神は思った。人類の7割をアホにして、楽しく見守ろうと

4.1 1.2 4.2

私は思った。結局 奴は何がしたかったのだろうと

 
 春とは素晴らしい季節だ。暑くもなく、寒くもなく  丁度いい気温で毎日を過ごすことができるのだ。

 だが暖かくなるのと同時に様々な生き物が冬眠から目を覚ます。動物や虫などなど。だが冬眠から目を覚ますのは動物や虫だけではない。恥部を露出したがる変質者も目を覚ますのだ。

「グヘヘへへ、今日はここで女の子を待つか」

 そう呟くと男は電柱の影に隠れて息を潜めるのだ。

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 私は春が一番好きだ。それは毎日適温で過ごすことが出来るから。

 しかし、快適に過ごせるのは昼間だけであって陽が沈んだ夜では別の話し。流石に薄暗くなってくると上になにか羽織りたくなる。

 それは小早川も同じであり、日直で帰りが少し遅くなった今は昼間の暖かさはどこかへ消え 嘘のように寒くなり、朝上着を持ってこなかった事を後悔するのだ。

 そんな小早川は現在、ワイシャツに半袖セーター、その上にブレーザーを着ているため、今は少し肌寒く早く家に帰りたいと思ってしまう。だからしかたなく、この時間帯は使わないようにしているこの裏道を歩いているのだ。

 たが、小早川がいるこの近道で待ち構える者が一人。そう恥部を露出したがる変質者だ。

 そして今まさに、小早川が変質者の餌食にとなろうとしていた。



「ねぇねぇ、僕のおて ︎んて ︎ん見てよ」

 バサッ!!

 小早川が歩く目の前にロングコートを着た男が電柱の裏から急に現れ、ロングコートを勢いよく開けるのだ。もちろんコートの中は全裸。股からぶらぶらぶら下がっている。


 どうだ、女子高生!  びっくりしたか!  しただろ!  だったらきゃーーって悲鳴をあげろ!


 一方小早川は落ち着いていた。それはまぁ、小さい頃から洗脳教育の如く毎日見てたらナニに抵抗が悲しい事についてしまう。そして奴のナニを見て端的に思った事は、自分の父のナニのサイズはそれなりにある事だった。

 まさかこんなところで父のナニに助けられるとは、喜んでいいのやら悪のやら……少し複雑な小早川だった。

 そして襲った張本人である変質者はこの状況を理解できずにいた。

 悲鳴も何も聞こえない。助けも何も呼ばない。カバンを投げつけてもこない。女子高生の表情は真顔で微動だにしなのだ。


 静寂が2人を包む。

 そんな静寂を壊したのは小早川の方だった。

 小早川は真顔で、かつ低めの声で変質者に言い放った。

「そんな  お粗末さん  さっさと仕舞いなさい。不愉快です。 それともそんなに自分のナニの大きさに自信があるんですか?  残念ながらかなり小さいですよ。  仮にこの世界がナニのサイズが全てだったら、貴方は底辺ですよ」

「いぎゃゃゃゃや!!」

 それを聞いた変質者は悲鳴をあげながら道の奥へと消えていった。ちなみに何故変質者の方がなぜ悲鳴をあげるとかはスルーする小早川だ。

 そんな軽く変質者を弄る余裕がある 小早川とは裏腹に、小早川が言い放った発言が  さぞ 心に刺さったのだろう。変質者の方が逃げ出すなんて、なかなかシュールな光景である。

 そして裏道にポツリと取り残された小早川は思ったのだ。結局 奴は何がしたかったのかと。

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