不器用プラトニックラブ
27話 募る恋
私は何度も何度も、遼雅に誰が悪い訳ではないと説得した。
でもやっぱり、自分を責め続けていた。
私と両親は、困り果てていた。
「遼雅、明日結生の所に行こ?」
「え…?」
「きっと喜ぶよ。」
「でも、俺が行っても…」
「結生は、遼雅を責めないと思うよ?」
「分かってるよ。
  昔から優しいのは変わらない。
  でも、俺が無気になったから、結生君は…!」
      
「遼雅、大丈夫だよ。
  私が、絶対に結生を助けてみせるから、ね?」
   
「この前言ってた夢って、結生君の事だったんだ…。
  姉ちゃん、ごめんなさい…!」
   
「もういいんだよ…!」
2人抱き締めて、泣き合った。
    
皆の気持ち、今なら分かる。
どれだけ、結生と私のことを心配したか。
迷惑かけてごめんね。
…早く時間が経てばいいのに。
某日の日曜日-
「先生、こんにちは。」
「永さん、こんにちは。
   …隣の子は、弟さん?」
「はい、遼雅と言います。」
「こんちは。」
「可愛い弟さんだね。
  結生君の容態は大丈夫ですよ。」
「何時も有難うございます。
  遼雅、行こ。」
「あ、古茉さん、何時も有難うございます。」
「永ちゃんも御見舞有難うね。」
「いえ、私は空いてる時にしか行けないので。」
「あら、この子は彼氏?」
「違いますよ。
  弟です。」
「まぁ、そうなの。
  顔が似てないから、彼氏かなって思って…」
「そういえば、昔から顔が似てないってよく言われてて…そんなに似てませんか?」
「うん、雰囲気も違うしね。」
「姉ちゃん、この人は?」
「結生の担当をしている、看護師の古茉悠紗さん。」
「どうも、弟君。
  名前は何ていうの?」
「遼雅…っす」
「格好良い名前だね。」
「ど、どうも。」
「穢星先生から聞いたよね?」
「はい、聞きました。」
「今のところ大丈夫だから、安心して。
  私は行くね。」
「有難うございます。」
「何だよ、あの古茉って人!」
「良い人だよ?」
「いや、そうだと思うけど、何か、馴れ馴れしいっていうか…」
「元々そんな人だよ?」
「へ、へぇ…。
 (あの人、闇を持ってそうだなぁ…)」
「…結生、遼雅も御見舞に来たんだよ。
 嬉しいね。」
「この人が、結生君…?」
「うん、痩せ細ってるでしょ?
  元々、栄養失調と過労で倒れてたの。
  私も見た時、別人に見えた。
  本当に結生なのって。」
「…そうだね。
 もう、結生君は戻って来ないのかな…?」
「…何時か、戻って来るよ。
 私は、そう信じてる。」
「姉ちゃん…
 (無理に笑って…本当は、俺より苦しいくせに、こういう時の姉ちゃんって、ホント、ヒーローだよね。)
 うん、俺も信じてるよ。」
「うん…!」
「俺、姉ちゃんのこと諦めるよ。」
「え?」
    
「姉ちゃん、結生君が好きなんでしょ?
  俺、ずっと前から知ってたよ。
  振り向いて欲しかったけど、やっぱり無理だったね。」
「…うん、結生のこと好きだよ。
 結生のお陰で、掴めなかった夢が、1歩近づけたの。
 だから、結生の為なら、何でもやるって決めたから。」
「(あぁ、適わないなぁ。
   結生君が羨ましいよ。)
 そっか。
 俺、姉ちゃんの夢が叶うって願ってるよ。
 だから、頑張れ。」
「遼雅、有難う…!」
遼雅は本当に優しい。
結生のことが好きって分かってて、自分から引き下がるとは思わなかった。
寧ろ、対抗心があると思ってた。
私が遼雅の気持ちに気付いてたら、こんな事にならなかったのかな…。
恋愛に疎い自分が、情けないよ。
…ねぇ、結生は私のこと好き?
        
私は結生の手を握って、呟いた。
「好きだよ。」
でもやっぱり、自分を責め続けていた。
私と両親は、困り果てていた。
「遼雅、明日結生の所に行こ?」
「え…?」
「きっと喜ぶよ。」
「でも、俺が行っても…」
「結生は、遼雅を責めないと思うよ?」
「分かってるよ。
  昔から優しいのは変わらない。
  でも、俺が無気になったから、結生君は…!」
      
「遼雅、大丈夫だよ。
  私が、絶対に結生を助けてみせるから、ね?」
   
「この前言ってた夢って、結生君の事だったんだ…。
  姉ちゃん、ごめんなさい…!」
   
「もういいんだよ…!」
2人抱き締めて、泣き合った。
    
皆の気持ち、今なら分かる。
どれだけ、結生と私のことを心配したか。
迷惑かけてごめんね。
…早く時間が経てばいいのに。
某日の日曜日-
「先生、こんにちは。」
「永さん、こんにちは。
   …隣の子は、弟さん?」
「はい、遼雅と言います。」
「こんちは。」
「可愛い弟さんだね。
  結生君の容態は大丈夫ですよ。」
「何時も有難うございます。
  遼雅、行こ。」
「あ、古茉さん、何時も有難うございます。」
「永ちゃんも御見舞有難うね。」
「いえ、私は空いてる時にしか行けないので。」
「あら、この子は彼氏?」
「違いますよ。
  弟です。」
「まぁ、そうなの。
  顔が似てないから、彼氏かなって思って…」
「そういえば、昔から顔が似てないってよく言われてて…そんなに似てませんか?」
「うん、雰囲気も違うしね。」
「姉ちゃん、この人は?」
「結生の担当をしている、看護師の古茉悠紗さん。」
「どうも、弟君。
  名前は何ていうの?」
「遼雅…っす」
「格好良い名前だね。」
「ど、どうも。」
「穢星先生から聞いたよね?」
「はい、聞きました。」
「今のところ大丈夫だから、安心して。
  私は行くね。」
「有難うございます。」
「何だよ、あの古茉って人!」
「良い人だよ?」
「いや、そうだと思うけど、何か、馴れ馴れしいっていうか…」
「元々そんな人だよ?」
「へ、へぇ…。
 (あの人、闇を持ってそうだなぁ…)」
「…結生、遼雅も御見舞に来たんだよ。
 嬉しいね。」
「この人が、結生君…?」
「うん、痩せ細ってるでしょ?
  元々、栄養失調と過労で倒れてたの。
  私も見た時、別人に見えた。
  本当に結生なのって。」
「…そうだね。
 もう、結生君は戻って来ないのかな…?」
「…何時か、戻って来るよ。
 私は、そう信じてる。」
「姉ちゃん…
 (無理に笑って…本当は、俺より苦しいくせに、こういう時の姉ちゃんって、ホント、ヒーローだよね。)
 うん、俺も信じてるよ。」
「うん…!」
「俺、姉ちゃんのこと諦めるよ。」
「え?」
    
「姉ちゃん、結生君が好きなんでしょ?
  俺、ずっと前から知ってたよ。
  振り向いて欲しかったけど、やっぱり無理だったね。」
「…うん、結生のこと好きだよ。
 結生のお陰で、掴めなかった夢が、1歩近づけたの。
 だから、結生の為なら、何でもやるって決めたから。」
「(あぁ、適わないなぁ。
   結生君が羨ましいよ。)
 そっか。
 俺、姉ちゃんの夢が叶うって願ってるよ。
 だから、頑張れ。」
「遼雅、有難う…!」
遼雅は本当に優しい。
結生のことが好きって分かってて、自分から引き下がるとは思わなかった。
寧ろ、対抗心があると思ってた。
私が遼雅の気持ちに気付いてたら、こんな事にならなかったのかな…。
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…ねぇ、結生は私のこと好き?
        
私は結生の手を握って、呟いた。
「好きだよ。」
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