天下界の無信仰者(イレギュラー)
厄介なのが次から次へと
「厄介なのが次から次へと」
ここに来てまたしても無視の出来ない者の登場だった。天羽の出現、これから先を考えればここで倒してしまいたい。
だが、ヤコブは決断した。それはサリエルとの戦闘を放棄し、今すぐ二人でラファエルのところまで飛ぶことだ。サリエルは倒しておきたいが、ラファエルの砲撃さながらの光矢はそれ以上の脅威だ。
「だからさせねえよ」
だが、それをサリエルは読んでいた。
気づけば二人は宮殿の外におり、それは入口前の広場だった。
「これは!?」
「飛ばされましたね」
広場は広大な円形の形をしており、外縁にはいくつもの円柱が並んでいる。床はコンクリートでできており中央には巨大なオベリスクが聳え立っていた。
 普段ならば観光として賑わう場所であるが、ここに詰め寄るのは旅人ではなく軍人だ。
その数、五百人はいるだろうか。伝統的な聖騎士隊とは違いゴルゴダ共和国正規軍の格好は灰色の戦闘服の上から前腕部、腿、頭にプレートメイルを装備した軽装だ。
 特に違うのが装備している武器が銃器であることだ。肩からサブマシンガンをかけ、大腿部のポケットには弾倉と拳銃が備わっている。
 騎士の面影を残しつつも、その方向性は現代的であった。
広場では聖騎士隊と正規軍によって激しい戦闘が行われている。至る所で銃撃が行なわれ、聖騎士隊は盾で銃弾を防ぎながら剣を振るっている。
 だが劣勢なのは言うまでもなく、爆発に巻き込まれれば吹き飛ばされ、戦闘に特化した正規軍が押していた。
「ひとまずはここを片付けましょう」
「見てはおれんわ!」
味方の窮地を目の前にして、二人は行動を開始した。
ヨハネは早業で両手に銃を取り、別々の方角へと発砲した。華麗なまでの連続攻撃によって広範囲をピンポイントで吹き飛ばしていく。
 強化された銃弾の衝撃は兵士たちを次々に沈黙させていった。
ヤコブも空間転移による連続攻撃によって瞬く間に多くの兵士を倒していった。敵の兜の上から峰打ちをお見舞いし倒していく。現れては消え、ものの見事に兵士たちを倒していく。
二人の出現に敵も襲撃を行なってきた。広場に集まる多くの兵士、それらの銃口がヨハネとヤコブに集中する。
 その数、あまりにも違い過ぎる数の暴力が二人に殺到した。
だがここは天下界。勝敗を決するのは数ではなく、信仰心の質である。
全身に浴びせられる9ミリ弾が、当たったにも関わらず弾かれていく! まるで分厚い鉄の壁に撃ち込んでいるかのように、二人の体に命中しても傷一つ付けられない。
彼ら信仰者の物理耐性無効は1であり、そのため彼らならば物をすり抜ける幽霊だろうが銃で倒せるだろう。
 だがヨハネはそれすら無効化する高位者であり、ヤコブに至っては超越者だ、物理耐性2を持つ二人に彼らが勝てる道理はない。
圧倒的な数の差が、この場に現れたたった二人によって盛り返されていく。敵にしてみれば悪夢だったろう。
反対に、やられるのも時間の問題であった味方からしてみれば、ヨハネとヤコブはまさにヒーローだった。
ヤコブとヨハネの活躍によって広場にいた五百人近くいた兵士たちが倒されていた。
 広場の隅に大勢の兵士たちが横になっており、中央オベリスクにはヨハネと空間転移で戻ってきたヤコブがたった今降り立った。
そんな二人に入口前で防戦していた騎士たちからあらん限りの歓声が贈られる。
ヨハネは拳銃を持ったまま気恥ずかしそうに頭を掻いた。というのも裏切ったばかりの自分がこうして声援を贈られるというのも複雑である。
「なにをしている、もっと胸を張らんか」
そんなヨハネにヤコブは言い寄った。
「お前は戦った。結果彼らを守り、彼らから喜ばれた。当然のことだ」
ヤコブの言葉にヨハネは頭を掻く手を止めた。銃を下ろし辺りを見渡す。
ヨハネはまだなんとも言えない気持ちはあったが、しかしその思いは押し留め口元を引き締めた。そして隣にいるヤコブに声をかける。
「それにしても気づきましたか、敵の異変を」
「当たり前だ、なんだこいつらは」
ヨハネの確認にヤコブも辺りを見渡した。広場の隅へと吹き飛ばされて倒れている彼らだが、それを怪しい者を見る目で見つめる。
「なぜ全員目が赤い?」
そう、ヘルムを被っているせいで分かりづらいが、彼らの目は赤いのだ。これだけの人数偶然ではあるまい。まずあり得ない事態だ。
ここに来てまたしても無視の出来ない者の登場だった。天羽の出現、これから先を考えればここで倒してしまいたい。
だが、ヤコブは決断した。それはサリエルとの戦闘を放棄し、今すぐ二人でラファエルのところまで飛ぶことだ。サリエルは倒しておきたいが、ラファエルの砲撃さながらの光矢はそれ以上の脅威だ。
「だからさせねえよ」
だが、それをサリエルは読んでいた。
気づけば二人は宮殿の外におり、それは入口前の広場だった。
「これは!?」
「飛ばされましたね」
広場は広大な円形の形をしており、外縁にはいくつもの円柱が並んでいる。床はコンクリートでできており中央には巨大なオベリスクが聳え立っていた。
 普段ならば観光として賑わう場所であるが、ここに詰め寄るのは旅人ではなく軍人だ。
その数、五百人はいるだろうか。伝統的な聖騎士隊とは違いゴルゴダ共和国正規軍の格好は灰色の戦闘服の上から前腕部、腿、頭にプレートメイルを装備した軽装だ。
 特に違うのが装備している武器が銃器であることだ。肩からサブマシンガンをかけ、大腿部のポケットには弾倉と拳銃が備わっている。
 騎士の面影を残しつつも、その方向性は現代的であった。
広場では聖騎士隊と正規軍によって激しい戦闘が行われている。至る所で銃撃が行なわれ、聖騎士隊は盾で銃弾を防ぎながら剣を振るっている。
 だが劣勢なのは言うまでもなく、爆発に巻き込まれれば吹き飛ばされ、戦闘に特化した正規軍が押していた。
「ひとまずはここを片付けましょう」
「見てはおれんわ!」
味方の窮地を目の前にして、二人は行動を開始した。
ヨハネは早業で両手に銃を取り、別々の方角へと発砲した。華麗なまでの連続攻撃によって広範囲をピンポイントで吹き飛ばしていく。
 強化された銃弾の衝撃は兵士たちを次々に沈黙させていった。
ヤコブも空間転移による連続攻撃によって瞬く間に多くの兵士を倒していった。敵の兜の上から峰打ちをお見舞いし倒していく。現れては消え、ものの見事に兵士たちを倒していく。
二人の出現に敵も襲撃を行なってきた。広場に集まる多くの兵士、それらの銃口がヨハネとヤコブに集中する。
 その数、あまりにも違い過ぎる数の暴力が二人に殺到した。
だがここは天下界。勝敗を決するのは数ではなく、信仰心の質である。
全身に浴びせられる9ミリ弾が、当たったにも関わらず弾かれていく! まるで分厚い鉄の壁に撃ち込んでいるかのように、二人の体に命中しても傷一つ付けられない。
彼ら信仰者の物理耐性無効は1であり、そのため彼らならば物をすり抜ける幽霊だろうが銃で倒せるだろう。
 だがヨハネはそれすら無効化する高位者であり、ヤコブに至っては超越者だ、物理耐性2を持つ二人に彼らが勝てる道理はない。
圧倒的な数の差が、この場に現れたたった二人によって盛り返されていく。敵にしてみれば悪夢だったろう。
反対に、やられるのも時間の問題であった味方からしてみれば、ヨハネとヤコブはまさにヒーローだった。
ヤコブとヨハネの活躍によって広場にいた五百人近くいた兵士たちが倒されていた。
 広場の隅に大勢の兵士たちが横になっており、中央オベリスクにはヨハネと空間転移で戻ってきたヤコブがたった今降り立った。
そんな二人に入口前で防戦していた騎士たちからあらん限りの歓声が贈られる。
ヨハネは拳銃を持ったまま気恥ずかしそうに頭を掻いた。というのも裏切ったばかりの自分がこうして声援を贈られるというのも複雑である。
「なにをしている、もっと胸を張らんか」
そんなヨハネにヤコブは言い寄った。
「お前は戦った。結果彼らを守り、彼らから喜ばれた。当然のことだ」
ヤコブの言葉にヨハネは頭を掻く手を止めた。銃を下ろし辺りを見渡す。
ヨハネはまだなんとも言えない気持ちはあったが、しかしその思いは押し留め口元を引き締めた。そして隣にいるヤコブに声をかける。
「それにしても気づきましたか、敵の異変を」
「当たり前だ、なんだこいつらは」
ヨハネの確認にヤコブも辺りを見渡した。広場の隅へと吹き飛ばされて倒れている彼らだが、それを怪しい者を見る目で見つめる。
「なぜ全員目が赤い?」
そう、ヘルムを被っているせいで分かりづらいが、彼らの目は赤いのだ。これだけの人数偶然ではあるまい。まずあり得ない事態だ。
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