それでも僕は歩み続ける(仮)
第1章「旅立ちは青空と共に」1-4
しばらく道中警戒しながら虫のようにカサカサとトラップがないかどうか確認しながら進んでいたら少し落ち着いて来たので(病気じゃん)壁と壁の間にちょうど人が頑張れば入れるような隙間を見つけ中をのぞいた。
そして、少し休憩出来そうな空間があったから軽く休む事にした。
「さて、僕の情報が正しければ5階層が最深部だったはずだね。そこにボスがいるのか?いないのか?は運次第だったはず。んで、最深部にあるクリスタルに触れれば地上に転送される。」
一番重要なのは、もしボスがいた場合今の僕にはまともな攻撃手段がなく確実にやられる事…。そして、倒さない限り先に進めないという事、今の僕には暗い未来しかない。
「でも、時間はかかるし運が悪ければ最深部に行く前に死んじゃうかもしれないけど一つだけ武器を調達する方法がある…さて、僕よ覚悟を決めようか…。どうせこの試験に合格できなきゃ、本当に死ぬ可能性が増えるんだからやるっきゃないよね…。」
ルークは所々に落ちてある小石を握り言った
「さて、それじゃあ始めましょうか…命をかけた僕の戦いを。」
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コボルト達は狼と同様にして嗅覚と聴覚がいいその大きな耳を使って遠くの音を聴き立派な鼻で敵の居場所を突き止め切れ味が良いとは言えないが生き物を殺すには十分な切れ味を持つ彼らには大きな短剣で相手を突き刺し殺す左手に持った鉄の盾は僅かながら魔法攻撃も防ぐ事が出来る優れものだ。
そして、一番特徴的なのは狼と同様にして単独では行動せず必ず複数で狩りを行う少なくとも3〜5匹で固まって動く。
今回のパーティはどうやら3匹のチームみたいだ
「フゴ!フコッゴゴゴ!」
どうやら、他の二匹とはちょっと違う黄色い短剣と赤い盾を持ったリーダーらしきコボルトが近くに人間が持つ独特の匂いを感じたらしくそれを仲間達に伝えているようだ。
「ググヴ?オ"オ"ーン"!!」
「ガァアグルルル!!」
どうやら、彼らはその人間を今日のご飯にする事を決めたようだ。
リーダーが匂いのする方に駆け出したその後ろを二匹が近づきすぎず遠すぎ無い距離感でついて行く。
「グゲゲ…。」
リーダーは出来るだけ小声で仲間達に止まるように伝え人間の匂いが濃い場所を探したすると、壁と壁の間から濃い人間の匂いがして、ゆっくりと中を覗き込んだ。
「…………」
人間の後ろ姿が見えたどうやらまだしっかりとした大人では無いようでリーダーは喜んだ人間に限らず子供の肉は柔らかくて食べやすいのだ。
思わずヨダレが垂れそうになるが寝ているであろう人間を起こさぬように我慢した。
「グゲゲ…。」
「クークルル」
「ゲッググヴ」
確実に仕留めるため三匹は寝ている人間の頭、足、背中、をそれぞれ狙いバラバラにして持ちやすく運ぶ事にした、寝ている人間など楽勝だと高を括った。
そして、同時に剣を人間に振り下ろした。
ガリィッ!ザギィッ!ガギィ!
肉を断つ感触ではなくまるで石を切ったかのような固い感触が剣から手に響きコボルト達は困惑するさらに、愛用の剣が人間?から抜く事が出来ず焦り始めパニックを起こしてしまう。
「グァァァォ!!」
「「グルルルルォォ!!」」
コボルト達はパニックを起こしながらも必死に短剣を抜こうと騒ぎ立てる。
パニックを起こし理性を無くした為彼らは気づけなかった背後にいた存在に…。
ゴン!ゴキィ!グチョ…。
彼らは後頭部に激しい痛みを感じそのまま事切れた…。
「ふうぃー…思ったよりうまくいったや。」
角ばった片手サイズの石を持ち身体が少しだけ血で汚れたパンイチのルークは明るい表情でそう言った。
「しかし、物に服を付けただけで案外気づかれないもんなんだね。後ろ姿はそっくりだけど前から見たらただの石と木の板しか無いってのに。」
そう、コボルト達が襲ったのは大きめの石と小さめの石そして落ちていた木の板を服の中に入れ頭であるところには腐って黒く変色した草を被せただけの即席人形である。
ルークはコボルト達の遺体を端に退け、とりあえず人形を解体し服を着なおす際に石に刺さったままの短剣をこれ以上刃こぼれしないように丁寧に抜き着替えたのであった。
「まぁ、服はちょっと破れちゃってるけど大した問題じゃないし大丈夫。何はともあれこれでマシな武器と盾をゲットだぜ!」
こうして、運良く?三本の短剣と鉄の盾三個を手に入れたルークだった。
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