天下界の無信仰者(イレギュラー)
どうした、自信満々のわりにこの程度かよ、ハン?
教皇宮殿の正面を突破した俺たちは一階のフロアへと入っていた。中は広く白い床には光沢がある。
 正面には受付の窓口があり、フロアにはいくつもの柱が立っていた。受付の後ろは大きな階段があり、踊り場で左右に分かれて二階へと続いていた。
目指すは二十九階。このまま階段へと走っていきたいとこだが、しかしそうはいかなかった。
「止まれ侵入者! 貴様らはここで止める!」
フロアには多くの騎士たちが並んでいたのだ。隊列を組み百人近い甲冑を着込んだ連中が待ち構えていた。全員が兜を被っているため顔は分からないが気迫だけは十分に伝わってくる。
だが、こっちだって止まれない。ヨハネ先生が繋いでくれた活路を無駄になんてしてたまるか。
「うるせえ! ここは通してもらうぜ雑魚キャラが」
「なんだと!?」
騎士たちが剣を構える。俺の言葉に触発されて怒りが滲み出している。
「いけえ! 手加減無用、やつらを倒せ!」
男の掛け声に騎士たちが一斉に襲いかかってきた。雄叫びと共に大勢が駆けてくる。
難関は終わらない。次から次へと邪魔が入っては俺たちを止めにくる。
でも諦めない。この上に恵瑠がいる。俺たちの助けを待っているはずだから。
俺は叫んだ。
「いくぞお前ら!」
「はい!」
「ええ!」
「うん」
俺の掛け声にミルフィア、加豪、天和が返事をする。俺は走り出しその後をみんながついて来る。
「うをおおお!」
王金調律を発動し全身が黄金のオーラに包まれる。強化により俺の体は段階的に強くなっていく。さらには黄金のオーラは周囲にも展開していった。
 妨害の力は敵の動きを鈍らせ戦いを有利に進められる。強化と妨害の二重属性は相乗的に俺を強くしていく。
さあ、いくぜ!
複数の騎士が剣を振り上げ俺の前に現れた。刀身の大きい両手剣を大人が持ち上げれば三メートルは軽く超える。怒涛の勢いで迫る騎士たちだったが、
「ぬ!?」
「なんだ!?」
黄金のオーラが敵の動きを止める。振り下ろす直前、オーラは騎士たちの腕に纏わりついたのだ。
「おせえ!」
その隙に拳を構える。右手に黄金が充填していく。力を溜め込み、一気に解放するように振り放った。
「うらあ!」
大振りの右フックは目の前にいた騎士全員を吹き飛ばした。それぞれが後方の壁まで飛んでいく。
「まだまだぁ!」
拳を構え大勢の騎士たちに突撃した。
「ワン、トュウ!」
ダッシュしながら打ち出した左ジャブを相手の盾にぶつけ体勢を崩し、構えていた右ストレートで吹き飛ばす。
「デス、トロイ!」
デスの掛け声と共に左手を振り上げる。左アッパーの衝撃は竜巻さながらで、黄金のオーラが上昇すると一緒に周囲にいる十人近くの騎士を浮かび上がらせた。
 次に右の拳を地面に叩き付け衝撃波が浮かんだ騎士を弾き飛ばす。
「ぐあああ!」
天井や壁に張り付きそのまま地面へと落ちていった。
「どうした、自信満々のわりにこの程度かよ? ハン?」
俺は残りの騎士たちに挑発する。
第四の神理、王金調律。強化と妨害を使い、近接戦に特化した戦い方で敵を圧倒していく。
「クソッ、あいつは後回しだ。まずは女の方から狙え!」
隊長の男が指示を飛ばす。俺を倒すのが困難だと判断したようで標的を切り替える。
だが、それが正しいとは思えない。
なぜなら。
「甘く見られたものですね」
騎士たちが向かったのははミルフィアだ。金髪の前髪の下にある青い瞳が戦意を宿して敵を睨みつる。
「あなたたちにはここを退いてもらいます」
そう言ってミルフィアが右手を向ける。浮かび上がる黄色の魔法陣が回り始める。エネルギーを充填し、発射する光線が敵を捉えた!
「があああ!」
一斉に騎士たちが吹き飛び倒れていく。壁や床も粉砕され土煙が上がる。
ミルフィアの思想統一、それが持つ弾圧の力は半端じゃない。高火力の攻撃を次々と撃ち出していく様は圧巻だ。
「ハッ、ハッ、ハア!」
右手、左手と交互に攻撃を繰り出す。その度に屈強な騎士たちが悲鳴を上げ倒れていく。ミルフィアの攻撃にみるみると脱落者が山のようにできていく。
だが相手も負けていられない。玉砕覚悟か、剣を構え囲むようにミルフィアに突撃していった!
「伏せてください!」
ミルフィアが叫ぶ。その声に従い俺たちはしゃがんだ。
ミルフィアは両手を左右に向け魔法陣を出すと、両方から光線を発射した。しかもその場で回転し周囲の敵を一掃したのだ。
 さらにはジャンプして宙に浮かび回転していく。二つの黄色い閃光が空間を走り全体へと攻撃する。多くの敵を倒しミルフィアは着地した。
「まだまだですね、心に弱さが見えます。それでは立派な信仰者とは呼べませんよ」
遠距離、また多数の相手との戦いを得意とするミルフィアが辺りを制圧していく。俺が近場の敵しか相手できないため遠くを攻撃できるミルフィアは頼りになる。
 正面には受付の窓口があり、フロアにはいくつもの柱が立っていた。受付の後ろは大きな階段があり、踊り場で左右に分かれて二階へと続いていた。
目指すは二十九階。このまま階段へと走っていきたいとこだが、しかしそうはいかなかった。
「止まれ侵入者! 貴様らはここで止める!」
フロアには多くの騎士たちが並んでいたのだ。隊列を組み百人近い甲冑を着込んだ連中が待ち構えていた。全員が兜を被っているため顔は分からないが気迫だけは十分に伝わってくる。
だが、こっちだって止まれない。ヨハネ先生が繋いでくれた活路を無駄になんてしてたまるか。
「うるせえ! ここは通してもらうぜ雑魚キャラが」
「なんだと!?」
騎士たちが剣を構える。俺の言葉に触発されて怒りが滲み出している。
「いけえ! 手加減無用、やつらを倒せ!」
男の掛け声に騎士たちが一斉に襲いかかってきた。雄叫びと共に大勢が駆けてくる。
難関は終わらない。次から次へと邪魔が入っては俺たちを止めにくる。
でも諦めない。この上に恵瑠がいる。俺たちの助けを待っているはずだから。
俺は叫んだ。
「いくぞお前ら!」
「はい!」
「ええ!」
「うん」
俺の掛け声にミルフィア、加豪、天和が返事をする。俺は走り出しその後をみんながついて来る。
「うをおおお!」
王金調律を発動し全身が黄金のオーラに包まれる。強化により俺の体は段階的に強くなっていく。さらには黄金のオーラは周囲にも展開していった。
 妨害の力は敵の動きを鈍らせ戦いを有利に進められる。強化と妨害の二重属性は相乗的に俺を強くしていく。
さあ、いくぜ!
複数の騎士が剣を振り上げ俺の前に現れた。刀身の大きい両手剣を大人が持ち上げれば三メートルは軽く超える。怒涛の勢いで迫る騎士たちだったが、
「ぬ!?」
「なんだ!?」
黄金のオーラが敵の動きを止める。振り下ろす直前、オーラは騎士たちの腕に纏わりついたのだ。
「おせえ!」
その隙に拳を構える。右手に黄金が充填していく。力を溜め込み、一気に解放するように振り放った。
「うらあ!」
大振りの右フックは目の前にいた騎士全員を吹き飛ばした。それぞれが後方の壁まで飛んでいく。
「まだまだぁ!」
拳を構え大勢の騎士たちに突撃した。
「ワン、トュウ!」
ダッシュしながら打ち出した左ジャブを相手の盾にぶつけ体勢を崩し、構えていた右ストレートで吹き飛ばす。
「デス、トロイ!」
デスの掛け声と共に左手を振り上げる。左アッパーの衝撃は竜巻さながらで、黄金のオーラが上昇すると一緒に周囲にいる十人近くの騎士を浮かび上がらせた。
 次に右の拳を地面に叩き付け衝撃波が浮かんだ騎士を弾き飛ばす。
「ぐあああ!」
天井や壁に張り付きそのまま地面へと落ちていった。
「どうした、自信満々のわりにこの程度かよ? ハン?」
俺は残りの騎士たちに挑発する。
第四の神理、王金調律。強化と妨害を使い、近接戦に特化した戦い方で敵を圧倒していく。
「クソッ、あいつは後回しだ。まずは女の方から狙え!」
隊長の男が指示を飛ばす。俺を倒すのが困難だと判断したようで標的を切り替える。
だが、それが正しいとは思えない。
なぜなら。
「甘く見られたものですね」
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「あなたたちにはここを退いてもらいます」
そう言ってミルフィアが右手を向ける。浮かび上がる黄色の魔法陣が回り始める。エネルギーを充填し、発射する光線が敵を捉えた!
「があああ!」
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ミルフィアの思想統一、それが持つ弾圧の力は半端じゃない。高火力の攻撃を次々と撃ち出していく様は圧巻だ。
「ハッ、ハッ、ハア!」
右手、左手と交互に攻撃を繰り出す。その度に屈強な騎士たちが悲鳴を上げ倒れていく。ミルフィアの攻撃にみるみると脱落者が山のようにできていく。
だが相手も負けていられない。玉砕覚悟か、剣を構え囲むようにミルフィアに突撃していった!
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ミルフィアが叫ぶ。その声に従い俺たちはしゃがんだ。
ミルフィアは両手を左右に向け魔法陣を出すと、両方から光線を発射した。しかもその場で回転し周囲の敵を一掃したのだ。
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