死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜
第93話〜天使〜
「ありがとうございます。ですが」
アイネルは天使を睨みつける。
「貴方達は信用するに値しません。魔神を滅ぼす為に? 笑わせないでください」
「なぜそう思う?」
「司君には悪いですが、ファリウスとの会話を聞いていました。その中でファリウスという男がいかに苦しんだが。神に翻弄され辛い思いをしたかを知りました」
「それだけで神の使いである我等天使を信じられないのか?」
「それだけではありません。ファリウスは神の意思によって司君に殺されることを望んでいた。その結果として貴方達は現れた。信用しろという方が無理でしょう。貴方達は司君を使って魔神を呼び起こして何をするつもりなんですか?」
「そこまで知っているのか」
「私達ヴァンパイアは貴方達と戦います。信用できない相手に司君を任せることはできない」
天使の先頭に立つ男は少し悩んだが、決心したのか話を始める。
「分かった。神が考えた全ての計画を話そう。ヴァンパイア相手に余計な戦力をさけるほど余裕もない。そうすればここから引いてもらえるか?」
「内容によります」
アイネルはあくまで天使達を信用しない姿勢をとる。
「待てよ。久々にこうして地上に来れたんだ。楽しませてくれ」
魔神が会話に割って入り、近くにいた天使をなきものとする。
「全軍戦闘用意! これは神の悲願だ。命など惜しむな。魔神を滅ぼせ」
「「「「うおおおおお」」」」
三百近い天使が魔神と戦闘を開始する。
「神の願いとはどういうことですか?」
「そのままだ。神の願いは魔神を滅ぼすこと。真の平和を邪魔するものをこの世界から完全に排除すること。その為に藤井司には魔神を呼び出すための依代になってもらった」
「真の平和を邪魔するもの? 世界に力を振りまいて戦争を起こした神がそんなことを言う資格があるんですか?」
「それは全て魔神に邪魔をされたからだ。神はそんなこと望んでいなかった。シリアウスを持つ者の数名が魔神に唆されて戦闘を始めた。それによって復讐の嵐が世界を包み込んだ。そこからのことは聞いたのだろう。あれは地獄だった」
「なぜ貴方達が戦争を止めなかったんですか?」
「現世に干渉することは許されない」
「今はこうして魔神を倒す為に現れているのに?」
「これは特例だ。神はそうまでしても魔神を滅ぼすつもりなのだ。さあ、全てを話しただろう。兵を引いて・・・いや、魔神討伐の為に力を貸してくれ」
「最後に一つだけ。司君は助からないんですか?」
「ああ。魔神の復活の為に依代となったものは助からない」
アイネルは深いため息をつく。
「そうですか。残念です。嘘をつきましたね?」
「何だと?」
「私も貴方ほどではないですが長い時を生きた命です。司君を助けると依代がなくなり魔神はこの世界から去ってしまう。そうなれば本当の意味で魔神を滅ぼすことはできない。だから、嘘をついた。違いますか?」
「全てお見通しか。だが、依代を助けられるというのもほんの僅かな可能性に過ぎない。それなら無駄なことに命をかけるより、世界のために命をかけたほうが利口だろう」
「そうかもしれません。この世界の為にもそれは必要なことかも」
「そうだろう。それが神の意思だ。さあ協力を」
「ですが。愛する人が、大切な王がいない世界なんて存在しないに等しい。私達は何をしてでも司君を救い出す。全員戦闘用意」
「愚かな。これだから地上の生物は」
「それが貴方達の本音なのでしょう。地上の生物を見下し、理想のために他の命を犠牲にする。絶対に許せません」
男の天使は突然天を見上げる。
「ああ。ああ。分かった」
「全軍標的は魔神とヴァンパイアだ。天より増援も到着する。神の意思に逆らうものはこの世界に必要ない。ここで王の悲願を達成するのだ!」
アイネルは天使を睨みつける。
「貴方達は信用するに値しません。魔神を滅ぼす為に? 笑わせないでください」
「なぜそう思う?」
「司君には悪いですが、ファリウスとの会話を聞いていました。その中でファリウスという男がいかに苦しんだが。神に翻弄され辛い思いをしたかを知りました」
「それだけで神の使いである我等天使を信じられないのか?」
「それだけではありません。ファリウスは神の意思によって司君に殺されることを望んでいた。その結果として貴方達は現れた。信用しろという方が無理でしょう。貴方達は司君を使って魔神を呼び起こして何をするつもりなんですか?」
「そこまで知っているのか」
「私達ヴァンパイアは貴方達と戦います。信用できない相手に司君を任せることはできない」
天使の先頭に立つ男は少し悩んだが、決心したのか話を始める。
「分かった。神が考えた全ての計画を話そう。ヴァンパイア相手に余計な戦力をさけるほど余裕もない。そうすればここから引いてもらえるか?」
「内容によります」
アイネルはあくまで天使達を信用しない姿勢をとる。
「待てよ。久々にこうして地上に来れたんだ。楽しませてくれ」
魔神が会話に割って入り、近くにいた天使をなきものとする。
「全軍戦闘用意! これは神の悲願だ。命など惜しむな。魔神を滅ぼせ」
「「「「うおおおおお」」」」
三百近い天使が魔神と戦闘を開始する。
「神の願いとはどういうことですか?」
「そのままだ。神の願いは魔神を滅ぼすこと。真の平和を邪魔するものをこの世界から完全に排除すること。その為に藤井司には魔神を呼び出すための依代になってもらった」
「真の平和を邪魔するもの? 世界に力を振りまいて戦争を起こした神がそんなことを言う資格があるんですか?」
「それは全て魔神に邪魔をされたからだ。神はそんなこと望んでいなかった。シリアウスを持つ者の数名が魔神に唆されて戦闘を始めた。それによって復讐の嵐が世界を包み込んだ。そこからのことは聞いたのだろう。あれは地獄だった」
「なぜ貴方達が戦争を止めなかったんですか?」
「現世に干渉することは許されない」
「今はこうして魔神を倒す為に現れているのに?」
「これは特例だ。神はそうまでしても魔神を滅ぼすつもりなのだ。さあ、全てを話しただろう。兵を引いて・・・いや、魔神討伐の為に力を貸してくれ」
「最後に一つだけ。司君は助からないんですか?」
「ああ。魔神の復活の為に依代となったものは助からない」
アイネルは深いため息をつく。
「そうですか。残念です。嘘をつきましたね?」
「何だと?」
「私も貴方ほどではないですが長い時を生きた命です。司君を助けると依代がなくなり魔神はこの世界から去ってしまう。そうなれば本当の意味で魔神を滅ぼすことはできない。だから、嘘をついた。違いますか?」
「全てお見通しか。だが、依代を助けられるというのもほんの僅かな可能性に過ぎない。それなら無駄なことに命をかけるより、世界のために命をかけたほうが利口だろう」
「そうかもしれません。この世界の為にもそれは必要なことかも」
「そうだろう。それが神の意思だ。さあ協力を」
「ですが。愛する人が、大切な王がいない世界なんて存在しないに等しい。私達は何をしてでも司君を救い出す。全員戦闘用意」
「愚かな。これだから地上の生物は」
「それが貴方達の本音なのでしょう。地上の生物を見下し、理想のために他の命を犠牲にする。絶対に許せません」
男の天使は突然天を見上げる。
「ああ。ああ。分かった」
「全軍標的は魔神とヴァンパイアだ。天より増援も到着する。神の意思に逆らうものはこの世界に必要ない。ここで王の悲願を達成するのだ!」
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