800年も生きる魔女は意外とツンデレだった。

星桜

2.道に迷った先に。

無事に、国に入ることができだ。
ゴタゴタがあったため、お腹がすいた。
とりやえず、パンか何かを買おう!
キョロキョロと周りを見渡す。
気づいた時には、綺麗な街並みではなく、鬱蒼と草木が生い茂る森のなかだった。

 ありゃ!ここどこ?…迷子?何故?
ちゃんとした道を歩いていたはずなのに。

「はぁ~。今頃気がついたか?」

「は!?気づいていたのか?
   ならば、教えてくれれば良かった物を!」

「何度も言っただろうが!
    それを無視したのは、エレンだろうが!」

「まじかよー…。」

とりあえず、ほうきを取り出す。
しかし、木がとぶことを防ぐように高く延びていた。仕方なく、人の気配がする方へ歩き始めた。
エリーゼは、優雅に私の肩に乗っている。
うーむ。ムカつくな。(ニコッ)

「あつっ!何すんだよ、エレン!」

余は、肩の上で魔力を炎に変えた。
その炎が、エリーゼの尻尾に燃え移った。
エリーゼは、炎を頑張って消していた。

「ははっ、いつまでも余の肩に乗っているからだ。」

「相変わらず、性格螺曲がってる。」

と、言いながら私の肩から飛び降りた。
気がつくと、ある程度街まで近づいたようだ。
ふと、空を見上げると木々の隙間から夜空に輝く満月が出ていた。
その美しいさに見とれていると、何かにつまずいて派手に転んでしまった。
呻き声をあげながら顔をあげてみると、目があった。
人間と…。
余は、咄嗟に立ち上がる。
何故こんなところに、こんなに時間帯に人がいるのだ!
とんでもない醜態を見せてしまったと思いながら、服についた汚れを落とす。
気付けば、腕や脚に巻いていた包帯が汚れ、ほどけかけていた。その隙間からは、怪しく紅く光る文字が見える。夜だから目立って見えた。
とりあえず、きつく巻こうと手を脚に伸ばすと、

「ねぇ、君大丈夫かい?ぼろぼろじゃないか。
   僕の家、すぐ近くだからおいでよ。」

と、さっき余が転んだところを見ていた青年が手を差し伸べてきた。
咄嗟に、余は手を振り払う。

「ふっ、人間ごときが魔女に簡単に話かけるでない。これぐらいへでもないわ。(ふいっ)」

「あぁ、ごめん…。君魔女なんだね。名前、なんて言     うの?僕は、アキト。」

「うむ、そうか…。余はエレンだ。」

「エレン、街までの道分かるか?」

「なっ!分かるに決まっておるだろうが!」

「ははっ、そっかそっか。」

「ふっ、大した用事がないなら余は…(グリュー)」

「…」  「…」

「お腹すいてるんだね。家近くだからおいで。」

と言い、アキトは私の手首を掴み歩き出す。

「なっ!離せ!余は…(グリュー)」

「そんなに無理しなくてもいいのに。」

アキトはそう言って、頬笑む。
何なんだこの人間は!
こんな強引な奴、絶対モテナイタイプだ!
と思いながら、アキトについていった。

我ながら、単純だと思う。




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