創造神は創った世界で美少女達に囲まれました

水縹 (みはなだ)

04話 妹で生徒の限界ギリギリに

俺がいじめられている原因。

2つ目は妹だ。

小学校時代から、俺は可愛いと思っていた俺の妹の愛衣。
しかし、小学校時代は永井という向日葵に隠れた、ひっそりと咲く月見草のような存在だった。

ただ、永井が引っ越して、同じ中学校にいなくなったことで、愛衣にスポットライトが当たることになった。

中学校では愛衣はかなりの数の告白を受けた。
サッカー部のキャプテン、野球部のエース、水泳部の長身、テニス部の先輩のカッコいい人から、科学部の天才眼鏡、吹奏楽部のトランペット、鉄道研究会の普通の眼鏡、オタクと様々な人種から告白を受けたが、妹はそれらを全て断った。


妹もどこの部活にも所属せず、俺も所属していなかったので、よく一緒に帰った。

俺が教室にいると、

「兄さん、一緒に帰りましょう。」

と言ってきて、健気に教室まで来るんだぜ。
いけないと分かりながら、妹ルートに進みそうになったことは一度ではない。
そして、何度その当時のクラスメートから「いいな〜、籾谷さんと兄弟なんて。」という憧れの言葉を届けられたか。
でも、何もなかったのは俺と愛衣の間には兄弟という、俺が世界を変えたり、総理大臣にならない限り、どうしようもない壁があったからだ。
いざとなったら簡単に超えられるけどね。


そして、ここからが問題だ。
これは今までの人生を生きてきてトップ3に入る失態だと思う。もし、俺にタイムスリップのスキルがあれば、迷わず使っているだろう。

「兄さん、兄さん。」
と優しい言葉で俺のことを呼んでくれていた愛衣が、中学2年の夏には俺の呼び名が、
学校では『我が最高の同胞』になり、
家では、『眷族』に変わった。

愛衣は中学2年の夏に中二病を発症したのだ。


原因は完全に俺にある。
俺は夏アニメをリビングのテレビで視聴していた。
なぜ、リビングのテレビかというと、うちの親、ほとんど家に帰ってこないので、大画面で見たいからだ。
いつもは上の階で勉強している真面目な愛衣も夏休みということもあり、興味もあったのか、降りてきて、結果一緒にそのアニメを見ることになった。

そして、そのアニメの中に愛衣の中二病を覚醒させてしまうキャラクターが眠っていたのだ。

アニメの内容をざっくりと話すと、人間とヴァンパイヤの戦いを描いた戦闘恋愛物と言っていいのだろうか。

愛衣がハマったのは、そのアニメのメインヒロイン。
そのヒロインとは、ヴァンパイヤながら、正体を隠して、人間側につき、ヴァンパイヤを倒している見た目は16歳ぐらい、年齢は300歳を超える少女だ。
そんな少女は、初回に主人公の少年から告白を受け、その少年に私と付き合うと後悔するかもしれないと言ったが、主人公の意思が固かったので、ヴァンパイヤにその少年をした後、正体を告白する。
もちろん、ここでふざけるなとかいって暴れ出しても、それはそれで面白そうだが、恋愛に発展しないので、普通に主人公はその告白を見事に受け入れる。
そして、2人で正体を隠しながらヴァンパイヤを倒していく物語だ。
そして、そのヒロインは表では主人公のことを『我が最高の同胞』と呼び、2人きりの時は、『眷族』と呼んでいる。

そのキャラクターのようにオッドアイにしたり、制服をそのキャラのような感じに改造して登校するとかいうことはなかったが、それでも、呼び方が変わるのはかなりの抵抗が生まれた。

久しぶりに両親が帰って来た時も、このキャラを貫き続けた。その姿を見た両親。俺も「お前、ちょっとおかしいぞ」みたいな感じの言葉を期待していた。
しかし、俺が理由を話すと父親は「我が名はヴァンパイヤの末裔の人、ターロー。裏切り者を排除しに来た。」と言い、母親は急にトマトジュースを大量に購入して来た。ちなみに俺の父親の名前は太郎だ。父親の名前の安直かつかっこ悪さにも驚いたが、何故か2人とも止めるそぶりではなく、何故か悪化させそうな路線をやってくれた。トマトジュースだけは、買い物行く時に絶対に買わないようにしていたのに。
後で父親に訳を聞くと「幼い頃は少しこういうことあってもいいんじゃないか。思いっきりやらせるほうがいい。どうせ、少し経ったら、自分から気づくさ。」と言われた。
両親は子供に対してはかなりの放任主義だった。
結果的に未だ治っていない。

学校で、「愛衣、どうしたの、おかしいよ。」と言われるかと思っていたが、みんなかなりあっさり受け入れていた。
それほど、可愛いと人気者っていうステータスは特別なのだろう。

とはいえ、俺からするとなんか妹が遠くに行ってしまったような感じになる。

同時に、あの時、アニメを大画面で観たいなんていう感情をいだかないで、自分の部屋でこっそり見ればよかったと思う。

ただ、そんな中二病を発症しながらも、勉強はちゃんとやっており、俺と同じ学校に入学した。


はじめのうちは、同じ学年に兄弟がいるとは思われておらず、何もなかった。
それと同時に高校に入ってからは一緒に帰らなくなったし、学校生活では愛衣はヴァンパイヤにならなくなった。
家では相変わらずだったが。

そして、妹は永井とともに、この学校の美少女四天王に入った。当然だと思う。

さて、それでは何故今回、俺と愛衣の兄弟がバレたか。
簡単にいうと、愛衣のウッカリによるものだ。
「愛衣ちゃん、いつもお弁当だね。お母さんが作ってくれているの?」
と愛衣の友達が聞いてきた。
弁当を作っているのは俺だが、愛衣には兄弟特に、兄はいないことにしてくれと頼んだ。
「ううん、私の両親、ほとんど家にいないから。」
「えっ、じゃあ、自分で作ってるの!!」
「ううん、私、得意じゃないから。これは、けんぞ、じゃなくて、兄さんが作ってくれるんです。」

はい、終了。
眷族って言おうとしてしまったのを、なんとかしようとして本当のことを言ってしまったのだろうけど、終わりだ。
その時、ちょうど永井のことで俺が注目を受けていたので、まさかと調べてみたやつが、見事に正解を導き出した。

学校の美少女四天王のうち、1人と幼馴染で、1人が妹。
俺に対する、男どもの感情は限界ギリギリまで達しそうになっていた。

まぁ、たしかにこれだけ聞けば、ワンチャン、『学園の2人の美少女が俺の幼馴染と妹なのだが。』とかいうタイトルのライトノベルが書けそうな感じもするが、現実は恋人がいる幼馴染と、家では中二病の妹だからな。
中二病は本ならありかもしれないけれど、現実ではないな。本人の口から、また、兄さんって言われてみたいものだ。

そして、愛衣は俺との兄弟であることがバレた直後に、学校でもヴァンパイヤになった。
ある程度クラスに馴染んでから、中二病になる。
極めて利口なやり方だと思う。
そして、もちろんのことだけど、普通に受け入れられた。

でも、まだこれならいじめられずにすんだんだ。

高1の9月。
俺が人生の中でトップ3に入る失態の1つをしなければ。






中二病の原因として考えた人間とヴァンパイヤの物語、書いてもいいかなって思いました。
まぁ、1つ似たような作品を書いているので、終わってからですけど。


フォローありがとうございました。
なんか約2日で2倍になっていて驚きました。
元の数が少ないですが。

気分や他の作品次第で投稿していくので、これからもよろしくお願いします。

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コメント

  • ノベルバユーザー179677

    ヴァンパイアがバンパイアになってます

    3
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