こんな俺でも恋をする

白葉南瓜

【復讐編:悪夢の再開】第2話

書類などを整理した終わった後に俺は椿さんに帰ると告げ家に帰っていった。
帰っている間に、鈴とすれ違ったがあちらも忙しそうだったので、すれ違っただけで何も会話などはしなかった。

家につくと、周りは暗くなっておりドアを開けると、リビングから光が漏れてきた。それは、剛島さんが帰ってきている証拠だ。
(今日は早めだな...)
そう思いながら、靴を脱いでリビングに入るとソファーに座りながら気難しそうにプリントを見ていた。

「どうしたの、そんなに気難しそうにして?」

俺と剛島さんは、呼び方はまだ律儀にさん付けだが、喋り方は家族同然のように話している。
そう声をかけると、剛島さんは此方へ向き苦笑いをしていた。

「いやな、お前の学校費のことなんだよ...結構高いのな」

「え?あっちが負担してくれないの?」

俺は、上着をハンガーにかけながら、そう相槌を打った。

「あっちが一応負担はしてくれるんだが、残りの費用がそれでも高くてな」

「うーん、俺もバイトしようか?」

「いいや、信のバイトする時間が有るなら、学校で能力の使い方と制御をしてくれたほうが良いから...じゃないと...」

剛島さんはそこで少し言葉を詰まらせた。

「じゃないと何があるの?」

「いや、なんでもないよ」

そう濁されたので「なんだよー」などといっているとそのプリントを片付けはじめ「お腹減ったから、ご飯食べたい」と言われ、時間を見るといい時間になってたのでエプロンをつけキッチンに向かった。




夕食を済ませ、食器などを片付けながらテレビを見ていると、剛島さんが口を開いた。

「で、犯人とは何か喋って来たのか?」

「う、うん。喋ったよ...いろいろなことが分かったから今度は犯人探しじゃなくて、その裏の組織の散策」

そう言って、「組織?」と訊かれたので鈴の父親が言っていた事を全部言った。
その人の後ろには、【深紅】と言われる組織が関わっていること、その犯人が自分の彼女の父親のこと、今回の戦いは大きくなりそうなことなどを話した。

「そうか...死ぬなよ?」

剛島さんは真剣な眼差しで俺の事を見てきた。その眼差しに言う答えは一つしかないだろ。

「安心して、死なないから」

そう言うと、剛島さんは安心したのか、ビールをもう一本あけバラエティー番組に顔を戻し、笑っていた。
その間に、俺は風呂に入りに行った。

「ふー、疲れた...学校はあるしその他もろもろもあるけど...」

そう言いながら、脱衣所で服を脱いでいると、後ろから声が聞えた。

「なんじゃ、そんな疲れた顔して、整ってる顔が台無しだぞ」

「ふぁ!?」

後ろを振り返ると、クロユリの真似をした玲奈と美織がいた。

「な、何で...しかも何故裸!?」

「信ー、どうしたー?」

俺が、玲奈たちに話しかけているのがリビングまで聞えたのか剛島さんが此方へよってきた。
(こんな密室で、しかも裸の女の子が二人...バレたら死んじゃう!)

「いや、なんでもないよ。独り言ー」

「そうか...」

そう言って、剛島さんの足音が遠のいていくのが分かってから、また話を再開した。

「で、何でいるの?」

「「お風呂はいりたい」」

「さすが、姉妹、はもるなよ...」

色々と状況説明をされて、「久々のお風呂にはいりたいから出てきた」のことで最終的に三人一緒に入ることになった。

「この状況で、君が僕達に興奮したら、ロリコン?になるんでしょ?」

「五月蝿いから早く体洗えよ...まったく」

そんなこんなで、色々精神ダメージを受けながら入浴が終わった。

自室に戻り、また玲奈たちが出てきたから、色々と質問することにした。

「いい機会だから質問いいかい?」

「答えられる範囲なら、良いぞ」

そこからは一方的に俺が質問していた。
[一つ目]
二人の存在
[答え]
玲奈が、防具。美織が、武器。玲奈は全身の防具にはなった事が無いが、やれば出来るらしい。美織は、薙刀などになれるが、打撃武器にはなれず切断武器、遠距離(弓矢、銃)になれる。
だが、元々は[闇暁桜椿・鬼瓦]の中に封印されていた鬼人ならしい。

[二つ目]
何処まで、俺の力を引っ張りだせるか
[答え]
玲奈は神経系の強化が特化していて、美織が剣術や武術の保護ができる。

[三つ目]
俺の体が何処まで持つか、今の状況はどうか
[答え]
状況は、鬼神解放をして『鬼神・刃灯じんとう』を開放したのと、『雷鬼』で紅雷をつかえるようになった。
何処まで持つか、か。今のままフルオープンしていると体が持たなくなって死にいたる。それか、何かを代償にする羽目になる。

[四つ目]
『鬼神・刃灯』と『雷鬼』は何が使えるか
[答え]
刃灯は君が本気になったときに《鬼錬獣殺》をつかえて紅蓮に近い鬼の状況になる。
雷鬼は今の所、紅雷の放電、蓄電、纏うのこの三つしかない。だが、使い込めば雷鬼が元の力を思い出してつかえるようになるな。

「こんなもんでいいや。他の技がつかえるようになったら教えてくれよ」

「教えるさ。後、これだけは約束してほしい」

そう言っている玲奈に向き直ると真剣な眼差しだった。
その視線に俺は息を飲んだ。

「今後の戦いで、紅蓮に似た声で囁かれるかもしれないがそれに惑わされないで欲しい。それで、昔にも色々あったからな」

そう言いながら、玲奈は俯いていた。その隣で美織は目を逸らしていた。
何かあったことは察した。

「わかった、気をつけるよ。明日早いからもう寝るぞ」

「うむ、分かった。よく眠るんだぞ」
「おやすみー」

そう言って、玲奈と美織は粒子になって俺の中に戻っていった。

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