リフレイン・フェイト

マサカズ

プロローグ2 「ヘイト」

  今日、「人生の幸せ」という本を読んだ。

  本には、「自分のために自由に生きるのが人生の幸せだ」と書いてあった。

 自分のために生きるってなんだろう。

  多分、この疑問の答えは、一生、見出せないのだと思う。

 この国では、人間が人間を飼っている。
  「奴隷制度」というらしい。

  僕が、生まれる前から存在している制度だ。

  奴隷には自由がなく、死ぬまで働かされると、先生が言っていた。
 それを聞いて思う。

  僕と一緒じゃないか――。

  別に奴隷というわけではない、
 食事は毎日三食、豪華な食事が用意されるし、家の中には同じ服装をした赤の他人が、動物の飼育みたいに、毎日、嫌そうな表情で世話をしてくる。

  何より、住んでいるこの家は、国のど真ん中にある大きな城だ。奴隷とは逆の立場。

  けど、自由なんてものは、ない

 僕には、人生のレールが用意されているからだ。

 敷かれたレールの上を、脱線せずに歩き続けなければならない。

 なぜかって? 国王である父の役立つ道具になるためさ。



       まるで、操り人形だ



 さぁ、今日も敷かれたレールの上を歩いて行こう。

 僕は、自分のために生きることができないのだから。

 僕は、

     ――この腐った国の王子なのだから――

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