不器用プラトニックラブ

風吹雪華

2話 変わりのない日常 ー結生ー

俺達が出逢ったのは、まだ赤ん坊の頃だった。

全然憶えてないけど、母が言うに、とても可愛いらしい女の子だったと聞いたことがある。



幼稚園児の頃は、楽しいこともあったけど、よく永に叱られた記憶がある。

何で人の話を聞かないの?
悪い事しないって約束したでしょ?

口癖かと思うくらい、常に口にしてた。



小学生になった頃、何故かモテ出したのだ。

好きな人の話題しかなかった6年間だった。

毎日告白され、精神が持たなかった。

そんな時、唯一の心の癒しが、姉の芽吹いぶきと過ごすことだった。

よく遊びや相談に付き合ってくれて、俺のことを1番に考えてくれる自慢の姉だ。

昔は喧嘩ばっかしてたけど。



中学生でもやっぱり変わらなかった。

元々バスケをしていたが、音楽の方に興味があったので、吹奏楽部に入部した。

そのギャップのせいで、先輩から後輩達に付き纏われていた。



そして現在-

高校2年生。

熱中症になるほどの気温の中、俺達は練習に励んでいる。

楽譜を忘れたので、今永に取りに行ってくれているところだ。

あいつは何かとお節介だし、怒りっぽいけど、根は良い奴なんだよな。

俺と真反対。

見習いたいな…。

そんなことを思っている内に、永がやって来て、いつもの説教をした。

俺の友達、輝陽莉世こうようりぜはいつものからかいを、富和琉煌ふわるきあはいつものフォローをしている。

俺は、この何気無い日常が好きだ。

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