女嫌いと男嫌いの勘違い青春

あさにゃん

45.オアシスは…

土曜の朝…
チュンチュンチュンチュン…

雄也はその日違和感を覚えていた。

体が固定されたように動かない…。つまるところ「金縛り」のような状態に陥っていると感じていた。

「金縛り」については諸説あるが、一番のメジャーは幽霊などそういったものに関わったときかかると言われがちだ。

しかし、そんなことはなく一般的に金縛りは日常でよくあることだそうだ。

ストレス、疲労、から金縛りはよく引き起こされる。

しかし、雄也のそれは少し違う…。
体が動かないとかでなく、体が重いと表現したほうがいい。

雄也
「暖かいな…」

体が重いと感じるように、体が熱い。

雄也は、カーテンを見た。確かに春も終わりを迎えようとし、日に日に気温も高くなっている…

が…

そこまででもない。寝汗の量が半端じゃない。

雄也
(とりあえず起きて飯作るか…)

重いと感じた体に渇を入れ起きあがる。



上半身を起こした辺りで違和感が消えた。

同時に真横に『ボブ』といったものが落ちる音がおきた。

…………………………
………………
………


鈴乃だ。妹がいた。

雄也
「なんだ鈴乃か…。しょうがない奴だな」ニヤニヤ

普通はホラーに感じるだろう。それが当たり前なのだが、雄也には慣れ親しんだものだった。

鈴乃は雄也や花蓮と同じ同列の学校。柊国立中等学園に通っている。この学校は『柊国立第二高等学園』の敷地内にあるため雄也とは、違う学園なのだ。

そしてこの自慢の妹!鈴乃はそこの特待生!陸上のスポーツ推薦で通っている。

この事事態は鈴乃も雄也も喜ばしいことなのだが…。特待生とだけあって学園敷地内にある寮で生活しなければならない。

これはお兄ちゃん大好きっ子鈴乃には耐えられない生活なのだ。だからこうして時々寮を抜け出しては草彅家に、もとい雄也の布団に忍び込んでくる。

もっとも土曜日曜は外出自由なので、お忍びではない。

鈴乃
「えへへ…お兄ちゃん…」

甘えた声が雄也の部屋に木霊する。

雄也
「全く困った妹だ…自分の部屋があると言うのに…」ニヤニヤ

困ったと言った割にはニヤケ顔で説得力がない。

雄也
「全くこれじゃ布団を片付けられないな。うん。布団を片付けられないな以上もう少し俺も寝るかな。うん。それがいい。うん。最近疲れてたし、二度寝もいいな。うん」ニヤニヤ

もっともらしい?理由をのべてはいるが全て妹と寝たいだけなのだ。

鈴乃が雄也の布団に忍び込みに来ていると高確率で雄也は二度寝するのだ。

鈴乃
「んー。お兄ちゃん 」ギュー

雄也
「鈴乃…」ギュー

※性的なことは一切ありません。

雄也
「鈴乃暖かくて気持ちいいー」

鈴乃
「お兄ちゃん お兄ちゃん はぁーん」

雄也
「鈴乃ー」

※もう一度言います。性的なことは一切ありません。

カーテンから差し込む暖かな朝日の光…
隣には大好きな妹…

雄也
「このまま死んでもいいかもな…」ニヤニヤ

この一時を雄也は…

ドタドタドタドタ!

一生感じて…

賢一
「雄也!起きるが遅いぞ!また、鈴乃が来ているんじゃないだろうな?」

いたかった…


          次に続く

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