ショートストーリー
世界一のお金持ち
「はぁーあ・・」
ため息が溢れる。
「お金たまんないなぁこれじゃマイホームなんて夢のまた夢だわ。」
「そんな簡単な事じゃないってわかってるだろう、でも先週俺課長になったから少しは夢に近づいたと思うぞ。」
夫も自分の自慢話を入れながら励ます。
「そうね 私もアルバイトでもしようかな?」
「うん それもアリだと思うよ。」
「わかった 明日ちょっと探してみる。」
「頑張れよ」
「うん  電気代もったいないからもう電気消すね おやすみなさい。」
「おやすみ・・・」
こうして夫婦は眠りについた
「行ってきまーす。」
「いってらしゃーい きおつけてねー」
朝、掃除洗濯しながら夫を見送った。
「よし!終わったし買い物行くついでにバイト探してみるか。」
意気込みながら家を出るがその気持ちはすぐに消えた。
見るからに怪しい黒ずくめの服を着た老人がフリーマーケットをしていた。いつもならスルーするとこだが今日はなぜか気になった。
「いらっしゃい・・・」
気づいたら商品の前にいた。そこには世界一のお金持ちになれる貯金箱(猫型)と書かれている商品があった。
「これいくらなんですか?」
「100円だよ・・」
貯金箱にしては安かった。
「まぁ願掛けも含めて使ってみようかしら これください。」
「ありがとうございました。」
買い物だけ済ませて、アルバイトのことはすっかり忘れて帰ってしまった。
「早速入れてみよ  千円でいいかな」
早速猫の頭から千円を入れてみた すると貯金箱の真ん中にあるプレートが1000を表示した。
「へぇー入れた金額を表示してくれるんだぁ これで100円とかかなりラッキーだわ」
次の日 貯金箱を見てみるとプレートに書かれている数字が1050になっていた。
「え? あなたー昨日この貯金箱に50円いれた?」
「いやーいれてないよー」
明らかにおかしい昨日は千円を入れた後二人とも貯金箱に触れるどころか近づきもしなかったのになぜか増えている。
「もしかして勝手に増えるの?」
そんな期待というには大袈裟すぎるものを抱いた次の日の朝、プレートには1100の数字が書かれていた。
「やっぱりこれは勝手にお金が増えるんだわ。しかも入れた分だけ利子のように増えるんだわ。」
そんな事わかってしまった。私は止まらなかった。口座にあるお金を全ておろし、夫の給料を前借りさせてもらい、さらに夫に会社を辞めさせ退職金までも貰い、全て貯金箱に入れた。するとお金の増え方が一気に変わり気付けば800万円まで溜まっていた。貯金箱も部屋の天井に頭がつくくらいにまで大きくなっていた。
「ふ〜ふふんふんふんふんふ〜ん」
鼻歌を歌いながらアクセサリーのチラシを見る。
「これとても綺麗!少しくらいなら使っていいよね」
と思いつつ貯金箱のある部屋に向かう。
「確かお尻の方に回収口があったはず あぁこれか」
その回収口を開けようとするがビクとしない。
「なんで開かないのよ この!」
貯金箱を蹴るといきなり貯金箱がこっちに振り向き喋り出す。
「回収ハデキマセン」
「はぁ?!なんでよ!」
「私ノ目的ハアナタヲ世界一ノオカネ持チニスルコトダカラデス。世界一ノオカネ持チニナルタメニハアト59年カカリマス。」
「そんなに待てるわけないでしょ!」
収入源が無くなった夫婦はそれ以来ホームレスの生活が始まった。
ため息が溢れる。
「お金たまんないなぁこれじゃマイホームなんて夢のまた夢だわ。」
「そんな簡単な事じゃないってわかってるだろう、でも先週俺課長になったから少しは夢に近づいたと思うぞ。」
夫も自分の自慢話を入れながら励ます。
「そうね 私もアルバイトでもしようかな?」
「うん それもアリだと思うよ。」
「わかった 明日ちょっと探してみる。」
「頑張れよ」
「うん  電気代もったいないからもう電気消すね おやすみなさい。」
「おやすみ・・・」
こうして夫婦は眠りについた
「行ってきまーす。」
「いってらしゃーい きおつけてねー」
朝、掃除洗濯しながら夫を見送った。
「よし!終わったし買い物行くついでにバイト探してみるか。」
意気込みながら家を出るがその気持ちはすぐに消えた。
見るからに怪しい黒ずくめの服を着た老人がフリーマーケットをしていた。いつもならスルーするとこだが今日はなぜか気になった。
「いらっしゃい・・・」
気づいたら商品の前にいた。そこには世界一のお金持ちになれる貯金箱(猫型)と書かれている商品があった。
「これいくらなんですか?」
「100円だよ・・」
貯金箱にしては安かった。
「まぁ願掛けも含めて使ってみようかしら これください。」
「ありがとうございました。」
買い物だけ済ませて、アルバイトのことはすっかり忘れて帰ってしまった。
「早速入れてみよ  千円でいいかな」
早速猫の頭から千円を入れてみた すると貯金箱の真ん中にあるプレートが1000を表示した。
「へぇー入れた金額を表示してくれるんだぁ これで100円とかかなりラッキーだわ」
次の日 貯金箱を見てみるとプレートに書かれている数字が1050になっていた。
「え? あなたー昨日この貯金箱に50円いれた?」
「いやーいれてないよー」
明らかにおかしい昨日は千円を入れた後二人とも貯金箱に触れるどころか近づきもしなかったのになぜか増えている。
「もしかして勝手に増えるの?」
そんな期待というには大袈裟すぎるものを抱いた次の日の朝、プレートには1100の数字が書かれていた。
「やっぱりこれは勝手にお金が増えるんだわ。しかも入れた分だけ利子のように増えるんだわ。」
そんな事わかってしまった。私は止まらなかった。口座にあるお金を全ておろし、夫の給料を前借りさせてもらい、さらに夫に会社を辞めさせ退職金までも貰い、全て貯金箱に入れた。するとお金の増え方が一気に変わり気付けば800万円まで溜まっていた。貯金箱も部屋の天井に頭がつくくらいにまで大きくなっていた。
「ふ〜ふふんふんふんふんふ〜ん」
鼻歌を歌いながらアクセサリーのチラシを見る。
「これとても綺麗!少しくらいなら使っていいよね」
と思いつつ貯金箱のある部屋に向かう。
「確かお尻の方に回収口があったはず あぁこれか」
その回収口を開けようとするがビクとしない。
「なんで開かないのよ この!」
貯金箱を蹴るといきなり貯金箱がこっちに振り向き喋り出す。
「回収ハデキマセン」
「はぁ?!なんでよ!」
「私ノ目的ハアナタヲ世界一ノオカネ持チニスルコトダカラデス。世界一ノオカネ持チニナルタメニハアト59年カカリマス。」
「そんなに待てるわけないでしょ!」
収入源が無くなった夫婦はそれ以来ホームレスの生活が始まった。
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