創造神は創った世界で美少女達に囲まれました

水縹 (みはなだ)

14話 勇者達は見事に操られそうです

「姫様、未だ行方不明の5人は見つかっていません」

ティアラ姫の前に跪いて、1人の男子生徒が報告をしている。

「そうですか‥‥‥‥。わかりました。それでは、皆さんは捜索を辞めて、特訓に戻ってください」

「しかし」

「彼女達が皆さんにとって特に大切なのはわかります。しかし、この王城と周辺を捜索して見つからないということはもう、遠くに行ってしまっている可能性が高いですし、もしかしたらスキルを使っている可能性もあります。なので、後は私たちの兵士達がこの国の遠くまで探しに行きますし、国境も見張りますので、後は私たちに任せてください。そして、皆さんには魔王の討伐に集中していただきたいのです。あなた達、勇者が私たちの最期の希望なのですから」

「わ、わかりました。お願いします」

「そして、生徒会長の彼女の代わりは副会長だというあなたにお願いします。皆さんを導いてください。期待していますよ」

「は、はい。し、失礼しました」

副会長だという男子生徒が立ち上がると一目散に王と姫がいる部屋から出ていった。

「ティアラ、流石だな。あの男、完全にお前に恋しているぞ」

「男なら簡単ですから。私的にはリーダーが女から男に変わってよかったと思います」

「それで、お前は本当に捜索隊を出すのか?」

「それはお父様が1番わかっていることでしょ。出すわけないじゃないですか」

「そうだな。逃げた動機や方法はきになるけど、そんなことに兵を使うわけにはいかないしな」

「それにいなくなった4人の少女達ははあの中でもトップクラスの人気者らしくて、特に男からの人気は凄まじいらしいですよ」

「そして、唯一いなくなった男はあの中でもトップの嫌われ者か。それなら、この男が少女4人を連れ去って、他国に逃げているといえば」

「はい。みんなはやる気を出して、その国を制圧してくれるでしょう」

「ということは、他国を侵略させる理由がまた一つ増えたな」

「5人失ったのは痛いですけど、お釣りがくるレベルです。もし、この5人が違う国についていても、100人以上相手には敵いませんから」

「相変わらず、悪知恵が働くな」

「全て、お父様から教わったことですけどね」

「ハハ、そうか。では、結論としては捜索隊は出さないが、出したようにあの男には報告する。そして、あいつらが育ってきたら、これを材料に他国を侵略してもらう。これでいいな」

「はい、もちろんです。お父様」






〈千里眼〉〈盗聴〉

彼らの言うとおりだと、捜索隊は出ないのか。
なら、もっとゆっくりしてもいいな。
野宿とかしなくても大丈夫だな、これ。

そして、勇者達は終わったな。
あの姫を好きになったやつがトップになった時点で終わりだ。
絶対に操られるな。

まぁ、俺達が行く国に来た瞬間に返り討ちにするから、関係ないか。

「和弥、何してるの?そんな、ところで一点を見つめて?」

「あ、いや。なんでもない」

「それより、話し合い終わったよ!!」

「ああ、そう。それで、どうだった?」

俺が〈千里眼〉〈盗聴〉で王城の様子を秘密裏に見ていた間、彼女達は俺が換金してきたゴブリンの魔石分の代金から今後、相談をしていた。

ケルベロスの魔石はどうしたって?
換金した瞬間に注目されるのが目に見えているから、換金なんてするわけがない。

「やっぱり、まだ、足りないですね。今後、何があるかわかりませんし、ここは最低限の食料と調理器具だけ買って、次の街に行くまでに、また、魔物を倒して、お金を稼いでおくべきでしょう」

「そういう調理器具や食料は眷族が全部持てるんだよね」

「うん、〈無限収納〉があるからね。生きている物以外はなんでも入れられるよ」

「眷族がいてよかった。いなかったら、移動が大変だったから」

「役に立っているならよかったよ」

俺のスキルは〈奇跡〉ってことにした。
内容は時々、奇跡が起こって、普通ならできないことが起こること。
実際にはないスキルだけど。
こうしておけば、城脱走とかも説明できるし、今後、何かあって力を使った時に説明しやすいし。

「それにしても、金欠は辛いな」

「いつも、働いて稼いでくれていた、親には感謝だね」

「そうだな」

「‥‥‥‥籾谷‥‥‥‥」

森さんが俺の上着の端を引っ張る。

「どうした?」

「‥‥‥これ‥‥‥」

森さんが差し出した手の中には10枚ほどの銀貨があった。

「これ、どうした?」

「‥‥‥これ‥‥‥」

森さんが白紙の画用紙を指差す。

あっ、理解した。
俺が避けていたやつか。

「森さん、それはこれからはやめよう。偽札、作っているみたいで忍びない」

画用紙に銀貨の絵を描いて、それを出してくれたのだろう。
俺もやろうと思えば、銀貨だろうが、金貨だろうが無限に出せるけど。
やっぱり、何もしないでお金を稼ぐのは心が痛い。

「‥‥‥了解‥‥‥」

「うん、俺たちのことを思ってやってくれた気持ちは嬉しかったから」

「‥‥‥ん‥‥‥」

森さんはコクリと頷いた。

「それじゃあ、行きましょうか」

俺たちは食材を買うために村の方へ歩いていった。

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