異能ガチャと勇者逃亡生活

バーニー

危険の予兆


ヤナ「危険があるですか……」

 樹達は孤児院ホープに着きヤナにドゲールに忠告された事を伝えた。
 だが、ドゲールに会ったことなどは伝えていない。
 情報ギルドで聞いたといっている。

ヤナ「情報ギルドからなら間違えは少ないですね……」

樹「そうだな。」

 ヤナは真剣な表情で思考している。
 
ヤナ「逃げるにしてもどこに……それに子供達に負担がかかる。」

 ヤナの心配はそこにあった。
 そもそもヤナは元貴族だった。この国は生きにくいだろう。
 外国に逃げるにしても今は海竜パレードだ。
 大陸は渡れ無い。子供達だってむやみに動いたりすると負担になる。
 ヤナが悩んでることだ。

樹「問題は海竜パレードなんだよなぁ。」

フェ「ねぇ。今思いついたんだけど海竜パレードならザールに相談してみたら?」

 樹やヤナが悩んでるとフェンが提案してくる。

樹「相談って?」

フェ「確かね。今思い出したんだけど魔王軍は空を飛ぶ乗り物を作ってるらしいんだ。ザールに相談すればもしかしたらのせてくれるかも。魔王は穏便派だしね。」

樹「なるほどね。」

 樹は納得した。

樹「でも、フェン。よく知ってるな。」

フェ「うん。お父さんが国家機密って言ってたけどね。」

樹「それって言っていいのか?」

 樹は戸惑いつつ国家機密レベルなのを理解する。

樹「てか、最初っから思い出せよ。」

フェ「えへへ。ごめん。」

 フェンは少し舌を出して可愛く謝る。

樹「全然可愛く無いからな。」

フェ「冷たいなぁ。」

 フェンや樹は苦笑いしながら笑い合う。

樹「さて、じゃあザールに相談するか。ヤナそれからで良いか?」

ヤナ「分かりました。それ以外選択がないので。」

 ヤナも了承した。まぁ、ヤナが言ったとおりそれ以外選択もないのだが……。
 ここで樹はある質問をヤナにする。

樹「ヤナ、なんか人とは違うと思ったことはないか?」

 そう樹はヤナの特殊能力を調べようとしたのだ。

ヤナ「人とは違うと感じたこと……ですか?」

樹「あぁ、そうだ。」

ヤナ「そうですね……ないです。」

 ヤナは感じたことはないようだ。

樹「そうか……」

 樹も疑問に思うことはあるけど一応納得した。

樹「なら一旦帰るか……」

 そして樹が帰ろうとすると……

ドゲ「早く逃げろ!!」

 孤児院の窓を割って入ってきたのはドゲールだった。
 しかも表情は鬼気に迫っている。

ドゲ「足止めができなかった。もう兵がくる。早く逃げるんだ!!」

 ドゲールがそう言うと外から足音が聞こえる。

??「これより処刑を始める!!」

 そんな声と共に。

 






 

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