こんな俺でも恋をする

白葉南瓜

再戦を告げる

桜花を使用したとたん、美紀の顔に冷や汗が通った。
それもそうだ、俺だって最初に会ったときにひるんだんだから、俺は鬼になってその恐怖を抱えてたが怯んだ...元々人間の美紀が怯まないわけない。

だが、その雰囲気の中でも先に動いたのは美紀だった。
(チッ、動けんのかよ)
(こ、これは予想外だよ。でも、先制食らっちゃ意味無いからやるよ)
美織がそう言って、意識を戦闘にもどした。

美紀は俺との距離を詰めてきて右肩を刺すように槍を向けていた。俺はその槍を避けるようにバックステップすると槍の先は避けれてが、下からの蹴りを横腹に食らった。

「うっ、何だよ。さっきの動きは...」

その動きは、上半身と下半身が別々で違う生き物のような動きをしていた。その行動に気をとられていると次の攻撃が迫ってきていた。
槍の持ち手を俺のこめかみ目指して振っていた。
それを回避して、また距離をかける。
(美紀の攻撃の手数が多くて辛い。でも、やるしかないよな)
そんな事を考えながら薙刀を構えた。

そこからは、攻防一戦でどちらかと言うと、俺のほうが押されてる。

「蹂躙するんじゃないの?弱すぎない?」

「そんな事、言ってられるのも今だけだよ」

その言葉に美紀は首をかしげた。そりゃそうだろうな、元々俺のほうが圧されてるのにこんな事をいえる余裕があるわけないと思っているらしい。

「やるよ美織。【桜花・開花】」

そう言うと、俺の周りに何処からか桜の花びらが散ってきた。その光景に美紀が目を奪われているとその桜の花びらが散り終わった中から一人の女の子が立っていた。

「ごきげんよう、私は闇月 美織」

そう言うと振袖の女の子は美紀に挨拶をしていた。そうして俺に近づいてきて薙刀を持っているほうの腕を噛んだ。

「主様よ。これでいいのだろ?だったら私は戻るよ」

「あぁ、ありがとう」

そう会話を交わすと桜の花びらになって散っていった。

美織が消えてから少したってから、美紀は意識を戦闘にもどして突撃してきた。その槍の先を薙刀で払ってから、薙ぎ払いをして2mほど後ろへとばした。
噛まれて方の腕を見ると赤色の篭手が出来ていた。

「さー、再戦だ」

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