嘘は異世界を救うのか、滅ぼすのか

ノベルバユーザー183896

第42話 嘘の英雄は未来の希望に縋る⑦

「シンドウさん僕がカリヒトさんに勝てる可能性がある分野って何かありますかね?僕は何とかしてカリヒトさんからポイントを奪いたいと思ってます。」


ヤマタケの言わんとしてることは分かる。恐らく何か勝負でも仕掛ける予定なんだろ。ポイントを謀反者を見つけて5ポイント取るなんてのは確率の問題だし、相手に違うと言われればそれまでだ。


点数を取りたければ相手を上手く呼びだし先生に端末を確認して貰いながら宣言するくらいだ。だからお互い納得の上で自白を掛けて勝負するのが王道だろ。


この課題のいやらしいところは5ポイントとであれば増えるが、自白の場合お互いの利益を優先するならば増えないのだ、プラスマイナス0だから。ポイントは多く欲するなら俺と匙のようなことはしない。だから俺は差額100ポイント分を渡すことで取引した。


「肉体的ステータスは勝てると話したな。相手がどんな技量があるか分からんがそれは勝てる。例えばジャンプ力や腕力とかか。だがな結局何よりも、ものを言うのはステータスだ。それをお前は持ってる」


ステータスは上がってる。それに戦い続けてることで技量も上がってきてる。知力をこれからってとこか。


「では何とかそれを使った戦いに誘い出したいです。単純にこちらは負けたらポイント2倍払うとかでは無理ですよね?相手が5分5分の勝負を、いや8:2くらいハンデを負わないと来ないくらいですか、勝負を仕掛ける方は。」


「落ち着け。お前がしたいことは分かっている。知恵は貸してやるって言ったろ。勝負したいなら誘い出す方法くらい考えてやる。」


闘志が出たことで焦っているというとこか。でも少しずつだが状況を把握してどうすべきの判断能力が磨かれている。


「お前のやる気は伝わってるが、それだけで実力が埋まるわけではないのは分かるだろう。知力をあげたいなら思考を止めるな。絶えず最善策を模索し続けろ。自ずと見えてくる。」


「...ふぅ。分かりました。お願いします。」


切替をしっかり行うのも大事だから、いい傾向だと思うぞ。スポーツプレーヤーが陥りがちになりやすいが気持ちを引きずってしまうというのはその人の能力を半分以下にまで落とす。苦しい時ほど一旦落ち着くだけで状況を一変させることがある。


「田中を呼んでこい。伝達係にする。」
「分かりました」


ヤマタケに伝え、去って行く。





30分ほどでまた呼び出されるとは思っていなかったのか驚いてる


「なんか、俺に気を遣わせてしまって悪いなって思いながら去ったのに逆戻りはないっすよ~」


「お前の話方ってそっちがデフォルトなのか?まあいい、本題に入る。田中はお前昔は凄腕のバスケットシューターだったって情報を調べたらあったんだが本当か?」


「シンドウどうやってそんなことまで調べたんだよ。昔の話さ、怪我しちまって指の感覚が鈍ってドロップアウトしちまったんだよ。」


情報の調べ方なんて様々あるからな、昔の記録を調べるのは苦労するがな。


「そうなのか、技術としてはもう残ってはいないのか?人は生まれ持った才能が確かにある。田中は努力家だと俺は見ているからこそ尋ねたんだ。怪我で諦めてしまっているのかと。」


「...諦めきれるわけないわな。確かにもう部活もなにもやっていないがシュートならば誰にも負けないさ。プレイはできんがこの才能は捨てられない。」


自分の他より優れていることはそんなに多いものではない。この学校にいる時点でそういう力を秘めているからこそ入れたのだろう。


「俺は賭けに出ようと思う。ヤマタケに感化されちまってな俺は何とかお前も一緒に卒業できる方法を考えた。」


「シンドウさん本当なんですか!流石にさっきは勝手が過ぎたと反省してます。でもできうることなら田中さんを僕は見捨てたくはありません!」


はぁ~俺も生ぬるくなったもんだ。ヤマタケには死ぬほど頑張って貰うことにはなるかもしれんが。


「俺はこの一年で手に入るポイント及び課題で手に入るポイントを賭けようと思う。それで相手の要求ポイントと釣り合わせる。田中が言った約7000ポイントも俺だったら一年で集められる。要はお互いの最大全ポイント賭けた勝負だ。相手が3年であれば後がない緊張というのは早く解決したいはずだ。勝負内容は3番勝負決闘だ。俺とヤマタケと田中で申し込む予定だ。田中はやる気はあるか?」


「おいおい、そりゃ無茶だ!カリヒトはそんな甘くない。全ポイントなんてリスクを犯すわけないだろ。」


そんなことは分かっている。こんな勝負勝てる自信がなければ申し込んでも出てくるわけがない。


「俺はやる気があるのかと聞いた。相手が相当有利になるリスクまで考えている。お前を捨て駒扱いしたやつをお前は許せるのか!お前は去年の敗北でプライドまで完全に折ってしまったのか!」


「...許せるわきゃねーよ!なめんなよシンドウ俺は確かに負けたが絶対あきらめない執着の塊だ。あいつをつぶせるならやる気なんていくらでも出すわ!」


相当恨まれてるやつのようだな。怒りの赤黒い色してやがる。


「やる気が出たようだな。申し込む内容を話す。田中にシュートを行わせるために賭けるリスクだが俺が負う。条件は俺の勝負内容はあちらが決めることだ。先生を通し勝負内容が1%以上でも俺に勝てる要素が認められればいいとする。拘束具の強制等はできるが俺に危害が入ることはなし。ヤマタケはカリヒト側で一番強い相手と肉弾戦を行うことだ。要はだ舐められてる田中が勝たなければ100%負けると言ってもいい。田中はこの条件でやる気はあるか?」


「だから待てって、なんでそこまでしてくれるんだよ。俺はつい最近入ったばかりだぞ。負けたら正直絶望しかな..」
「俺はやるかやらないか聞いてんだ!こんなハイリスクを負いたいわけねーだろ。だが内のリーダーはお前を救うって言ってんだよ!どうするチャンスを掴むのか離すのか、早く決めやがれ!」


田中は動揺している。過去の自分を想い今やるべきなのかを決心する。

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