ちょっと怒っただけなんですが、、、殺気だけで異世界蹂躙

海先いろは

第12話 竜を相手に八つ当たり





魔王国冒険者ギルド

「ギルドマスター」

「リーナか、どうした?」

ギルドマスター室の椅子に座っていた褐色の肌の魔族の女性がふりむいた。

「先ほど冒険者登録をしたハヤト様がこの依頼をお受けしました」

依頼内容の紙を差し出す。



「あの蹴りの小僧か、どれどれ?

くっかっかっかつ!
最初から迷わずSSとは、面白そうなやつだとは思っていたがここまでとわね」


「いかがなさいますか?ギルドマスターのお気に入りであれば、救助を出してでも…」


「その必要はないさね。
さすがに長く生きてるとわかるんだよ。強いやつかどうかね。あの小僧からはヤバい気配がビンビン飛んでた」










「勢いよく啖呵切ったのはいいものの、どうやって攻撃しようかな……」


古代竜はハヤトの真上の空を旋回して、様子を見ている。

「空を飛ぶとかずるいだろ!男なら殴り合いだろ!?


  待てよ、ドラゴンに性別ってあるのか?」

などと余計な事を考えているうちに古代竜はしびれを切らして上空から急降下してきた。


「んっ?ここにいるとやばい感じ?」



古代竜は燃え盛る炎を口に溜め、特大のブレスを吐いてくきた。

「せいやっ!!」

ハヤトはブレスに向かってパンチをし、風圧で一部をかき消した。

「熱い熱い!!無理だったか!来るなら来るって言ってくれよ!」


「早くあいつを落とさないと消し炭になっちまうな……」


どうしたものか………


迫り来る炎の海の中で必死にハヤトは対抗手段を考える。


「おっ、いいこと思いついた」

まわりを見渡して、その作戦に使えそうなものを探してみると直径4メートルほどの岩が数個転がっていた。



「これでいいか、、、よいしょっと!」


ハヤトは片手で岩を掴み持ち上げて、投げる。



「うおらぁーーー!!!」


ハヤトの馬鹿力で発射された岩は古代竜に顔にぶち当たった。


『グギャオオオオォ!!!』


「よし!ストライク!!まだまだいくぞ!ゴラァァ!!」


次々と岩を投げまくるハヤト。




「この球で最後だな、いままでで最高威力だ!くれてやるよ!!」



「落ちやがれーーー!!!!」



ありえないスピードで飛んでいく岩は、古代竜の翼に当たり貫いた。


『グロロロロァァァ』



  ドォォォォーーーン!!


ついに古代竜は地面に墜落した。

ハヤトは墜落した古代竜に追い打ちをするべくジャンプで近づいて飛び蹴りを放つ。



バキィィィィ!!

「硬えな!でも目は流石に柔らかいだろ?おらよっ!!」


ハヤトの放ったパンチは古代竜の右目を砕いた。


『ガラアアアアアア』

古代竜は暴れまわり、巨大な尻尾を叩きつけた。

「ぐほおおぉ!!


痛ってー、、きくじゃねぇか…。こりゃあ何本か骨がいったな」

「仕返しだよ!おらおらおらおらー!!」


ハヤトは古代竜の顔にラッシュをした。

『グッ、ガッ、』



「さて、とどめだな」


『グラアアアアアアアァ』

古代竜は最後の力を振り絞って、全エネルギーを口に溜めた。


『グルルルルルルァ』


「まだ、こんだけの力が残ってんのか。近づいただけでも身体が燃え尽きそうだ…」


「だがな……ここで引いたら男がすたるってもんだろ?」


『グルルルル』


「お互いにこの戦いの最後の攻撃としようぜ」



ハヤトは古代竜の正面に立ち正拳突きの構えをとった。


「いくぞ!古代竜エスカリオン!!!」


『ゴアアアア!!』



「せいっっっっ!!!!」

『ガアアアアアアアアアア!!!!』




古代竜は全力のブレスをハヤトに吐き、ハヤトは古代竜に全力の正拳突きを放った。



両者のぶつかり合いは拮抗したが、次第にハヤトの正拳突きがブレスを押し出し、古代竜の顔ごと吹き飛ばした。



「はぁ、はぁ、はぁ、すごい一撃だったよ。
   じゃあな…」

古代竜の死体をアイテムボックスにしまい、帰ろうとすると、立ちくらみがきて、


「また、このパターン、か…よ…………」



ハヤトは気を失った。

 






コメント

  • 伊予二名

    竜の眼球とか高く売れそうなのに勿体ない

    1
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