創造神は創った世界で美少女達に囲まれました

水縹 (みはなだ)

08話 到着した国がアレでした。

スキルのときは〈〉を付ける事にしました。




まばゆい光に囲まれて俺たちは異世界に召喚された。
俺の場合はみんなに合わせて、その場に移動してきただけだけど。

「おい、ここどこだよ!」
「えっ、何?怖い。」
「なんなんだよ、これ!」

学年の生徒達の阿鼻叫喚と戸惑いの声が聞こえる。
腹黒いけど、これを手配した身からすると、今までいじめてきた奴らがこんな情け無い声を出すのを見ると、笑いがこみ上げてくる。

「ようこそ、お越しくださいました、異界の勇者様達よ。」

声がした方を見上げると、白髭を生やし、真っ赤なマントを着ているいかにも王様の格好をしている老人とティアラを被った可愛らしいお姫様が俺たちを見下ろしていた。
勇者様といいながら、俺たちのことを見下ろす体勢は少し礼儀面からどうかと思うが、今は置いておこう。

でも、お姫様はいいな。
なんか、可愛らしいし。

「おい、あのお姫様、可愛くないか。」
「ああ、確かに可愛い。」
「何言っているんだ。四天王の方が可愛いだろ!」
「あの4人の尊さは異常だぞ。お姫様もいいけど、彼女達には敵わないよ。」

と、さっきから他の男子生徒達はお姫様と四天王どっちが可愛いか、コソコソと話し合っている。

俺自身?
愛衣の方が可愛いと思うよ。
シスコンではないけど。

「少し静かにしていただけますか?」

上の方から、お姫様の声が響く。
その声を聞いた途端に、生徒の何人かが完全に落ちたが俺の知ったこっちゃない。

だが、場は静かになった。

「私の名はアギド帝国の王である、ラディンじゃ。」
「同じく姫のティアラです。」

うわぁー。
今、90パーセントぐらい、あのお姫様に対する興味がなくなった。
よりにもよって、アギド帝国かよ。
今回、転移先の国はランダムにしたが、アギド帝国は俺が作成した国の設定の中で一番、野心が強く、1番利己的な国。
簡単に言うと、勇者が転移でもしようものなら1番、悪用する可能性が高い国だ。
そんな国のお姫様。信用出来るか?
無理だね。

でも、もしかしたら20年近くしか経ってないけど、いい国に生まれ変わっている可能性も。

「今、この世界は魔王によって支配されようとしています。既に魔王はほとんどの国を支配し、もうそろそろ、周辺国家も落ちようとしています。残る希望は我が国だけであり、満を持して勇者様方を召喚した次第です。」

王様より、お姫様の方が説得力がある(特に男子に)と思い、説明はお姫様の方がしたな。賢明かつ最適な判断だと思う。

でも、そんな魔王が支配しているか?
俺、魔王、そんな恐ろしいステータスにした記憶がないんだけど。

一応、確認しておこう。

スキル〈全知全能〉
このスキルはこの世界のありとあらゆることが分かると同時に、全てのスキルが使えるというもの。

明らかなチート性能だけど、俺、この世界を作った神だし。問題ないね。

みんなに気づかれないように、王様方向を見ながら、そっと調べる。

えっと、魔王のこの世界の支配率は15パーセント。
おっ、以外に頑張っている。
10パーセントがスタートで20年近くで5パーセント増やすのは普通に優秀。
それで支配している場所は、見事にこの国よりも遠い国ですね。
周辺国家は何ら支配を受けてないし、受ける様子も今のところはない。
はい、嘘。さっきの主張、論破。
元々、悪い国設定だったこともあって、だいたいのシナリオが読め始めたが、数少ない可能性もあるので、圧倒的な確証が出るまで断定は避けよう。どうせ、勇者を使っての他国侵略が目的だろうけど。

「まず、皆さまは転移で疲れているのでお休みになってください。明日から戦闘訓練をしていただきます。これからこの世界の為によろしくお願いしますね。」

「「「「「「「オーーーーーーーー」」」」」」」

おー、凄い熱気とやる気。
俺が調べている間に何がこんなにやる気にさせる言葉をお姫様がいったのか?
こんなに人を惹きつけ、その気にさせる力はそれほどコミニュケーション能力が無い俺にとっては、物凄く羨ましいんだけど。




俺たち、勇者が泊まる部屋は1人一部屋で内装もかなり豪華だった。
部屋の広さも想定していたぐらい。食事も出て、5人に1人の割合でメイドか執事が付くなら、素晴らしい物件だろう。ベットもいいし。
他のみんななら、すぐにゆっくりすると思うが、俺はしない。
とっとと、調べ物を終わらせてしまおう。

スキル〈全知全能〉から〈気配遮断〉〈透明化〉〈幻〉を発動。

簡単に作戦を言うと、気配を消して、透明になって、見つからなくする。部屋にくる人がいたら幻を見せているように見せかける。

バレないと思う。俺が設定したままだとこれを暴けるほど優秀じゃないから。

案の定、すれ違っても誰にもバレないで目的地に到着した。
ここは王家の秘密の物が置いてある隠し部屋。王家の一族以外には存在さえ知られていない場所。俺がこの城の構造を作ったので俺は知っている。
もちろん、扉には鍵がかかっており、その鍵は王家の人しか持っていない。俺はもちろん作れるけど、開けたらブザーが鳴るとか設定されていたら困るので〈幽体化〉で身体を幽体にして、扉をすり抜けてゴールイン。物体をすり抜けられるなら最強!かと思うかもしれないが、魔法は当たるし、他のスキルを使っている間は使えない。もちろん、魔法も使えない。武器は持てない。何気に使い勝手の悪いスキルなのだ。俺は武器も持てるし、魔法もスキルも使おうと思えば使えるけど。

この部屋にトラップが無いことを確認して〈幽体化〉と〈透明化〉を解く。置いてあるのは沢山の宝石と武器など。自分もこの国の設定上、ある程度の量は入れたが、それよりも増えてるな、これ。
それに気づいた途端にもう、結論は決まったようなものだが、最終確認。

〈探索〉で欲しい物の場所を探すと、案外近くの机の上に置いてあった。
その本をパラパラとめくっていくと、とあるページに

『2月1日

2月15日に勇者達を召喚。そのまま、勇者を少し育てた後、周辺国家を侵略していくことでお父様と合意』

と書かれていた。
もう誰が書いたか、想像するのも簡単すぎるが、一応〈記憶読取〉を行う。いわゆる、物からその記憶がわかる、サイトメトリーというやつだ。
出てきたのは『作成者  ティアラ』

よし、脱走しよう。
元々、恋愛の為にこの城から脱走するのは決定していたが、本当に勇者で魔王を倒そうとしている国なら少し心が痛んだ。
でも、こんな国なら脱走したところでなんとも思わない。むしろ、気分が晴れやかになりそうだ。
この国に転移してくれてありがとう。
おかげで何にも心を痛めることなく、自分のしたいことの為に動けるよ。
さあ、今日の夜にでも、とっとと脱走しよう。

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コメント

  • 白夜

    早めに出してケロ〜頑張って下さい。

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