神は思った。人類の7割をアホにして、楽しく見守ろうと

4.1 1.2 4.2

私は思った。人の幸せは人それぞれだと

 
 これはまだ小早川  優衣が幼かった頃の話である。

 小早川  優衣は活発な子であった。公園に連れて行けば、その場で仲良くなった子供といつまでも遊び、家にいても常に公園に連れて行けと駄々をこね、親としては嬉しい反面、大変な子供であった。


 そんな優衣だ。夜になっても静かなわけが無い。だが、その頃になると母は優衣の相手や家事やらでぐったりしている。そこで優衣の餌食になるのが仕事から帰ってきた父である。

 だが父は父で仕事帰りという事で疲れている。それでも優衣が毎日お出迎えしてくれ、それは仕事で疲れきった父にはたまらなかった。


 玄関を開け、靴を脱ぎ家に上がると  タイミングよくトコトコと走りながら父を迎える声が聞こえるてくる

「パパ〜  おかえりー」
「優衣〜〜  ただいまー」

 そして走って来た勢いを殺さず、父の足にギュッとくっつくのだ。父はこの瞬間が幸せで、気持ち悪いほど顔がにやけている。

 しかし、この幸せは今日で終わりかもしれない。いや、幸せと言えば幸せなのだが………


 今日もいつもと変わらず、仕事から帰ってくると優衣が走ってくる。

「パパ〜  ただいまー」
「おかえりー」

 ここまではいつもと同じで、毎日の日課である。
 だが、ここでいつもと違う事が発生する。いつもなら足にくっついてくるのだが、今日は股めがけて飛び込み、父の股間を優衣の頭が強打する。

 その瞬間、激痛が父の全身を襲い、その場にひざまずく。

「だいじょぶ?」
「だっ、大丈夫だ……」

 そう言い優衣を心配させないように笑顔を作る。その顔を見た優衣も安心したようでいつも元気な優衣に戻っていた。


 そして翌日

 玄関に入り「ただいま」を言うと、いつものようにトコトコ走って来た。流石に今日は足に向かってくるだろう。そう思っていた父であったが、その予想は外れる事になる。

 なんと今日も股間めがけて飛んで来たのだ。いくら父でも股間に攻撃耐性がついてる訳でもなく、またも股間を抑えひざまずく。そして優衣は昨日のように「だいじょぶ?」と聞いてくる。その優衣は言葉に父は『なんていい娘だ。きっと今回も偶々  タ○タ○にあっただけだろう』そう思い、顔をあげると  そこにはとても良い笑顔の優衣が立っていた。


 のちに父はその時の心情をこう語る。

 〈股間に頭をぶつけ笑顔で謝る姿に、Sの才能を見た〉と





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