女嫌いと男嫌いの勘違い青春
30.揺れる心
コンコンコン
「主人。花蓮様をお連れしました」
文子
「大輝ありがとう。入っていいわよ」
大輝
「失礼します」ガチャ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー柊邸
市街地のド真ん中にそびえ立つ豪邸。プールがあり、テニスコートがあり、更にはゴルフ場もある。元々この場所にはゴルフ場があり、そこを丸ごと買い取った上での改築。
その費用は一介のサラリーマン十人の一生に稼げる額をゆうに超えている。
そんな大豪邸の一室で、戦いの火ぶたが切って落とされようとしていた。
大輝
「では、主人。私はこれで失礼します」
文子
「ええ。下がっていいわよ」
これまた高級感あふれるディスク(校長室にあるような物)に肘を付き顎で自分の執事を部屋から退室させる柊文子。
部屋に残ったのは柊文子と
花蓮
「叔母様。先程ぶりです」
丁寧に腰を折る柊花蓮だけだけだ。
花蓮
「それで……叔母様。あの……」
遠慮がある喋り方。血のつながった肉親の中でも、花蓮の叔母。文子はそれだけ花蓮に、いや『柊』に影響力がある人物なのだ。
しかも、今回はこれから話に上がるであろう事に対する反発心をもっている為尚更だ。
文子
「花蓮。私はこの後も仕事がありますので単刀直入にいいます」
ゴクリ。静かな部屋に生々しい音が響いた様な気がした。
文子
「貴女、本気で草彅雄也を落としなさい」
以外に衝撃はこなかった。ある程度予想、覚悟はしていたからだ。
しかし、花蓮とてこんな一生を左右する事をはいそうですか。などと許せるわけがない。
ダン!
花蓮
「いくら叔母様でも、それは無理です!」
文子のディスクから身を乗り出し、怒りをあらわにする。
文子
「あら?なぜかしら?頭も良い、力もある。家柄だって問題ないし、何よりイケメンじゃない?なにが不満なの?」トントン
花蓮がディスクを叩いた衝撃で崩れた、紙を直しながら、さとすかのような口調で花蓮を見る。
花蓮
「だって!それは」
文子
「あー!?性格ね?大丈夫だと思うわよ?話してみた感じ根は優しい人間だと思うわよ」
花蓮
「ちがーう!分かってるでしょ?私がどれほど男が嫌いか!」
花蓮の怒りはピークに差し掛かってきた。頭では文子にこんな態度とっていいはずがないと分かっていつつも、これだけは譲ることができなかった。
花蓮
「私は!自分の為なら平気で人を裏切る『あの人』の様な……」
文子
「……花蓮」
花蓮は急に口を閉じた。それは、文子がいきなり話に割り込んだからではない。
文子が突如出した『花蓮の手帳』に目を奪われたからだ。
花蓮
「…どこに?」
文子
「私がとりました」
花蓮
「な、なんだ。叔母様が持っていたんですね。どこに落としたのかずっと探していたんですよ」
無事手帳を取り戻せた事に歓喜する。先程まであった怒りという感情の『い』の字もなくなった花蓮。余程戻ってきたことが嬉しかったのだろう。
花蓮
「でも、一体いつとったのですか?学校では肌見放さず持っていたのに……私の部屋に叔母様入ったのですか?」
当然といえば当然の質問。誰でもする様な、日常的なセリフだ。
しかし、これすらも文子の策略。全てはこの状況に持ってくための芝居でしかなかった。
文子
「それは、雄也君が持っていたから返して貰いました」
えぇ……
果たしてこの声は意図して発せられた声だろうか?
無意識に出しか声なのだろうか?
分からない。
でも、わかっている事が一つあるのは確かだ。
花蓮が絶望している事だ。
花蓮
「え?え?え?え?え?嘘よね?嘘?」
文子
「本当です。放課後に私と雄也君が会ったのは知っているわよね?その時に返して貰ったのよ」
花蓮
「か、彼。彼は中を…」
震えていた。
もし、彼がこの手帳の中にある内容をバラしたら?学園の人気者である彼の発言なら信じる人間も多いのでは?
そう考えると震えが止まらない。
文子
「安心しなさい」
そんな花蓮を見かねた文子は優しい言葉をかける。
文子
「バラされると思っているのでしょう?雄也君に限ってはそんな事は無いと言い切れます」
花蓮
「どうしてそう言い切れるんですか!?あ、まさか!その口封じの為に私を!柊を守るために!」
今の花蓮は冷静じゃなかった。本人は冷静にしているつもりだろう。いや、冷静なのかもしれない。
雄也が『柊』花蓮の秘密を握ってしまった。それは『柊』に傷をつけてしまう様な大事だ。
それを黙ってもらう代わりに花蓮を差し出す。婚約者という形で。
筋は通ってる。むしろ雄也があんなんじゃ可能性が高かっただろう。
文子
「そんな事はしません」
花蓮
「なら、どおして!」
花蓮の心はボロボロだ。気を抜けばすぐにでも泣くことはできる程に。現に顔はグチャグチャだ。
文子
「私は雄也君を落としなさいと言いました。それにもういちど言いますが彼に限ってはバラすことはありません」
全く分からない。叔母様が何を言ってるのかが。落としなさい?それはなんで?それに叔母様がどおして、あの男をそんなに信頼してるの?
文子
「花蓮……。貴女頭はいいんだけど……。教科書どおりなのよね。彼の方がもっと頭の回転が早かったわよ」
全く分かっていないと見抜いた文子は1から説明しはじめた。
文子
「まず一つ。花蓮、昼に婚約しなさいと言いましたがあれはこの学園卒業までです。結婚する必要はありません」
(・・?
文子
「そして、もう一つ。彼を信頼する理由。貴女の秘密をバラせたのにしなかったこと。逆に貴女を守ろうとした仕草があったから」
文子
「最後にもう一つ。彼が……」
「女嫌いだからよ」
は?
花蓮は文子の言っていることが何一つ分からなかった。
最初と二番目はもうちょっと詳しく聞けばわかる事だと思う。
だが、三番目はなんだ?信じられない!
花蓮
「彼が女嫌い?なんの冗談ですか?叔母様は何を勘違いして……」
本気だった。文子の目は本気だった。嘘偽りなど言っているような目でなかった。
花蓮
「本当…なの?叔母様」
静かに頷く文子。
花蓮
「でも、彼は学園の人気者で!女子とも普通に話してるわよ?」
文子
「それは演技ね。花蓮と同じ様に立場を気にしてるんでしょうね」
確かに演技と言う線は捨てきれなかった。いつも上辺なやつと花蓮は思っていたからだ。
凛の様に立場を気にしない人間ならいいが、気にしている人間ならどんな悪評でも立ててはだめだ。
噂に聞いた程度だが、草彅雄也は頑なに恋人を作らないのも女嫌いだったからかもしれない。
そうだとすると説明がつく。
花蓮
「どうして分かったんですか?私と同じ様に手帳をつけてるとかですか?」
文子はその言葉を待ってたとばかりに人差し指を立てて、そのまま自分の唇にもっいく。
文子
「放課後」
それだけで分かった。今話てる話題は草彅雄也の事。そして、不自然にそえられた唇。さらに、放課後とくれば思い当たるのは一つしかない。
花蓮
「知っていたんですか……///」
文子
「なにも恥ずかしがることないだろ」
花蓮
「わ、私は恥ずかしがってなど!」
文子
「その後雄也君はどうなった?」
それだけですべてを理解した様な気がした。
文子
「わかったようだな。あの様子はおかしいと、発作の理由の事を聞こうと草彅家に電話して聞いたんだ。」
実際は脅迫に近かったが…
文子
「良くは教えて貰えなかったが、過度な女嫌いだから発作を起こしたときいた」
花蓮
「な、なる程だから。き、キスで?」
文子
「よくわからないがキスそのものが原因ではない。雄也君は女性との接触そのものが駄目なのだ」
花蓮は戦慄した。女性との接触だけで死ぬかもしれない程苦しめられるなんて
文子
「雄也君の女嫌いは過去のトラウマから来ているものらしいが……」
…………………………。
複雑な気持ちだ。かつてこれほどまで矛盾した気持ちを抱えたのは初めてかもしれない。
男が嫌いなのに可哀相だと思ってしまったのだ。
今度言葉を交わすときどう接したらいいのか分からない。
花蓮
「で、ですが!?二番目に私を彼は養護したと言っていたではないですか」
思い出した。確かにどんな事が過去にあったのかは気になるし同情する。自分が男嫌いになった理由など、草彅雄也に比べたら些細なことかもしれない。
しかし、だからこそ!文子の言った二番目が引っかかる。酷い矛盾だ。
それ程のトラウマを植え付けられた女を、人は違えど助けるなんて。
心の広い狭いなどではない。人としておかしい。
文子
「私にはなんとなく分かる。………確かに雄也君からしたら女は必要ない存在なのだろう。…でも………それでも、自分と同じに異性が嫌いというだけで同情したんだろうな」
花蓮
「そんな………。それだけで……」
文子
「言ったろ?根は良いやつだと」
…………………………。
花蓮
「そう………かも…しれませんね」
自然と口からこぼれた。
まだ、男という存在は軽薄で自分勝手な最低な生物だと思っている。
でも、彼個人は少し印象が変わったかもしれない。
少なくとも彼の度量は認めた。彼の心の広さは並大抵のものではないと、知らしめられた。
文子
「雄也君は……きっと貴女を変えてくれるよ……」
花蓮
「………」
久しぶりに見た。叔母様のあんなに優しい笑顔……。
文子
「とにかくだ。彼を暫く見ているといい。きっと楽しいだろうよ。もう遅い。明日も学園がある。寝なさい」
部屋に備え付けられた時計を見るもう、一時間は軽く過ぎていた。
まだ、聞きたい事はあったが。花蓮自身もうベッドで休みたかったので、この提案を呑むことにした。
花蓮
「では、後日に続きを」
花蓮
「失礼します」
ガチャン
文子
「フフフ、これからどうなるか。期待してるぞ?雄也君」
花蓮
「……これからどうすればいいのかな?」
私室に戻った花蓮。ベットにうつ伏せに寝ながら考える。
叔母様のこと。自分自身のこと。これからの事。そして、雄也のこと。
花蓮
「……風、浴びよ」
部屋に備付けられている窓をあける。入ってくる冷たい風。それが今の花蓮には心地がいいものだった。
花蓮
「月……」
花蓮は特に輝いてもいなく、時々雲に隠れる月を花蓮は暫く見続けた。
その目はどこか寂しく遠くを見つめるような様子だった。
次に続く
こんにちは!またはこんばんわ!
あさにゃんです!
いや、一様これで一章は完結ですね。
皆様の応援あったからこそ、途中で辞めることなくここまでこれました。
本当に、ありがとうございました。
こらからも応援お願いします!
あれ?
今書いていて思ったんだがこれ、終わりの挨拶みたいじゃね?笑
それはよくある、○様ありがとうございました。とかのながれですよね?笑
読者の皆様心配ありませんよ。これからも週2ペースで頑張って行きますので!
次の二章からとしては、29話で出た、新キャラや学校行事、妹など普通の学園生活(ラブコメ)重視で頑張って書こうと思います!
初心者で読んでいてイライラするかもしれませんが、暖かい目で見て頂けると幸いです。
p.s
Twitterの友達増えないよ〜(´;ω;`)
絵描きさん探してます!
読者の皆様の周りでラノベとか好きなヒトガいたら拡散お願いします。
(私の売上のために………ゲフンゲフン)
「主人。花蓮様をお連れしました」
文子
「大輝ありがとう。入っていいわよ」
大輝
「失礼します」ガチャ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー柊邸
市街地のド真ん中にそびえ立つ豪邸。プールがあり、テニスコートがあり、更にはゴルフ場もある。元々この場所にはゴルフ場があり、そこを丸ごと買い取った上での改築。
その費用は一介のサラリーマン十人の一生に稼げる額をゆうに超えている。
そんな大豪邸の一室で、戦いの火ぶたが切って落とされようとしていた。
大輝
「では、主人。私はこれで失礼します」
文子
「ええ。下がっていいわよ」
これまた高級感あふれるディスク(校長室にあるような物)に肘を付き顎で自分の執事を部屋から退室させる柊文子。
部屋に残ったのは柊文子と
花蓮
「叔母様。先程ぶりです」
丁寧に腰を折る柊花蓮だけだけだ。
花蓮
「それで……叔母様。あの……」
遠慮がある喋り方。血のつながった肉親の中でも、花蓮の叔母。文子はそれだけ花蓮に、いや『柊』に影響力がある人物なのだ。
しかも、今回はこれから話に上がるであろう事に対する反発心をもっている為尚更だ。
文子
「花蓮。私はこの後も仕事がありますので単刀直入にいいます」
ゴクリ。静かな部屋に生々しい音が響いた様な気がした。
文子
「貴女、本気で草彅雄也を落としなさい」
以外に衝撃はこなかった。ある程度予想、覚悟はしていたからだ。
しかし、花蓮とてこんな一生を左右する事をはいそうですか。などと許せるわけがない。
ダン!
花蓮
「いくら叔母様でも、それは無理です!」
文子のディスクから身を乗り出し、怒りをあらわにする。
文子
「あら?なぜかしら?頭も良い、力もある。家柄だって問題ないし、何よりイケメンじゃない?なにが不満なの?」トントン
花蓮がディスクを叩いた衝撃で崩れた、紙を直しながら、さとすかのような口調で花蓮を見る。
花蓮
「だって!それは」
文子
「あー!?性格ね?大丈夫だと思うわよ?話してみた感じ根は優しい人間だと思うわよ」
花蓮
「ちがーう!分かってるでしょ?私がどれほど男が嫌いか!」
花蓮の怒りはピークに差し掛かってきた。頭では文子にこんな態度とっていいはずがないと分かっていつつも、これだけは譲ることができなかった。
花蓮
「私は!自分の為なら平気で人を裏切る『あの人』の様な……」
文子
「……花蓮」
花蓮は急に口を閉じた。それは、文子がいきなり話に割り込んだからではない。
文子が突如出した『花蓮の手帳』に目を奪われたからだ。
花蓮
「…どこに?」
文子
「私がとりました」
花蓮
「な、なんだ。叔母様が持っていたんですね。どこに落としたのかずっと探していたんですよ」
無事手帳を取り戻せた事に歓喜する。先程まであった怒りという感情の『い』の字もなくなった花蓮。余程戻ってきたことが嬉しかったのだろう。
花蓮
「でも、一体いつとったのですか?学校では肌見放さず持っていたのに……私の部屋に叔母様入ったのですか?」
当然といえば当然の質問。誰でもする様な、日常的なセリフだ。
しかし、これすらも文子の策略。全てはこの状況に持ってくための芝居でしかなかった。
文子
「それは、雄也君が持っていたから返して貰いました」
えぇ……
果たしてこの声は意図して発せられた声だろうか?
無意識に出しか声なのだろうか?
分からない。
でも、わかっている事が一つあるのは確かだ。
花蓮が絶望している事だ。
花蓮
「え?え?え?え?え?嘘よね?嘘?」
文子
「本当です。放課後に私と雄也君が会ったのは知っているわよね?その時に返して貰ったのよ」
花蓮
「か、彼。彼は中を…」
震えていた。
もし、彼がこの手帳の中にある内容をバラしたら?学園の人気者である彼の発言なら信じる人間も多いのでは?
そう考えると震えが止まらない。
文子
「安心しなさい」
そんな花蓮を見かねた文子は優しい言葉をかける。
文子
「バラされると思っているのでしょう?雄也君に限ってはそんな事は無いと言い切れます」
花蓮
「どうしてそう言い切れるんですか!?あ、まさか!その口封じの為に私を!柊を守るために!」
今の花蓮は冷静じゃなかった。本人は冷静にしているつもりだろう。いや、冷静なのかもしれない。
雄也が『柊』花蓮の秘密を握ってしまった。それは『柊』に傷をつけてしまう様な大事だ。
それを黙ってもらう代わりに花蓮を差し出す。婚約者という形で。
筋は通ってる。むしろ雄也があんなんじゃ可能性が高かっただろう。
文子
「そんな事はしません」
花蓮
「なら、どおして!」
花蓮の心はボロボロだ。気を抜けばすぐにでも泣くことはできる程に。現に顔はグチャグチャだ。
文子
「私は雄也君を落としなさいと言いました。それにもういちど言いますが彼に限ってはバラすことはありません」
全く分からない。叔母様が何を言ってるのかが。落としなさい?それはなんで?それに叔母様がどおして、あの男をそんなに信頼してるの?
文子
「花蓮……。貴女頭はいいんだけど……。教科書どおりなのよね。彼の方がもっと頭の回転が早かったわよ」
全く分かっていないと見抜いた文子は1から説明しはじめた。
文子
「まず一つ。花蓮、昼に婚約しなさいと言いましたがあれはこの学園卒業までです。結婚する必要はありません」
(・・?
文子
「そして、もう一つ。彼を信頼する理由。貴女の秘密をバラせたのにしなかったこと。逆に貴女を守ろうとした仕草があったから」
文子
「最後にもう一つ。彼が……」
「女嫌いだからよ」
は?
花蓮は文子の言っていることが何一つ分からなかった。
最初と二番目はもうちょっと詳しく聞けばわかる事だと思う。
だが、三番目はなんだ?信じられない!
花蓮
「彼が女嫌い?なんの冗談ですか?叔母様は何を勘違いして……」
本気だった。文子の目は本気だった。嘘偽りなど言っているような目でなかった。
花蓮
「本当…なの?叔母様」
静かに頷く文子。
花蓮
「でも、彼は学園の人気者で!女子とも普通に話してるわよ?」
文子
「それは演技ね。花蓮と同じ様に立場を気にしてるんでしょうね」
確かに演技と言う線は捨てきれなかった。いつも上辺なやつと花蓮は思っていたからだ。
凛の様に立場を気にしない人間ならいいが、気にしている人間ならどんな悪評でも立ててはだめだ。
噂に聞いた程度だが、草彅雄也は頑なに恋人を作らないのも女嫌いだったからかもしれない。
そうだとすると説明がつく。
花蓮
「どうして分かったんですか?私と同じ様に手帳をつけてるとかですか?」
文子はその言葉を待ってたとばかりに人差し指を立てて、そのまま自分の唇にもっいく。
文子
「放課後」
それだけで分かった。今話てる話題は草彅雄也の事。そして、不自然にそえられた唇。さらに、放課後とくれば思い当たるのは一つしかない。
花蓮
「知っていたんですか……///」
文子
「なにも恥ずかしがることないだろ」
花蓮
「わ、私は恥ずかしがってなど!」
文子
「その後雄也君はどうなった?」
それだけですべてを理解した様な気がした。
文子
「わかったようだな。あの様子はおかしいと、発作の理由の事を聞こうと草彅家に電話して聞いたんだ。」
実際は脅迫に近かったが…
文子
「良くは教えて貰えなかったが、過度な女嫌いだから発作を起こしたときいた」
花蓮
「な、なる程だから。き、キスで?」
文子
「よくわからないがキスそのものが原因ではない。雄也君は女性との接触そのものが駄目なのだ」
花蓮は戦慄した。女性との接触だけで死ぬかもしれない程苦しめられるなんて
文子
「雄也君の女嫌いは過去のトラウマから来ているものらしいが……」
…………………………。
複雑な気持ちだ。かつてこれほどまで矛盾した気持ちを抱えたのは初めてかもしれない。
男が嫌いなのに可哀相だと思ってしまったのだ。
今度言葉を交わすときどう接したらいいのか分からない。
花蓮
「で、ですが!?二番目に私を彼は養護したと言っていたではないですか」
思い出した。確かにどんな事が過去にあったのかは気になるし同情する。自分が男嫌いになった理由など、草彅雄也に比べたら些細なことかもしれない。
しかし、だからこそ!文子の言った二番目が引っかかる。酷い矛盾だ。
それ程のトラウマを植え付けられた女を、人は違えど助けるなんて。
心の広い狭いなどではない。人としておかしい。
文子
「私にはなんとなく分かる。………確かに雄也君からしたら女は必要ない存在なのだろう。…でも………それでも、自分と同じに異性が嫌いというだけで同情したんだろうな」
花蓮
「そんな………。それだけで……」
文子
「言ったろ?根は良いやつだと」
…………………………。
花蓮
「そう………かも…しれませんね」
自然と口からこぼれた。
まだ、男という存在は軽薄で自分勝手な最低な生物だと思っている。
でも、彼個人は少し印象が変わったかもしれない。
少なくとも彼の度量は認めた。彼の心の広さは並大抵のものではないと、知らしめられた。
文子
「雄也君は……きっと貴女を変えてくれるよ……」
花蓮
「………」
久しぶりに見た。叔母様のあんなに優しい笑顔……。
文子
「とにかくだ。彼を暫く見ているといい。きっと楽しいだろうよ。もう遅い。明日も学園がある。寝なさい」
部屋に備え付けられた時計を見るもう、一時間は軽く過ぎていた。
まだ、聞きたい事はあったが。花蓮自身もうベッドで休みたかったので、この提案を呑むことにした。
花蓮
「では、後日に続きを」
花蓮
「失礼します」
ガチャン
文子
「フフフ、これからどうなるか。期待してるぞ?雄也君」
花蓮
「……これからどうすればいいのかな?」
私室に戻った花蓮。ベットにうつ伏せに寝ながら考える。
叔母様のこと。自分自身のこと。これからの事。そして、雄也のこと。
花蓮
「……風、浴びよ」
部屋に備付けられている窓をあける。入ってくる冷たい風。それが今の花蓮には心地がいいものだった。
花蓮
「月……」
花蓮は特に輝いてもいなく、時々雲に隠れる月を花蓮は暫く見続けた。
その目はどこか寂しく遠くを見つめるような様子だった。
次に続く
こんにちは!またはこんばんわ!
あさにゃんです!
いや、一様これで一章は完結ですね。
皆様の応援あったからこそ、途中で辞めることなくここまでこれました。
本当に、ありがとうございました。
こらからも応援お願いします!
あれ?
今書いていて思ったんだがこれ、終わりの挨拶みたいじゃね?笑
それはよくある、○様ありがとうございました。とかのながれですよね?笑
読者の皆様心配ありませんよ。これからも週2ペースで頑張って行きますので!
次の二章からとしては、29話で出た、新キャラや学校行事、妹など普通の学園生活(ラブコメ)重視で頑張って書こうと思います!
初心者で読んでいてイライラするかもしれませんが、暖かい目で見て頂けると幸いです。
p.s
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(私の売上のために………ゲフンゲフン)
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