In.games

イヌイマロ

1話 「さあ、ゲームの世界へようこそ。」


2027年。
世界は圧倒的な急成長のすえ、
日本はかつてない先進国となった。
あらゆるものに満ち溢れ、
あらゆる娯楽の進化も遂げた。

では、ここでゲームマスターから、一つ、例を上げてみようではないか。

一也「和葉ー、入るぞー」

和葉「あー、一也。ちょうどよかった。
HP死にそうだから回復やってー。」

『In.games』
それは、日本で今人気の
ゲームである。
魔法は回復しか使えない。
剣だけで戦う、単純なゲームだ。

一也「ったく、すぐやるから待て、って。」

そのストーリー性と、やりやすさから
今では5万人のユーザーに遊ばれている。

和葉「やっぱ、このソードほしー。」

一也「あー、それ。俺もってるぜ。」

和葉「うわ、ずるー。」

一也「ずるくねーだろ。」

和葉「そういえば、今日の3時からゲームマスターからのお知らせあったねー。だいたい2万くらいのユーザー集まるかも、って。」

一也「あとちょいだな。3分ぐらいかー。
保存してホーム戻ろーぜ。街の中心部アウステルリッツだったよな?」




一也「お、始まった。」

俺と和葉は二人で画面を凝視する。
In.gamesのオプとともに、いつもの音楽で…。


その刹那、いきなり画面にノイズが走った。

一也「うわっ…なんだ…これ…」

和葉「…なんなの?これ…
ゲームの不具合?」

一也「お、おい…。なんかおかしくないか?」

自分が吸い寄せられるように、
感じた。

一也「和葉っ…!」

和葉「かず…や…」

二人は画面のなかに消えてしまった。
テーブルにはスマートフォンしか
残っていなかった。
スマホには、
ログイン完了。
の文字が移されていた。


こんな伝説、聞いたことあるだろうか。
あるゲームでは
決まった時間、日時になると、
ゲーム内で不具合が起きる。
その中の限られたユーザーには
″ある特典″が付いている、と。

それは、ゲームマスターによる、




In.DEATH GAMEの始まりであった。
















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