少年はそれでも戦い続ける
2.青年と魔女
ーー体内数ヶ所にて重度の損傷あり確認中
No.036の脳内に無機質な声が響き渡り意識を覚醒する
人造人間は傷を受けても大気中にある魔素を使って自動修復をおこなえる、だがその修復には限度がある
ーー確認終了腹部にて極度の出血あり
ゆっくり目を開く、はじめは眩しかったが徐々に慣れた、そこは薄暗い洞窟のようだった
痛みは感じない、人造人間に痛覚という機能はなかった、それゆえに死を恐れず戦える
脳内の流れる声に従い破損箇所を確認する
腹部は大きく裂けてそこから擬似的に作られた血液が流れ出す
どうやら川におちたあと撃たれた箇所が水流に耐えられずに裂けてしまったようだ
ーー修復はカノウカ?
自らの体に問いかける
ーー不可能損傷が大きすぎます
ーーわかっタ
No.036は修復が不可能と知るとしずかに目を閉じた
しょせん自分は作り物機能が停止したところで誰も悲しまない
物音しない薄暗い洞窟でNo.036は残された時間いろんなことを模索した
なぜ自分は捨てられたのか?なぜ廃棄されたのか?なぜ無実な人を殺し続けたのか?
後悔はつきなかった、自分はなぜこんなことを思っているのだろう
ただ命令に従うだけの他の人造人間たちと違い自分にだけ感情を持たされた理由それを知りたかった
「まダ…しにタクな…い」
弱々しく誰にも届かないほど小さな声が口からこぼれた
「大丈夫ですか?」
いきなり聞こえた声に驚き目を開くとそこには桃色の髪に、その髪の色にはとても合わない派手な緑淵の眼鏡をした女性が覗き込んでいた
「だれ…ダ?」
「そんなことより今は傷が先です!どうしたんですか?」
「もうム…リダ」
「無理じゃないです!安心してください私が治してあげます〈古代魔法-時空〉」
「!」
彼女が魔法を唱えると彼女の周りが震えだし彼女の手に光が集まる、まったく眩しくなくいつまでもみていられるその光がNo.036の腹部に触れるするとみるみるうちに身体中にあった傷が元から無かったかのように綺麗に治った
「そノ…魔法」
「あーあこれね私魔女なの」
フォローかいいねお願いします!二つ来たら続き書きます!
コメント