天下界の無信仰者(イレギュラー)
そして知れ。お前が勝つことはないとな!
だがしかし、ミカエルは何事もなかったかのように剣を振るってきた。
「くそ、なんだよこいつ!」
せっかく当てた攻撃もまるで無意味。ミカエルには効いていない。
「ハッハッハッハッハッハ! どうしたイレギュラー、その程度か? 遊ぶんじゃなかったのか、この私と? ほらどうした、付き合ってやろう。そして知れ。お前が勝つことはないとな!」
神愛を切り刻まんと刀身が乱舞する。反撃を恐れる様子は微塵もない。ミカエルも攻撃を当てることに難儀しているが、彼と神愛では条件がまるで違う。
ミカエルは当てるのが難しいだけで当たれば有効だ。だが、神愛は当てても無効。似ているが全然違う。神愛も負けじと起死回生の一撃を打つがそのことごとくを完成された美へと至る第六の力が跳ね返す。
防御こそが最大の攻撃。
完成された美など理論的にあり得ない。仮に現状では完全だとしても、未来においては不備が見つかるかもしれない。そうした可能性がある限り完成とは呼べないのだ。
この世に存在しないもの、あるはずがないもの。
それが完成美。
だが、あり得ないそれがここにある。それはもはや一つの奇跡。これにはあらゆる傷つくという可能性が存在しない。過去現在未来において完全無欠。寿命や死、終わりという概念が存在しない。これは傷つかない。
異能を打ち消す力でも、
あらゆるものを消滅させる力も、
これだけは傷つけられない。弱点も相性もありはしない。もし傷つける方法があるのであれば完成とは呼べない。
ミカエルは無敵をいいことに攻勢の手を緩めない。奇襲の連続で神愛を追い詰めていく。
「鬱陶しいんだよ!」
が、ここにきて神愛も攻勢に転じる!
「なに!?」
攻撃こそが最大の防御。守る逃げるは神愛のやり方ではない。相手がなんであろうともそれを上回る力で押し潰すのみ。
神愛は周囲一帯に黄金のオーラを噴出させた。神愛の足元を中心に直径数百メートルもの黄金光が噴火のように立ち上がる。そこにはミカエルも含まれており光の属性は妨害に他ならない。ミカエルは身動きできず、空間転移も封じられていた。
「吹き飛べ!」
散々好き放題された怒りを込めて、神愛は全力の一撃をミカエルに当てた。
ミカエルの体がくの字に曲がり吹き飛んでいく。極限まで高められた神化の拳だ。その勢いにミカエルは白い羽を散らし後方の星へと衝突した。大きさは木星ほど。それが瞬く間に崩壊しさらに先へ。次々に星を壊し弾いていく。破壊的で宇宙規模のビリヤードだ。
衝撃の濁流にのみ込まれたミカエルは成す術がなく十三個の星に激突してようやく勢いを止めていた。彼が進んできた道のりには星の残骸が漂っている。
彼が背中を預けるのは岩と砂だけの衛星だった。月とほぼ同じものだ。そこに開いた巨大なクレーターの中心にミカエルは仰向けで横になっている。
ミカエルは目を開けた。それだけではない、笑っていたのだ。起き上がり翼を広げると土煙が上がり、神愛の元へと一瞬で転移した。
二人は再び対峙する。最初の時と同じように。
この空間はすでに超常の戦域と化している。超人の戦いを見れるのは超人のみ。凡人に観測などできない。母星とともに宇宙に散るだけだ。
宇宙規模の激闘。ただの人に居場所はない。
神愛は鋭い視線をミカエルに送っている。ここまでの戦いでは両者の実力は互角だ。致命傷はどちらも受けていない。しかし、勝機となると明暗がはっきりと分かれている。
「ふふふふふ……。分からないか? いや、認めたくないか」
その前者、敗率を知らない男が笑い声を零した。
「くそ、なんだよこいつ!」
せっかく当てた攻撃もまるで無意味。ミカエルには効いていない。
「ハッハッハッハッハッハ! どうしたイレギュラー、その程度か? 遊ぶんじゃなかったのか、この私と? ほらどうした、付き合ってやろう。そして知れ。お前が勝つことはないとな!」
神愛を切り刻まんと刀身が乱舞する。反撃を恐れる様子は微塵もない。ミカエルも攻撃を当てることに難儀しているが、彼と神愛では条件がまるで違う。
ミカエルは当てるのが難しいだけで当たれば有効だ。だが、神愛は当てても無効。似ているが全然違う。神愛も負けじと起死回生の一撃を打つがそのことごとくを完成された美へと至る第六の力が跳ね返す。
防御こそが最大の攻撃。
完成された美など理論的にあり得ない。仮に現状では完全だとしても、未来においては不備が見つかるかもしれない。そうした可能性がある限り完成とは呼べないのだ。
この世に存在しないもの、あるはずがないもの。
それが完成美。
だが、あり得ないそれがここにある。それはもはや一つの奇跡。これにはあらゆる傷つくという可能性が存在しない。過去現在未来において完全無欠。寿命や死、終わりという概念が存在しない。これは傷つかない。
異能を打ち消す力でも、
あらゆるものを消滅させる力も、
これだけは傷つけられない。弱点も相性もありはしない。もし傷つける方法があるのであれば完成とは呼べない。
ミカエルは無敵をいいことに攻勢の手を緩めない。奇襲の連続で神愛を追い詰めていく。
「鬱陶しいんだよ!」
が、ここにきて神愛も攻勢に転じる!
「なに!?」
攻撃こそが最大の防御。守る逃げるは神愛のやり方ではない。相手がなんであろうともそれを上回る力で押し潰すのみ。
神愛は周囲一帯に黄金のオーラを噴出させた。神愛の足元を中心に直径数百メートルもの黄金光が噴火のように立ち上がる。そこにはミカエルも含まれており光の属性は妨害に他ならない。ミカエルは身動きできず、空間転移も封じられていた。
「吹き飛べ!」
散々好き放題された怒りを込めて、神愛は全力の一撃をミカエルに当てた。
ミカエルの体がくの字に曲がり吹き飛んでいく。極限まで高められた神化の拳だ。その勢いにミカエルは白い羽を散らし後方の星へと衝突した。大きさは木星ほど。それが瞬く間に崩壊しさらに先へ。次々に星を壊し弾いていく。破壊的で宇宙規模のビリヤードだ。
衝撃の濁流にのみ込まれたミカエルは成す術がなく十三個の星に激突してようやく勢いを止めていた。彼が進んできた道のりには星の残骸が漂っている。
彼が背中を預けるのは岩と砂だけの衛星だった。月とほぼ同じものだ。そこに開いた巨大なクレーターの中心にミカエルは仰向けで横になっている。
ミカエルは目を開けた。それだけではない、笑っていたのだ。起き上がり翼を広げると土煙が上がり、神愛の元へと一瞬で転移した。
二人は再び対峙する。最初の時と同じように。
この空間はすでに超常の戦域と化している。超人の戦いを見れるのは超人のみ。凡人に観測などできない。母星とともに宇宙に散るだけだ。
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神愛は鋭い視線をミカエルに送っている。ここまでの戦いでは両者の実力は互角だ。致命傷はどちらも受けていない。しかし、勝機となると明暗がはっきりと分かれている。
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