茶師のポーション~日常編

神無乃愛

お品書き その1

 お品書き


 ダージリンティ
 マスターの義息子、朔が妹・翠の作った茶菓子を食べる時に飲んでいた紅茶。
 インド北部にあるダージリン地方で採れる紅茶のこと。水色は透明度の高い琥珀色でストレートティ向け。「紅茶のシャンパン」とも呼ばれ、セイロンのウバ、中国の祁門キームンと並んで世界三大紅茶とも呼ばれる。
 収穫する時期に合わせ、「ファーストフラッシュ(春摘み)」「セカンドスラッシュ(夏摘み)」「オータムナル(秋摘み)」の三種類に分かれる。
 ファーストフラッシュ……俗に言う「一番茶」。収穫時期が早いため中々発酵が進まず、緑茶と見間違うほどに緑色から暗緑色の茶葉が多く混ざる。三種類の中では一番色が薄く、若々しい爽やかな香りが特徴。ただ、「青臭い」「薄い」などと言われることもあり、好みは別れる。日本やドイツで人気。
 セカンドフラッシュ……二番茶。一番茶が採れてから約三週間ほどの休眠後に成長した茶葉。この時期になると、昆虫からの食害と風や乾燥などからストレスを受けるとされている。それゆえ、シーズンの中でも一番美味しいとされる茶葉が収穫される。「マスカテルフレーバー」と呼ばれる卓越した香りがあるのもこのシーズンの茶葉の特徴。高値で取引されることも。
 オータムナル……セカンドフラッシュの後に訪れるモンスーンや雨季が終わった後に収穫される茶葉。茶葉の色は暗褐色、水色は三種の中で一番濃く、「紅茶のロゼ」とも呼ばれる。ファーストやセカンドがストレート向きであるのに対し、オータムはミルクティにしてもいい。二種に比べて安価で取引されている。

マスター「朔君にお出ししたのはオータムナルで、産地は……(延々と続くので略)」


 水出し緑茶
 水出しにすることにより、お茶に含まれるカフェインの軽減を狙ったもの。また、夏にはすぐに飲めるので便利。また渋味も少なくなる。水、氷水、氷と淹れ方も様々。

マスター「今回は玉露を使用し、氷水でお淹れいたしました。ご自宅で大量に作る場合は水のみが楽かと思われます。三時間から六時間ほどお待ちいただければ、美味しくいただけます。今回使用させていただいた産地は……」

 その場で出す場合

水の場合
水300ml 茶葉10g
急須に茶葉を入れ、水を注ぎ五分ほど待つ。

氷水の場合
氷水200ml 茶葉20g
こちらも急須にいれて五分待つ。


 ルイボスティ

 マメ亜科のアスパラトゥス属の一種である、ルイボスの葉を乾燥させて作ったもの。茶は紅茶のように赤く、ほのかに甘みがある。カフェインを含まず、タンニン濃度もごく低いので、妊婦や乳児に与える場合もある。独特の癖があるので、苦手な人は苦手。「夜の紅茶」と呼ばれることもある。抗酸化作用や冷え予防など、様々な効果があるとされている。

マスター「独特の癖が苦手な方は、黒糖やミルクなどを入れると変わります。好みによっては豆乳や蜂蜜などもお勧めです。温まりたい場合は生姜を入れたり……」


 ハーブティソーダ

 ハーブティをソーダで割ったもの。朔のお気に入り。ハーブティはたいていがブレンドで、その場に応じてマスターが配合を考えている。
 今回はペパーミントとレモングラス。ミントはシソ科の植物で、疲労回復や消化促進、頭痛を和らげる効果があるとされている。レモングラスはイネ科の植物で、レモンの香りがするうえ、消化促進や胃腸を健全にする働きがあるとされている。レモングラスはタイ料理、スープ、カレーなどにも使われるハーブ。

マスター「朔君が大分お疲れのようでしたので。お休み用のお茶として持たせました」
朔「毎回助かります。旦那様に飲まれることもあるんだけどね」
マスター「相変わらずですね」
朔「全くだ。おかげで私の飲む分が少なくなる」



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