転生したSランク冒険者は最強を目指す

スーノ

第十五話 VSランクSSの犯罪者

申し訳ありません、公開設定を忘れていました


向かう先から俺の動きを阻害するように自在に動く複数の闇玉やさっきの闇色の槍が弾幕の如く飛来する

その攻撃を気力を注ぎ強化した剣で片っ端から切り裂く、その安定した体勢から放たれる力が乗せられた重い斬撃は尽く魔法を破壊し、消滅させる

そしてジャルタの姿を捉えると同時に気力を混ぜた風の刃を剣の一閃と共に放つ、剣の斬撃と共に放たれた事によって強化された風刃はジャルタを捉え切り裂く。
しかし、ジャルタの体は風刃が通り過ぎると同時に時間が巻き戻るように元の状態に再生されてしまう

これは恐らく自身の身体を周囲の闇と同調させて一時的に闇の魔力に変換する事によって、攻撃を無効化する高難易度の闇術だったか?

「まあ、いいや。あれの対処法は確か…」

俺は対処法を記憶の中から引っ張り出し、即座にそれを行使する為、剣を適当な場所へ振るい、周囲の魔力を揺らす。
これによって空気中の魔力が不安定になって同調は極めて困難になり、下手に同調すると自分がダメージを受けてしまうような状態になった。
つまり相手が不安定な状態を無視出来るEXランク級の使い手でもない限りこれであの魔法は封じた事になる

と言うかそもそもあの魔法に限らず周囲と同調して自身を魔力体に変換する魔法は対処法を知らない相手にとっては難易度に見合った強力な効果を発揮するが対処法を行使出来る相手にとっては明確な隙となる対格下用の魔法なのだ

…まさかあいつ、俺相手になんとかまともに戦えるSSランク相当じゃなくて格上のSSSランク中位くらいの実力があるのか

「いや、流石にないな。SSSランク相当の実力を持った犯罪者はSSSランク冒険者にとって問題無く全力を出せる殺していい相手・・・・・・・・・・・・・・・・・だ、そんな狩りの対象がこんなところにいる筈がない」

しかも、闇術の技量だって炎術、水術、風術、地術、光術、闇術を均等に伸ばしているソフィアの闇術より少し上くらいしか感じれない

まさか、俺の実力が見抜けてないのか。
そう考えてしまうとなんだか急にやる気が失われてきた。と言うかよくよく思い出してみると前世で取り逃したのも物防が抜けなくてちまちま気力を削ってたらその間に闇術を使って全力逃走されたんだったな、と言うかレオンとソフィアってSランク上位相当なんだから、あの二人を軽くとはいかないまでもあしらえる時点でジャルタ相手にまともな戦闘を期待した俺がバカだった

じゃあなんであの二人がジャルタの実力を見抜けなかったって話になるけど、それはあいつが闇術の偽装を実力に集中させてたからだろうな。
理由も察しがつく、恐らく底が知れ無い自分を見せることで自らに対する干渉を控えさせようとしてるんだろうな、底見えない相手なんて真性の戦闘狂でも無い限り戦いたがらないだろう

ただ、そうなると腑に落ちない事がある。
なんであいつ、俺達の前に姿を見せたんだ?わざわざそんな事する必要は無いと思うんだが、まあ、本人から聞き出せばいい…ってあれ?

「あいつ、どこ行った?」

そうやって色々な事に思考を巡らせているとジャルタはいつの間に居なくなり、周囲に夜の静寂が戻っていた。
一応、探してみるか…、俺はそう思い夜の暗闇から感じるなんとも言えないを不安を心の奥底に押し込めながら周囲一帯を探索したが結局、ジャルタは見つからず、俺は宿に戻り眠った





翌日、今日から俺達の学園生活が始まる

「よし、レオン、ソフィア準備はいいか?」

学園に行く準備を終えた俺は、ほぼ同じタイミングで準備を終えたレオンとソフィアに最終確認の声をかける

「ああ、問題ないぜ」「私も問題ないです」

そしてそう返事を返して来た二人の姿を改めて見て俺は言った

「じゃあ、行くか」

そして俺達はそれぞれの学園に向かった





ヴォルフ学園の制服は左胸に学園のエンブレムである金狼が縫われた濃紺のローブを羽織っていればいいので楽だなぁ、俺はそう思いながら武術科の校舎内を歩き、自分の教室に向かう

そうそう今まで聞きそびれていたがレオンは魔術科、ソフィアは学術科に入学するそうだ。理由はソフィアが次期領主としての知識を学園で学んだと言う事実を作っておかないといけないらしい、その結果レオンは消去法で魔術科に行く事になったそうだ

「っと、ここか」

そんな感じで歩きながら色々な事を考えていると『1-EX』と扉の左上端に書かれた教室に辿り着いた

「……どうしよう、凄く開けたくない」

そして扉を開けようとした瞬間、教室中の気配が一斉に臨戦態勢に変わり、なんか凄く入り辛くなった。だが集合時間まであまり時間が無いので渋々、教室の扉を開けると…

…教室内の生徒がエリアスを除き全員、襲い掛かって来た

「いや、なんでだよっ!」

こうして学園での初日が始まった

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