創造神は創った世界で美少女達に囲まれました

水縹 (みはなだ)

06話 なんやかんやの最期のこの世界

『ジリジリ』

と鳴る目覚まし時計の音ではなく、自分のスキル『体内時計』によって俺は5時半にバッチリ目を覚ます。
このスキルは俺がこの世界に来てから唯一最初から使っていたものの1つだ。
あとは『疲労回復』とかのスキルも使っていた。

俺は台所がある一階に降りると、もうこの世界での相棒となったフライパンを手に取ると、その上で朝食を作る。今日でこのフライパンで料理を作るのも最後かと思うと、今日作るいつもの目玉焼きが特別に思えて来てしまう。
テキパキと自分の分を作り、即食すと、すぐに自分の分の用意を済ませて、今度は妹の分の朝食とお弁当づくりに着手する。
実際のところ、俺自身は親からもらっているお金で売店で毎日パンを買っているのだが、愛衣ももらっているはずなのに俺に弁当を作って欲しいと要望して来た。俺も別に妹に言われて断る理由もないし、断りたくないのでいつも当たり前に作っている。俺の分は作る気力がおきた試しがない。
いつものピンクの可愛らしいお弁当箱に野菜もしっかりと入れた弁当を用意しておく。凄いのは俺が覚えている限りだとこのお弁当が残ったまま帰ってくることが一回もない。その事実は少し嬉しくもある。
全ての朝の家での仕事を終えると、俺は学校に行くためにカバンを持ちドアに手をかける。
午前6時40分。
いつも俺はこの時間に家を出る。
この時間に行くと、座れる列車に乗れるからだ。

そしてこの時間になると、

「おはよう、お、眷属。」

俺の妹の愛衣が上の階段から降りてくる。

「おはよう、愛衣。」

「それで、今日の朝の私の生贄の準備はできているよね。」

「もちろんだよ、愛衣。」

俺の返事はほとんど愛衣のようにはしない。
そろそろもう一度気づいて直してもらおうと思っていたけれど、結局、それも達成はできなかった。
ただ最近は語尾は昔の感じに戻りつつあるような気がしている。
愛衣がこの言動でも生きていけることを願うばかりだ。

「昼の分は。」

「もちろん、置いてある。いつもの場所にな。」

「眷属の分は?」

「朝はもう食べたし、昼はいつも通り売店のパンで済ますから。」

「で、もう行くの?私と一緒には。」

「何度も言うけど、愛衣と一緒には行かない。」

一緒に学校行こうもんなら確実に俺は死ぬし。もしかしたら愛衣にも被害が出てしまいかねない。

「じゃあな。遅れずに来いよ。」

俺は玄関の扉を閉めると、最寄りの駅に向かって走り出した。





『お兄ちゃんのバカ‥‥‥‥‥。』





いつもの電車に乗るといつもどおり空いている椅子に座る。
この駅の1つ前の駅が始発の列車なので大抵の場合は座席が空いている。
そして、俺が席に座ってすることは1つ。

寝る。

前にお婆さんが来ていたら申し訳ないが、俺は昨日も深夜アニメを見て寝不足なんだ。しかも、この列車に乗るためと妹と俺の料理を作るので朝早いし。
俺が降りる駅は終点なので乗り過ごすことはあんまりない。

じゃあ、おやすみなさい。




『あっ、今日も寝てる。もう‥‥‥。」




目を覚ます。
だいたい俺が目を覚ますのは止まってから1分ぐらい経った時なのか、もう周りに乗客はいない。
本当に終点で助かっている。






朝、登校終了時刻の40分前に俺は教室には着く。もちろん、そんな早くくる生徒はおらず、俺1人しかいない。
俺は机の奥に手を入れて落とすと、中から毎日だけど、大量のゴミと混じって封筒が出てくる。

『クリーン』

俺はその封筒だけを拾うと、一瞬で出てきたゴミを消して、綺麗にする。
どうせ、人もいないし、使っても大丈夫だろう。

封筒を開けると中から300円が出てくる。
この300円の出所については後で説明しようと思う。






朝のホームルームが終わると、俺は俺を虐めている中でもトップクラスの奴ら、山田、田中、中村にトイレに連れていかれた。名前でしりとりができている。村山がいればループの完成だな。

「ここに入れ!」

山田が指さしたのはトイレの個室。
なんだ、またこれか。

俺はおとなしくトイレの個室に入ると、すぐその後に上から水が降ってくる。

「バカ、バカ。」

小学生のような言葉を俺に送りながら3人が走ってゆく足音が聞こえる。

まぁ、どうってことないんだけど。

もちろん、俺は濡れてなんかいない。
スキル『ワープホール』で俺に降ってきていた水はここから少し離れた山で木の成長の資源となっていることだろう。

ただ、これだとおかしいので。
スキル『ミラージュ』で濡れているかのように見せる。スキル『鷹の目』があると見破られかねないけど、いるわけないし、いても今までばれてないからセーフ。後、文化祭で活躍した『演技』も使用。俺の感じでバレるかもしれないし。
全ての準備が終わると俺は個室を出る。






俺が少し授業開始時刻から遅れて教室に入ると、いつものクスクス笑いとともに、俺の机が消えていた。
これもいつものパターンだ。
ぶっちゃけこっちの方が最近ではありがたく感じている。
無論、先生も黙認。
俺なんかいないかのように授業を続けている。

さっそく、廊下に戻るとスキル『探知』で居場所を探す。
俺の机の場所は女子トイレの中だった。

「うあ、めんどくさい方かよ。」

思わず、ボソッと呟く。

これが下に落ちているとかだと楽。
ただ取りに行けばいいだけ。
女子トイレだと話しは違う。
誰かが入ってきたらアウト。

2、3回、縛られて女子トイレの個室の1つに放置されたことがあるが、その時は『縄抜け』で速攻縄から脱出し、『透明化』で保険をうっておいて、『邪気』でこの個室に入ってこないようにしておいた。
閉じ込めた奴からは運がいいなと言われたが、これは必然だ。

ただ、『透明化』『邪気』を使うと、女子トイレから机がひとりでに動くというホラーが完成してしまう。
その場合の俺の行動は『気配』で周りにこちらに気を配っている人がいないか確認してから、『ワープ』で机を自分のいるところにとばす。
はい、これで終わり。
今日はすんなり終わった。
一回、30分近く、気配が消えるの待ったことがあり、そのためこれはめんどくさい。
ここまでくれば、もう俺はあの空気の中に居たくないので『影武者』で授業はこの分身に行ってもらう。こいつは俺の思考に合わせて行動してくれる。何かあったら連絡が来るようにしているが、今まで来た試しがない。
彼が授業を受けてくれている間、昼までいつも透明なままで、屋上で寝る。






『ジリリリ』

『体内時計』で目を覚ます。時間は昼休み前、2分前。この時間になると、体内時計で起こしてくれて、自動的に影武者が消え、俺が代わりに影武者の場所に着くようになる。
する理由は単純で、この後すぐに昼休み開始のチャイムが鳴る。俺はすぐに激戦区の売店に行ってパンを買わなければならない。さっきの場所から行ってもいいのだが、悪い意味で有名なので、2人いるとか思われないように、この時はちゃんと自分の場所からスタートしている。

『キンコンカンコン』

チャイムが鳴ると同時に走り出す。
ほかのクラスからも同様だ。
俺の全力疾走を見て、他クラスからも笑いが起きる。

「あっ。」

今どこかから、「あっ」って聞こえたような気がする。気のせいかな?
そんなことより、早く売店に行こう。





「どうしたの?濱野さん?廊下なんか見て?」

「あっ、な、なんでもないわ。」





無事、売店にたどり着き、無事にパンを5つ持っている。
5つは多いのではないかと、考えるかもしれない。
もちろん、多い。
でも、それには理由がある。

俺はパンを2つと封筒をビニール袋の中に入れると、『透明化』と『視線外し』を一瞬だけ使って、みんなの視線から俺を消しているうちにそのビニール袋を指定の場所に投げる。
見てはいないが、どうせ今日も届いたのだろう。

これは、俺がまだ1年の五月くらいから続いている。
ある時、俺が激戦を勝ち抜いて、パンを3つ買って、教室に帰る時、1人の生徒がもみ合っている売店の前にぽつんと立っていた。その生徒は手に1000円札を握っていたので、パンを買いたいようだが、いかにもひ弱そうな顔はよく見えなかったが、女子生徒と思う。多分、彼女が帰る頃にはパンが売り切れていると思った俺は、彼女に声をかけていた。
その時はまだ、いじめられていない時とはいえ、女子生徒に声をかけるなんてその当時の俺に何があったんだろう。

「君、もしかしてパン買おうとしてるの?」

「‥‥‥‥‥そう、‥‥‥でも‥‥今‥‥無理。‥‥私‥‥死ぬ。」

ボソボソっとだが、声が聞こえた。

「しょうがないよ。今日は諦めたら。」

「‥‥‥‥‥いつも。」

「えっ。」

「‥‥‥‥‥いつも‥‥買いに来る。‥‥‥‥‥でも‥‥買えない。」

あっ、可哀想。
ものすごく、可哀想。

「これやるよ。」

俺は持っていたパンの中で1番女子でも食べれそうなメロンパンを差し出した。

「‥‥いいの?」

「いいから、明日からは弁当かなんか持ってこいよ。」

そうして、俺はその場を離れた。

次の朝、俺の机の中に封筒が入っていて、中には「お礼」という文字と、150円が入っていた。
そして、昼休み、また彼女はその場所にいた。また、俺はパン1つを渡した。
次の朝、また封筒の中に150円が入っていた。

それが続くにつれて、俺はパンを余分に1つ買うようになり、いつの日か、彼女に渡すように2つ買うようになっていた。
2つ渡すようになってから、金額は300円になっていた。

学年から女性関係で虐められた時、彼女との縁も切ろうと思ったが、俺がやめると彼女がまた、昼が買えなくなるのではと思い、今日まで続いている。
今日、後悔していることは名前くらいは聞いておけばよかったと思うぐらいだ。





ビニール袋が手に落ちて来る。
『‥‥‥今日も‥‥‥Thank you‥‥‥』





昼休み、パンを食べていると呼ばれて屋上で腹を殴られたが、俺にはまったく効かず。俺は『演技』だけして終わった。

そうして、5時間目。
いつもならここも影武者に任せているのだが、今日は俺自身がいる。
それもそのはず。

今、5時間目の途中。
1時59分。
あと、1分で俺たちはファンタジー世界に飛ぶ。
みんなは何も知らずに、いつも通り俺のことを笑って、消しかすを投げている。

あと少しで、2時になる。
この世界とは少しの間、オサラバとなる。
最後に会えて言わせてもらおう。

『最悪だったぜ!馬鹿野郎!』

俺が叫んだと同時に俺たちを紫色の光が包む。


『規定により、別世界への転移を開始します。』







まぁ、水縹の現実で色々あった。
投稿が遅い理由はこれだけだ。


4人目(5人目?)の登場が雑?
こんな感じの女の子が書きたかった。
後悔はしていない。

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