神は思った。人類の7割をアホにして、楽しく見守ろうと

4.1 1.2 4.2

俺は思った。人は見た目じゃ無いのだと

 
「小早川さん!!俺と………付き合って下さい!!」
「………すみません。何度もお断りしてますが、それは出来ません」

「なんで!!付き合ってる人でもいるんですか!!」
「それは………」

 私、小早川  優衣は定番の体育館裏で今告白されてる真っ最中。そして私に告白している人隣のクラスの………名前……なんだっけ?  まぁ、どうでもいいが  この人に告白されるのは2度目。

 別に嫌なわけではない。ただ  今は蓮くんを弄るの忙しいので、付き合ってる暇はないのだ。そもそも、名前も……名前は忘れてしまったけど、どんな性格かも知らない人といきなり付き合うのは、どうかと思う。こうゆう時は 友達からというのが妥当だろう。

「私は貴方の事なにも知らないし、私の事も知らないでしょ?なので、友達からとゆうのはどうですか?」

「それって、実質  振られたってことだよなぁ?別に彼氏もいないんだし、俺と付き合ってもいいだろ」

 うわ〜 この人めんどくさいタイプの人種だ。私、こういった強引な人嫌いなんだよなぁー どちらかとゆうと、蓮くんみたいな  弄りがいのある人が好みなのに。絶対この人Sっ気ある。めんどくさいの捕まっちゃったなぁ。強引に腕とか引っ張るし。ちょと怖い

 
 
 

 はぁ〜  体育の先生、本当 人使い荒いよな。てか  なんでうちの学校は体育館で使う道具が外の倉庫に置いてあるんだよ。意味分からん。

 そして  なんで俺は体育係になってしまったんだ。今日は珍しく小早川が教室に居ないから平和な昼休みを送れると思っていたのに……5時目の準備って………俺の貴重な昼休みが台無しだ!!  はぁ〜さっさと終わらせて教室に戻ろ

 工藤はブツブツと愚痴をボヤきながら外靴に履き替え、体育館裏の倉庫へ早歩きで向かった。そして倉庫まであと10m程ほど手前のところで聞き覚えがあるが、聞いたことない可愛い声が何処からともなく聞こえてくる

「蓮くーん♡」
「!?!?!?」

 勿論こんな反応になるのは当たり前のこと。だって、いつも俺を呼ぶ時は何か含んだ感じで呼ぶものだから、俺には可愛い声 耐性が付いてないのだ。

「彼がわたしの彼氏です!!」
「「!?!?!?」」

   もう1人の人もビックリしているが、それ以上に言われた本人が1番ビックリしてる

『俺が!?』
『こんなぱっとしない奴が!?』

 そもそもコイツはなにを口走っているのだ。俺はこんなのとは付き合いたくもないし、寧ろ関わりたくもない。なのに、なにいってるんだ!!状況が全く読み込めない。てか、腕を組むな!!くっつくな!!頼むから離れたくれ!!怖くて俺死んじゃうよ。もしやあれか、最後の「です」ってこっちの「death」!?これは「余計な事言ったら殺すぞ!!」って言う、隠語か!?   お母ちゃん……俺、怖いよ。

「そ、そいつが小早川さんの彼氏……なのか?」
「ええ、そうですよ」

「そんなぱっとしない奴が?」
「失礼ですよ。人は見た目ではないですよ」

 なんかちゃっかりディスられてんだけど。けど、大分 状況が読み込めてきた。要は告白され 断ったが 、 中々 諦めてくれないから、偶々通った俺を  断る為の口実作りとして 利用しているのか。これは協力しないと後が怖いな。

「おい、そこの他称  彼氏!お前もなんか言ったらどうだ!!」

 他称ってなんだよ。まぁ、俺が言ってないから他称とゆう表現は間違いではない。そして小早川、俺の腕を締め付けるな。痛いだろ。

 見映え上、小早川の胸が俺の腕に当たってるように見えるが、そんな事は断じてない。小早川は適切な距離をとって当たらないようにしている。少し残念………ゴホン!!仮に当たっていたとして、痛くてそれどころではないだろ。しかも相手からの視線からもかなり困る。こっちは腕を締め付けらら痛いつーの!!

「……まぁ、いちよう?」
「なんで疑問系なんだよ!!」

「付き合ってます!!」
「……チッ………付き合ってんのかよ」

 相手の人は釈然としないようで、少し  いや大分イライラしながら、体育館裏から姿を消した。まあ、そりゃー そうなるわ。自分て言うのも悲しくなるが、こんなぱっとしない奴が彼氏だなんてイライラもするだろう

「…………ありがどう………助かったわ」

 おっ、珍しく素直な小早川。やっぱり可愛いな、ちくしょ!!いつもこれならいいの。所詮 幻想に過ぎないか。少し  たったらいつものSっ気満載の女王に戻っているだろ。怖い 怖い

「別に、気にしなくていいよ。それにしてもモテるってゆうのも大変だな」
「まあね」

 小早川にしては普通の返答。いつもなら「蓮くんには、そんな体験  一生こないだろうけど」とかの  嫌味の1つや2つ言いそうだが。まあ、言われないことに越した事はない。1日のストレス摂取量をオーバーしない事が、今後の毛の抜け具合に大いに関わるからな。

 ただ……こっちのペースが崩れる。いや、これじゃあ、ただのMじゃないか!!  俺はいつのまにMに……いや、Mじゃない。俺はMじゃない。Mじゃない。Mじゃない……よし!!これで大丈夫!! って、5時間目の準備すっかり忘れてた

「すまん小早川。俺、体育の準備あるから、倉庫行ってくるわ」
「そう、呼び止めて悪かったわね」


 やっぱり変な気がする。

 なんか変な気がする。

 
 
 

「どうだった?」
「またフラれた。この状況みて察しろよ。てか  彼氏いた」

「マジか!!  そんな情報入ってなかったけどなぁー」

 それにしてもおかしい。なんであんなぱっとしない奴が彼氏なんだよ。俺の方がまだましだろう。

「まぁ、友達からとか言われたけど、それって実質フラれたもんだよなぁ?」
「それ言われたらフラれたな。でも、友達からって言われたんだったら連絡先とか交換したんだろ?」

「そんな事できるわけないだろ。なんせ、彼氏が近くに居たんだから。あそこで聞く勇気ないよ」
「じゃあ、今聞きに行けば?」

「えっ、マジ?」
「マジだ。別れた時の為だよ」

「お前、ゲスいな」

 
 
 

 ああ言われたけど、フラれた後に聞きに行くの気まずいよなぁー  まあ、もうフラれた後だから、特に気にすることはないか。

 あの時、ちょっと強めに腕掴んじゃったから それも謝ろう。その流れで連絡先も聞こう。よし、この作戦で行こう。


 彼はそっと隣の教室を覗き、小早川が居る事を確認すると、他称  彼氏の人と話して居るのが目に入った。一様  彼氏と話しているわけだし、話しかけるタイミング伺っていると、チラホラと話している内容が聞こえてきた。

「あの人からは、特にないの?嫌がらせとか。なんか凄いイライラしてたっぽいけど……なんかあったらまた呼んでくれてもいいぞ」
「はぁ?  なに言ってるの。彼氏ヅラする前にヅラを被りなさい、このデッコパゲ」

「こっちは心配してやってんのに」
「心配するなら、自分の毛根を心配しなさい。このままいくと、20歳前半には毛根が死滅しますよ」

「こっちはそうならないように、毎日念入りな手入れをしてるんだよ!だから30歳まではもつわ!!」
「もう諦めなさい。そこまで後退してると既に手遅れよ。諦めて禿げ散らかりなさい」

「うっさいわ!!そうやってハゲ ハゲ  言ってると自分もハゲるぞ!!  言った事は自分に返ってくるんだからな!!」
「うるさいわよ、デコッパゲ」

 なんかハゲやらヅラとか聞こえてくる。なんの話してる内容がさっぱりわからない。

 それにしても小早川さんって意外によく喋るんだな。やっぱり俺はなんも知らなかったんだな。やっぱり、なんも知らない奴と付き合おうとは思わないよな。

「てか、なんで今日こんなに当たり強いんだよ!!  こっちはもう、1日のストレス摂取量  オーバーしてんだよ!! そんなに俺が彼氏ヅラが嫌だったのかよ!」
「だって………嫌な人と話しちゃったから、お口直し的な?  そんな感じなの。許してくれるよ………ね?」

「可愛くねぇーだよ。そんなぶりっ子しても許さん!!」
「そんな……私を可愛いと思わないの?」

「かわ………いいと思うけーー」
「うっっわキモ。これだから童○は、ちょっと上目遣いすると、すぐ落ちるだから。だから髪も抜け落ちるんですよ」


 !?!?なんか小早川さんが○貞って言ったような……気のせいだよな?あの清楚な小早川さんが?そんなの絶対あり得ない。これは幻聴だ。


「一々 童○とハゲを結び付けるな!  全く関係ないだろ」
「いや、そうとは限りませんよ。オ○二ーをする事によって男性ホルモンが分泌され、抜け毛は多くなるらしいです(※諸説あり)。なので、○貞で欲求不満な蓮くんならあり得ることでしょ?毎日 息子とにゃんにゃんしてるのだから」

「なに、さも性欲の権化《ごんげ》かの様に言うな!!  そもそもその説は医学的に証明されていない。故にオ○二ーがハゲの直接的 原因ではないのだ!」
「やっぱりハゲてること気にしてるんですね。だから、その説の事も知ってるんですね。確かにその歳でハゲるの辛いですよね。頑張って下さい育活育毛  活動   笑笑」

「イギャャャャーーー!!」
「あはははははははは」


 おい、彼氏な泣いてるのに  なに笑ってるの?てか、なに言った?それほど酷いこと言われたのか  彼氏?小早川さんってもしやドS!?小早川さん怖い。ドSな彼女なんて俺には荷が重すぎる。顔が良くても性格があれじゃ無理だろ。よし、諦めよう


 
 
 

「どうだった?連絡先  交換できた?」
「いや……しなかった?……できなかった?……したくなかった?」

「意味わかんねぇーよ。てか、そんぐらいで諦めて良いのかよ。2回も告っといて。可愛い子と付き合うのが、お前の夢じゃなかったのか?」
「影井《かげい》…………人は見た目じゃ無いんだよ」


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