少年はそれでも戦い続ける

虹ウサギ

36.0彼と領主の館.2

「小隊長!待ってくださいにゃ」

「はわー何やってんですか、窓を割るなんて、後で謝らなくては」

 白髪の少女のあとから7人ほどの同じ制服に身を包んだ男女が落ちてきた

「え?だって領主が侵入者を倒せって」

「だからって、はぁ、まあいいですよ今は敵を倒しましょう」

 一人のいかにも真面目そうな青年が話をきる

「で、あんたらは何者だ?」

「私を知らない!?」

 白髪の少女は信じられないと驚愕の表情を浮かべてこちらを見る

「知らんな、早くなのれ」

「にゃんて無礼にゃ!ゆるさにゃいにゃ!」

「まって下さい、そんなことどうでもい…」

「どうでもよくないわよ!!」

 青年がそう告げると他の奴等までグチグチ言い出し口論になった
 だがこちらとしてはありがたい、恐らくコイツらは強いしかも見た感じ連携がとれる(多分だが)一斉にこられたら押さえきれん
 だから今のうちに少しでも時間を稼いでおきたかったがうまくいったようだ
 そうこうしている内に口論がやんだ、白髪の女の子が一歩前に出る

「コホン、私は第四攻撃部隊所属、第8小隊隊長のユキ覚えておいて」

「んー長いもう一度」

「なんですって!もう許さない私は」

「小隊長!相手のペースに乗らないでください、敵は時間稼ぎが目的です」

 ちっ!勘づいたか、あの真面目君嫌いだ

「そうゆうことだったのね、それが目的でわざと私を知らないフリを」

「いやそれはホントに知らん」

「なっ!」

「もう許さんにゃ!!」

 猫耳の少女が両手にレイピアを持ち突っ込んできた

「勝手に突っ込んでは!」

 青年が呼び止めるが猫耳娘は止まらず俺の顔面にレイピアを突き刺そうとする

「狙い通り【鬼門・視】【影爪・強シャドークロー】」

 鬼門視を発動し相手の動きを読み繰り出されるレイピアを弾き横からシャドークローを叩き込む

「にゃ?!」

 猫耳娘は横へと弾き飛ばされ壁へ体を打ち付ける

(ご主人様さすがに殺すのは)

 俺に取りついたシャドーが引き気味に何か言っている

 うるせぇなコッチは殺されかけてんだ、しかも殺してねぇよ少し横へ飛んでもらっただけだ
 でもちょっとやり過ぎたかな、壁に思いっきりめり込んでるし、まぁ大丈夫でしょ

「コミュー!よくも私の仲間を!!」

 激怒したユキが大きな斧を持ちこちらに切りつける、
 俺はそれを上へと避けるがそこには剣を抜いた筋肉質の男がいて凄まじいいきよいで斬りつけるが俺はそれをシャドークローで受け止める
 しかし受けきれず横へと飛ばされる、飛ばされた方向には片目の隠れた細身の男がいて細長い槍で下から突き上げると同時に、奥にいた眼鏡の女が大きな弓を引き光を纏った矢を放ってきた
 一度にに方向からの攻撃の上空中で身動きがとれない、普通ならここで決まるが俺は一味違った鬼門視で強化したお陰で攻撃がハッキリと見える
 まず下からの槍にシャドークローを当てて弾き光る矢にはさっきやったように鬼門撃をあてて相殺した

「…失敗」
「あれ避けるんですかい」

 攻撃を仕掛けた二人は呆気に取られたその一瞬の隙をついて片目の男を狙って爪で斬りつけたが鎧を着けた大男が自分より大きく銀色の盾で防いだ

「シオ気を付けろ」

「…感謝」

 一瞬の言葉を交わし盾男が前に出てタックルをしてくる、それを交わすと今度は盾男の後ろから片目のシオと呼ばれる男が槍で突いてくるそのコンボをかわしながら後ろへたまらず後退する

(くっ、強すぎだろコイツら)
(大丈夫ですか)
(隙が無さすぎる、、、来るぞ!)

 ユキが遠くから斧を投げてきたその斧をシャドークローで掴み投げ返してやる
 が、真面目君がそれを剣一本で弾き返す

 
「うわっ、助かったよクロ君」

「いえ、これしき小隊長油断しないでくださいよ」

「うん分かってるアイツ強いね」

「どうしやすか?」

 ルキを吹き飛ばした筋肉質の男がユキのもとまで下がってくる

「グルル大丈夫?」

「もちろんでいお嬢」

「ならパールと一緒に横から回り込んで」

「了解でい」

「クロ君私たちは正面からいくよ!」
「はい!」

 うわっ、アイツらこっち来たよさすがに6人相手はキツいな、早くこの二人を片付けないと、でも細身のヤツは大丈夫だが盾の奴が厄介だな、あの鎧も、鎧?そうだ俺も鎧を着ればいいんだ

(ご主人様頭大丈夫ですか!?どこに鎧があるんですか)

 頭は大丈夫だ!あるんだよとっておきのがな

「【鬼門・防】!」

 鬼門防練習では全くできなかった、体に纏うには纏えたが広く薄くなり防御力が期待出来なかった、でも鎧をイメージしてやってみた、薄く強固な鎧を体の隅々まで行き渡らせるさらにシャドーの魔力も少量混ぜ混む

「はあ!」

「突っ込んでくるなんて」
「…笑止」

 二人が同時に俺の首と胸を突き刺すが鬼門防を打ち破ることは出来ない

「なに!?」
「…驚愕!」

「おぉりゃゃ!!」

 思いっきり二人を横へと斬りつける、鬼門防を纏ったシャドークローは盾男の盾は砕き、細身の男の槍をへし折った
 二人は武器を犠牲に真っ二つにはならなかったが気絶して吹き飛ばされた





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