天下界の無信仰者(イレギュラー)
弱いわけがない
ウリエルが剣を上段から振り下ろす。高速かつ力強い一撃。しかし神化を得ている神愛は体を横にずらした。
見える。まるでスローモーションのように。次に横一閃の大振りがくる。それを背中を反って躱した。三撃目は強烈な突きだ。体ごと打ち込む片手突き。一点に収束された力が迫る。
その脅威を前にして、神愛は同時に一歩前に出ていた。相手の技に怯まず前に出るのは誰にでも出来ることではない。体を剣線から外し、ウリエルの伸びきった腕を捕まえた!
「おらあ!」
もう片方の手でウリエルの肩を掴み、彼女の腹部へ膝蹴りを行う。
「ぐ!」
その威力にウリエルの体が浮いた。
神愛はウリエルの腕を掴んだまま自分の体を回転させ彼女の腕を捻ると、彼女を回した。神愛の周りをウリエルが早足で歩く。
神愛は手を離すもウリエルは体勢を整えられず、その隙に神愛は大振りの回し蹴りでウリエルのこめかみを蹴り飛ばした。
強烈な蹴り技にウリエルはゴルゴダ美術館の入り口へと突っ込んでいく。扉のガラスが割れ中へと消えていった。
「どうした、その程度かよ恵瑠。お前はもっと強いんじゃないのか? そんなんじゃ俺は止められねえぞ?」
神愛が両手を広げ挑発する。
その直後だった。ゴルゴダ美術館の入り口すら覆う炎が噴き出し、その中からウリエルが飛び出してきた。剣を構え、飛んだまま神愛に打ち付ける。神愛は両腕を交えガードした。
「ぐぅう!」
神愛の両足が地面にめりこんだ。
(マジかよこいつ!)
ウリエルの剣は妨害の黄金に阻まれ神愛の体には当たっていない。そのため体は切れていないが、問題はその衝撃だ。
斬撃はないがその剛剣、山すら砕かんほどの威力が体に響く。華奢な体からは到底想像も出来ないが彼女の神化は超越者だ。
弱いわけがない。神化された神愛の体でも、一撃一撃が鉄バットで打ちのめされるように痛む。ガードした両腕が痛みに震える。
ウリエルは着地すると次々に剣を打ち付けてくる。速い。神愛は前をボクシングガードするも体がよろめく。
「はああああ!」
そこへウリエルは突きの連撃を打ち込んできた。その速度はまるでマシンガンだ。腕に感じる衝撃がまるで同時、点ではなく面のように痛む。
今どこを突かれたのかも分からない。ウリエルの連撃に身動きが取れず、その間にウリエルは突きをしている腕を引いた。大きく溜め、最大の一撃を放つ。
「ちぃいい!」
その威力に今度は神愛が吹き飛ぶ番だった。両足が地面から離れる。すぐに両足をつけさらに片手を地面に突き刺す。それでも勢いは止まらず、神愛の体がひと回転してようやく止まった。
「このぉ!」
神愛は走った。今のお返しをせんと離れた距離を勢いよく走る。
「ファイヤーウォール」
それを阻まんとウリエルは片手を小さく上げた。地面から彼女を囲うように炎の壁が噴出する。
二人を隔てるように。それはいくつも現れた。あらゆるものを阻む猛熱が近づくことすら許さない。
が、
「ワンツー!」
神愛の左ジャブ、右ストレートが次々に炎を打ち消していく。
「なにッ?」
数千度の壁をいとも容易く突破してウリエルの前に現れる。神愛は左手を振るい、ウリエルは剣で防御の構えを取った。
「デス――」
神愛の左アッパーが刀身と激突する。強い。ガードが崩される。それだけでなく体が浮かんだ。
「トロイ!」
その無防備な体へ、背中まで振り被った右ストレートを叩き込む。
ウリエルの体はまたしてもゴルゴダ美術館へと激突していった。建物の三階に吸い込まれるように消えていく。
建物が壊れる豪快な音がなる。しかしそれだけでない。建物を貫通してさらに奥へと飛んでいったのだ。
「ふん!」
神愛は後を追う。両足に力を入れ、一回の跳躍でウリエルが激突していった三階までジャンプする。
破壊された建物の入り口に着くと、反対側の壁が空いているのでそこへ走る。ゴルゴダ美術館の裏の先は庭園になっていた。
それはラファエルが守護していた結界の支点の場所でもあった。そこにウリエルの姿を見つけ神愛は飛び出す。
その跳躍の飛距離といったらもはや飛行のレベルだ。今の神愛なら高層ビルでも飛び越えていける。
ウリエルは神愛に殴られ数百メートルも吹き飛ばされていた。起き上がったばかりか剣を地面に突き刺し顔が下がっている。
そんなウリエルの頭上から、神愛は拳を振り下ろさんと降下していく。
「終わりだぁ!」
これが決まればトドメの一撃だ。
見える。まるでスローモーションのように。次に横一閃の大振りがくる。それを背中を反って躱した。三撃目は強烈な突きだ。体ごと打ち込む片手突き。一点に収束された力が迫る。
その脅威を前にして、神愛は同時に一歩前に出ていた。相手の技に怯まず前に出るのは誰にでも出来ることではない。体を剣線から外し、ウリエルの伸びきった腕を捕まえた!
「おらあ!」
もう片方の手でウリエルの肩を掴み、彼女の腹部へ膝蹴りを行う。
「ぐ!」
その威力にウリエルの体が浮いた。
神愛はウリエルの腕を掴んだまま自分の体を回転させ彼女の腕を捻ると、彼女を回した。神愛の周りをウリエルが早足で歩く。
神愛は手を離すもウリエルは体勢を整えられず、その隙に神愛は大振りの回し蹴りでウリエルのこめかみを蹴り飛ばした。
強烈な蹴り技にウリエルはゴルゴダ美術館の入り口へと突っ込んでいく。扉のガラスが割れ中へと消えていった。
「どうした、その程度かよ恵瑠。お前はもっと強いんじゃないのか? そんなんじゃ俺は止められねえぞ?」
神愛が両手を広げ挑発する。
その直後だった。ゴルゴダ美術館の入り口すら覆う炎が噴き出し、その中からウリエルが飛び出してきた。剣を構え、飛んだまま神愛に打ち付ける。神愛は両腕を交えガードした。
「ぐぅう!」
神愛の両足が地面にめりこんだ。
(マジかよこいつ!)
ウリエルの剣は妨害の黄金に阻まれ神愛の体には当たっていない。そのため体は切れていないが、問題はその衝撃だ。
斬撃はないがその剛剣、山すら砕かんほどの威力が体に響く。華奢な体からは到底想像も出来ないが彼女の神化は超越者だ。
弱いわけがない。神化された神愛の体でも、一撃一撃が鉄バットで打ちのめされるように痛む。ガードした両腕が痛みに震える。
ウリエルは着地すると次々に剣を打ち付けてくる。速い。神愛は前をボクシングガードするも体がよろめく。
「はああああ!」
そこへウリエルは突きの連撃を打ち込んできた。その速度はまるでマシンガンだ。腕に感じる衝撃がまるで同時、点ではなく面のように痛む。
今どこを突かれたのかも分からない。ウリエルの連撃に身動きが取れず、その間にウリエルは突きをしている腕を引いた。大きく溜め、最大の一撃を放つ。
「ちぃいい!」
その威力に今度は神愛が吹き飛ぶ番だった。両足が地面から離れる。すぐに両足をつけさらに片手を地面に突き刺す。それでも勢いは止まらず、神愛の体がひと回転してようやく止まった。
「このぉ!」
神愛は走った。今のお返しをせんと離れた距離を勢いよく走る。
「ファイヤーウォール」
それを阻まんとウリエルは片手を小さく上げた。地面から彼女を囲うように炎の壁が噴出する。
二人を隔てるように。それはいくつも現れた。あらゆるものを阻む猛熱が近づくことすら許さない。
が、
「ワンツー!」
神愛の左ジャブ、右ストレートが次々に炎を打ち消していく。
「なにッ?」
数千度の壁をいとも容易く突破してウリエルの前に現れる。神愛は左手を振るい、ウリエルは剣で防御の構えを取った。
「デス――」
神愛の左アッパーが刀身と激突する。強い。ガードが崩される。それだけでなく体が浮かんだ。
「トロイ!」
その無防備な体へ、背中まで振り被った右ストレートを叩き込む。
ウリエルの体はまたしてもゴルゴダ美術館へと激突していった。建物の三階に吸い込まれるように消えていく。
建物が壊れる豪快な音がなる。しかしそれだけでない。建物を貫通してさらに奥へと飛んでいったのだ。
「ふん!」
神愛は後を追う。両足に力を入れ、一回の跳躍でウリエルが激突していった三階までジャンプする。
破壊された建物の入り口に着くと、反対側の壁が空いているのでそこへ走る。ゴルゴダ美術館の裏の先は庭園になっていた。
それはラファエルが守護していた結界の支点の場所でもあった。そこにウリエルの姿を見つけ神愛は飛び出す。
その跳躍の飛距離といったらもはや飛行のレベルだ。今の神愛なら高層ビルでも飛び越えていける。
ウリエルは神愛に殴られ数百メートルも吹き飛ばされていた。起き上がったばかりか剣を地面に突き刺し顔が下がっている。
そんなウリエルの頭上から、神愛は拳を振り下ろさんと降下していく。
「終わりだぁ!」
これが決まればトドメの一撃だ。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
4405
-
-
4112
-
-
1168
-
-
58
-
-
20
-
-
49989
-
-
439
-
-
23252
-
-
141
コメント