不器用プラトニックラブ

風吹雪華

14話 真実の鍵

やっぱり結生、来てくれなかった…。

何で…?

「では、私達は行きますね。」

「あ、うん、行ってらっしゃい。」



「結生先輩、今何をしているのでしょうか。」

「さぁな。」

「きっと、やつれた顔をしてるんじゃないかな〜。」

「野垂れ死んでんじゃね?
  結生ん家来たの、久し振りー。」

「そうですね〜。」

「梓舞先輩、地味に酷いことを言いましたね…。
   …お二人は来たことがあるんですね。」

「とは言っても、誕生日会の時だけだけど。」

「では、押しますよ。」

「まぁ、穂架ちゃんに梓舞ちゃん!
  それから…」

「初めまして、満晴逢恋と申します。」

「来てくれ有難う。
  上がってちょうだい。」

「先週に、輝陽君と絳紫君も来てたのよ。」

「そうなんですか〜。」

「へぇー。
 (まぁ、作戦で来てるんだけど。)」

「結生先輩は部屋に?」

「えぇ、ずっと閉じ籠っているの。
  あの子って弱音を吐かないから何も言ってくれないのよ。
  親として情けないわ。」

「…では、何か異変などありましたか?」

「そうねぇ。
  そういえば…夏休みの前に学校行事があったでしょ?
  その時からだったわ。
  私の携帯に連絡があって、打ち上げに行くっていうメールが届いてたの。
  あの子が帰ってきた時、沈んだ顔をしてて…」

「あ!
  そういえば、はるちゃんの弟君が来てたよね?」

「では、原因は永先輩の弟さんになるということになります。
  妙な行動もしていましたし、私も気になってはいたのですが…」

「なぁおばさん、永の弟がいつ帰ってくるかとか分かる?」

「遼雅君は確か、部活をやっていたと思うから、夕方には帰ってくるんじゃないかしら。
  曖昧でごめんなさいね。」

「いえ、十分です。
  有難うございます。
  もう遅いので、私達はこれで。」



「何とか新たな情報が手に入りましたね。」

「うん、でも問題なのが、どうしたら結生は出てきてくれるのか、だよな。」

「はるちゃんになら出てきてくれるんじゃないかな〜。」

「どうしてそう思うのですか?」

「だって結生君、はるちゃんとお喋りしている時、気軽に話していて、楽しそうだったから。」

「成程…。
  では、永先輩に賭けてみるしかないですね。」



「皆さん、お待たせしました。
  やはりダメでした。」

「…じゃあ、あとの2人に任せようぜ。」



入浴中ー

結生は誰に打ち明けてくれるんだろ…。

やっぱり、逢恋ちゃんかな?

私には言ってくれないよね…。

私は、もう時間が経っていることに気付かなかった。

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