転生したSランク冒険者は最強を目指す

スーノ

第四話 初めての魔法

「あれ、居ないな?」

風呂の後、魔法の指導を頼もうと父さんか母さんを探しているのだが、館中探しても見当たらなかった

「お兄様、どうかしましたか?」

「ああ、ソフィアか。なあ、父さんか母さんの事知らないか?」

「お母様とお父様ですか?それならさっき私のステータスを見た後、急いで家から出て行きましたよ?」

「そうなのか?なら外を探すか。あー、それでさ、参考までにステータス見せてくれないか?」

ソフィアのステータスを見て、出て行ったのならこれで少しは何か分かるだろうな

「良いですよ。《ステータス》開示」

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ソフィア・アルカイト

ステータス
気力[H] 物攻[H] 物防[H]  
魔力[B] 魔攻[C] 魔防[E+]

スキル

ユニークスキル
魔の才[EX] 叡智[F]

タイトル
アルカイト辺境伯家長女
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ユニークスキル二個以上の持ち主がなんでこんなに何人も居るんだよ。そう思うと同時に父さんと母さんが急いで出て行った理由がなんとなく分かった。
多分だけど娘が産まれながらの天才超えで嬉しいんだろうな、それで興奮が抑えられなくてって言うところだろう、あの二人結構な親バカだからな

「大体分かった。それじゃ玄関で待つ事にするわ」

「ところで、何故お母様とお父様を探して居たのですか?」

「ちょっと、才能の塊見つけてな。その内、ソフィアも会う事になると思うぞ」

「へぇー、お兄様がそこまで言うとは、それでは楽しみに待っていますね」

ソフィアの瞳に獲物を見付けた獣のような鋭利な光が宿ったが、その光は一瞬で消えた。
恐らく、自身の才能がどれほどの物なのか把握しているからこそ自分の成長に追い付いてこれる相手か想像しているんだろうな。しかも、踏台に出来るのが決定事項って感じだな。全く、将来が楽しみだ

「楽しみにしてろよ、それとアイツは周りと少しズレてるからあんまり舐めてかからない方がいいと思うぞ」

その言葉にソフィアは呆気にとられたような顔をしてから呆れたような声言った

「……ズレてるって、それ、お兄様がいいますか?」

一応俺、常識は弁えているつもりなんだけどなぁ、そんな呟きは空気に散っていった





所変わって玄関、丁度俺が到着したタイミングで母さんが帰ってきた。母さんはソルティナ・アルカイトと言う名前で長めの緑髪に茜色の瞳を持ったメリハリのある体つきの女性で大人しそうで優しそうな整った顔立ちはソフィアに似てる。まあ、どちらかと言えばソフィアが母さんに似ているって言う方が正しい気がするけどな

「あれ、父さんは?」

「あらノアが出迎えるなんて珍しいわね。それとアルバートなら外で鍛錬場を作ってるわよ、ソフィアが魔法の才能を持ってかなり嬉しいみたいでも、あの人、魔法騎士だから武術方面にも、もう少し適性があって欲しかった見たいだけどね」

「やっぱり、そうだったんだ。それで朗報なんだけど俺の友達に武術にも魔法にも才能がある奴が居るんだけど父さんに指導を頼めないかな?」

母さんはその言葉に驚いたような仕草をすると嬉しそうに頷いた。

「分かったわよ、私からアルバートに頼んでみるわ。ところでノアはいいの?」

「武術は大丈夫、むしろ、俺のユニークスキルと父さんの剣術じゃ合わないから父さんには悪いけど頼めないな」

これは仕方ない、そもそも既に俺の剣術の技術は父さんよりも上だし、父さんが主に使っている剣術は守り主体のもので加速のユニークスキルとは合わないそれに父さんは剣と盾を同時に使う、俺からする盾は身のこなしの邪魔になるし、それに今のところ盾を使う予定も無いので態々学ぼうとも思わないのだ

「あ、でも魔法は学んでみたいな。基礎知識は本で全部読んだんだけど上手く魔力を魔法に変えられ無いんだ」

「そのプロセス一回見せて、そしたら何か分かるかも知れないからね」

「分かった」

母さんの言葉に頷いた俺は魔法を何時ものように使う。
意識を体の内面に向け、心臓の辺りにある漠然とした感触を確かめ、それを腕の方へと導き風のイメージを脳裏に浮かべその風に魔力を調整して放つッ

その結果、ボンッと軽い音がなり手の内には……なにも現れなかった

「うん、分かったわよ。そうだね、次は体の内面と言うよりも自分の精神と言うもう一つの体を意識して魔力を動かしてみて、それとこの時導くというよりそのまま動かそうとしてみるといいと思うわよ。あと調整した魔力は形を崩さず世界に押し付けるような感じでしてみれば多分、出来ると思うわ」

今度は母さんの言う通りにやってみる。
まず、精神を自分と重なるように存在するものと考えてその精神の心臓から魔力を動かしてみる、そして今度も魔力を風に調整していき、慎重に世界に押し付けて投影する

すると今度は、俺の掌の上で僅かに風が吹いた

『スキル風術を習得しました』

「おお、出来た!」

「まだまだ練度は低いし、魔法の状態も良くないわね、けどこのまま鍛錬を重ねれば二十歳になる頃には、一流くらいには慣れると思うわよ」

一流と呼ばれるのはB+からだ、二十歳までにこの領域に至れるなら本来は十分に優秀と言えるだろう。だけどなぁ

「その程度じゃ殆ど使い物にならないな」

ポツリと呟いたその言葉に母さんが苦笑したように見えたが、でもこう言うのは仕方ないだろうだって俺の目指す領域じゃ一流程度、搦め手にすら使えない、それ程までにEXランクの壁は厚く最強への道は遠いのだから

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