転生したSランク冒険者は最強を目指す

スーノ

第七話 冒険者ギルド

「と言うわけで学園、入学しなくていいか?」

宿屋に戻って開口一言目にお兄様からそう言われました。
……今の一言で大体の予想が出来ましたけど、それだけでは普通分かりませんよ

「なぁ、ノア。何がと言うわけかさっぱりなんだが?」

「ああうん、やっぱり分かんないよな。ソフィアは分かってるみたいだけど、行かなきゃダメか?」

私がお兄様に呆れたような視線を送っていると、お兄様がそんな事を言いました。
私の予想が正しいなら正直、ダメと言う他ありませんね。それと何故、お兄様の意見があんなに残念な理由も分かりました。まあ、当たっていればですがね

「ダメです。…と言いたいところですが先に予想通りか分からないので答え合わせをしましょう」

「了解、んじゃ言うぞ。まあ、簡単に言えば修行と学園内の護衛でローテーションを組まないかって事だな。理由は近くに迷宮もあるし、それにもうすぐ成長期に入るから出来るだけ鍛えたいと思ってな」

「やっぱり予想通りでした」

「と言うことは?」

「ダメですね。お兄様は兎も角、私とレオンには護衛も迷宮の経験もないです。それに学園にしろ迷宮にしろ不測の自体に遭遇した場合一人しかいないというのは危険過ぎます」

お兄様はその言葉に困惑した様な顔をしています。恐らく実力的には問題ないだろうって感じでしょうか?

「やっぱり、お兄様は微妙にですが決定的にズレてますね。理由に関してですが、王族や皇族を襲撃するような相手が弱い訳がないです、最低でもSランク冒険者と同等だと思うべきですね。一応私達も個人で防御の壁をある程度無視する技は習得していますし、能力的にはSランクを相手に戦えるくらいは有りますが踏んだ場数の数や戦闘経験が違い過ぎて相手になるかは微妙なところです。ですから戦力を分散させる訳にはいかないんです。もし鍛錬をしたいなら放課後全員で行きましょう」

「そうか?。まあSランク程度どうにでもなると思うけど、お前達じゃSSSランク以上が来るとどうにもならなくなるしな」

ちょっと納得の仕方が違っているような感じがしますけど言っても無駄そうですし諦めますか。並外れた才覚を持ったお兄様は力に対する意識がズレている見たいですから、それとSSSランク以上の人は流石に来ないと思いますよお兄様





SIDEレオン

「ふぁ〜」

翌日、声を上げながら起床した。時間は太陽の昇り具合から昼間みたいだ。

「流石に光術で体力は回復させてたけど、眠気はどうにもならねぇからまだ眠ぃな」

活動には問題ねぇなと思い直し周囲を見回す。
ソフィアは、寝てるな。周りに大量の反撃術式カウンタースペル張り巡らせて有るし、迂闊に近寄らねぇようにしねぇと。ノアはいねぇってことは受験に行ったか、確か帰りは遅くなる、ってたから夕飯時までは帰ってこねぇだろうな

「……折角、王都に来たしちょっくら観光してくっか」

そう小さく呟きオレは外に出た





王都は綺麗な円形の城壁に囲まれていて、中央に王城があり、その周囲には貴族街が広がっていて王城に近い方から公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、士爵の順に家が建ち並んでいる。そして、正三角形を描くようにある三つの跳ね橋ともう一つ内側にある城壁を挟んで平民街があり城壁に囲まれている。それとヴォルフ学園は何をトチ狂ったか知らねぇが城壁の一部を撤去して貴族街と平民街の間に三つあって正三角形を描くように配置してありそれぞれ武術科、魔術科、学術科に別れている、これに気付いた時にオレも含めて全員相当マヌケな顔してたなぁ。ただこれだけは言いたい。名前全部同じだと書物じゃ分かねぇよ、せめて三つある事くらい書けよ。試験の会場分けた方が分かり易いだろうがよ。いや、何処でも受けれるのは普通に便利だし問題なかったわ

「まあ、今更こんな事考えても意味ねぇな。潔く諦めよう」

それでオレが来ているのは平民街だ。
オレは他の二人とは違って平民なので貴族街には行けないし、特にする事も無いので冒険者ギルドに向かっている。ギルドは一応十二歳から登録できるので今から登録に行く予定だ

「っと、着いたな」

そんな事を考えながら歩いていると冒険者ギルドに到着した。ギルドの見た目は冒険者ギルドと書かれ、冒険者ギルドの紋章(竜頭の横に剣と弓が描かれている)の描かれた看板を掲げている酒場と言った感じだな

ギルドの中は、まだ昼間だと言うのに酒の匂いが充満している。
どうやら、ほとんど酒場と言う認識で間違い無さそうだ

「冒険者登録したいんだがここでいいか?」

「はい、こちらでいいです。ではこちらに名前と得意武器、使用出来れば得意魔術を記入して下さい」

受付に居た、小人族の女性に声を掛けて渡された通りに記入し渡した。
小人族の特徴は他種族よりかなり小柄で成人しても人で言う十二、三歳前後くらいの背丈にしかならず、手先が器用で足が速い事だ。因みにスタイルなどは成熟するので成長した小人族は基本的に寸胴ではない

「はい、承りました。三分程でギルドカードが出来ますのでこちらの説明書を読んでお待ち下さい」

そう言われて一枚の羊皮紙が手渡された

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