嘘は異世界を救うのか、滅ぼすのか

ノベルバユーザー183896

第40話 嘘の英雄は未来の希望に縋る⑤

謀反者の取引が片付き打ち合わせのため俺、ユイ、ヤマタケは別教室に移動しす。


「シンドウさん、先ほどの方法を取った理由は分かりました。ポイントも仲間のため使うと決めていたので問題ないです。ですがこんな方法があるなら各リーダーは同じことするのではないんですか?」


確かにこの方法ならこれ以上リスクなくこの課題に取り組むことができるのは事実だ。


「こればかりは仲間云々よりもプライドの問題だろうな。ここで仮に他のリーダーが同じことをしたら、それは自分には配下を守る力はないと言ってるようなものだ。ポイントも仲間も失う可能性だって出てくる。リーダーがその程度であれば配下もついてこないからな。」


だからヤマタケにあの場で決めさせたのだ、プライドを取るか、勝利を取るかと、だが現段階においてプライドなぞいらん。ヤマタケはそういう力で今ここに立っているわけではないからな。もし俺がシロネの幹部であったら結論は大きく変わっていた。


「なるほど。僕はまだ弱いと。このままでは集めるどころか去ってしまうということですね。...それでも僕は今勝ちたい。僕をはるかに上回る人達だと分かっていても戦うと決めたんです。」


ヤマタケが可能性の低さは分かっているが今勝ちたいか。その貪欲な気持ちがあるのなら見えてくるモノもあるだろう。


「ヤマタケが勝ちたいと思うならまず動くしかないわな。期間は2週間だ、1週間は好きにやってみろ。ヤマタケとお前の仲間達に期待するよ。」


「わかりました。できることは全てやるつもりです。では行きます。」


ヤマタケが教室を去る


「さて、ユイはこの戦況どう見る?」


「相手の情報がないので予想にしかなりませんが、先ほどの放送で最悪のパターンは回避できるように作られていたようですね。」


先ほどの競合に関してだろう。自白させ却下する。ヤマタケの組織に所属するまでどこの組織にも入ろうとしないやつらだ。この気に排除しようと考えるボスは訪れると思っていた。さらには前回の課題でこちらの脅威を判断し、シロネの言ったように狙ってくるだろうともな。だが運が良かったのかもしれん組織に入らないようにしてたやつらはおそらく不満分子だ。だからこそ目先の欲に目が眩むことがない連中でもある。


あいつらは特別編成クラスの配下で命令を食らうのが我慢ならんかったのだろう。だがヤマタケは逆だ、各ボス達とは毛色が違うことは戦ったやつは分かっているのだろう。まぁバッグにケンジがいると思わせ、ヤマタケが急成長しているのはこれかと思わせ、自己研鑽を続けている者なら、入るメリットであるキッカケを作ってやれば良いのだ。


今回の課題に退学条件がなければほっといても良かったのだが、あれば必ず退学者がでる最悪のパターンとなっていただろう。相手の性根の問題ではあるが先ほどの放送で分かった。他を蹴落とすためならそこまでするやつがいる。それも複数だ。


「そうだな。最悪のパターンに陥ったらもうヤマタケの信頼は0となるだろう。そうなったら挽回は難しくなっていたな。危ない危ない。」


「でもシンドウさんはあそこでヤマタケ君が逆を言っても何とかしていたのでしょう?でなければ提案をせず命令してたんじゃないんですか。」


ユイの言い分も確かではあるが、それではいつまでも変わらないのだ。命令とは万能である。だがそれを繰り返し続けた先が見えないのだ。この選択が間違っている可能性もある。だが俺は期待を持ち待つこともしようと思っている。


「どうだろうな。相手の力量がまだ分からん以上絶対とは言えない。だから命令じゃなく提案でいいのかと、そう言いたいのだろう。...未知の可能性に賭けたくなったんだよ。ユイ、心配させてすまんな。」


「シンドウさんが不確かな事に賭けることには驚きですね。でもそんなシンドウさんも私は好きですよ。何でも頼ってくださいね。」


ユイは俺にとって毒なのかもしれんな。恋は人を盲目とさせる。見据える先に必ずユイがいる。確かなモノが必ず1つは存在する。賭けにはなるが間違えるわけにはいかんわな。


「俺もユイのこと好きだよ。頼るというなら俺のそばにいてくれ。必ずユイが必要になるこれからもずっと。」


「そこは命令になるんですね。命令なんて不要ですが分かりました。おそばにいますね」


その言葉が聞ければ充分だ。さて決意は固まった。





1週間が経ち


3人の謀反者を見つけ出し。


ヤマタケの組織は35人となった。


「ほう3人か。どうやって集めたんだ?」


まぁわかっていることだが、一応聞く。


「手伝ってくれた仲間がいまして謀反者として怪しい者をピックアップして貰い、ひたすら相手に一対一を挑み続けて根負けした人が3人出ました。」


...まぁ悪い手ではないよなきっと。これがヤマタケなりのやり方となってしまってるな。拳で語れ的なものだろう。


---------------------------------------------------------------------
今回の課題での獲得ポイント


ヤマタケ 50+15でポイント65 3人
サトウ 50(取引)+200(20人)でポイント250
白石 ポイント100 10人
桜歌 ポイント100 10人
シロネ ポイント-100 -10人
周子 ポイント-100 -10人
ウコン ポイント-100 -10人
高美 ポイント-100 -10人
---------------------------------------------------------------------


ヤマタケ以外全て自白でのポイント変動となっている。
匙がどうやったのかは分からんがやはり脅威だ。
脅威というのはポイントがではない。退学者が20人出ている。匙の配下がだ。意図的にやったとしか思えない。そしてメンバーが初期段階で足りないからこそ何かペナルティールールがあり、逆にこの状況を作り出せたということだろう。指定は10人までのはずだからな。


残りは27人ってことか、名前が判明しないやつに10人、白石と桜歌に20人だがヤマタケが3人どこからか奪えたのだろう。そこは後から確かめよう。


さてこの状況をどう読むべきだろうか...

          

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く