。
床から立ち上がり、ベットに倒れ込む。目を閉じていれば徐々に睡魔が襲ってくる。それに身を任せて、眠りに落ちてい……く……
寝過ごしました。はい。
「……………」
やはりこういうことになることは大体予想していたけど。
まあ、とりあえず入学式の会場の体育館についたら、スネークさんのように隠れスキルを使わなくてはいけないことだけは分かった。
「あー……、行くのめんどくせぇ」
入学早々、「学校辞めたい」の六6文字が浮かび上がってくる。…まぁ、辞めようとしても、妹がキレる(無表情で)からなぁ…。
妹、こわいなぁ…。
と、どうでもいいことを考えていた時、俺の携帯から着信音が流れて来た。
「……もしもし?」
「……………………………………おにーちゃん…?」
「すみませんすぐ行きます」
ドスの効いた声で、フワフワしてた頭の中が覚醒する。
すぐにバックを背負い家を出る。
……遅刻とわかっているので、全力疾走するとか、「やっバーイ、遅刻遅刻ぅ〜」とかしないで、のうのうと歩いてしまう。
時間ヤバイんだけどね。あ、でも「やっバーイ、遅刻遅刻ぅ〜」はちょっとやってみたいかも。
道の角を、少し小走りで向かう。
「やっばーい、遅刻遅刻ぅー(棒読み)」
………………………………変化なし。
「(女子とゴッツーーん……する訳ないか)」
と、思いながら角を曲がろうとしたとき。
ものすごいスピードでこちらに向かって来る物体が見えた。
ゴッツーーん、と。俺とぶつかる。
「いっっっってぇえぇえ!!!!」
想像以上に痛かった。
この出会いから恋が始まる少女漫画の主人公たちを尊敬するぐらい。
「い、いてててて……」
ぶつかってきた物体……少女は、頭を擦ってて、俺と同じ位痛そうだった。
「あ…、えぇ……と、……大じょうー」
手を差し伸べようとして彼女に目を向けた時、俺は目を見開いた。
目の前にいた少女は、美少女だった。
茶色のフワッとしたポニーテール。
整った顔立ちを更に際立たせるオレンジ色の瞳。
「……………」
見惚れていた。テンプレも悪くないな、とも思った。
おっと…いかんいかん。こんな時に見惚れている場合じゃなかった。
「…あ、あの」
「……………」
彼女に話しかける。……けど、反応がない。ていうか、俺をまじまじと見て来る。なんか恥ずかしいな…。
「ね、ねえーー」
「……ともひろ?」
「え?」
そう、その美少女は
一級フラグ建築士でした。
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