不器用プラトニックラブ
0話 遡る過去
病室に響く、赤ん坊の産声。
意識が朦朧となる。
ほっとしたせいか、深い眠りに陥りそうだった-。
翌日、ある新婚夫婦が御見舞いにやって来たのだ。
私と同じ年に結婚し、赤ん坊を抱えて、微笑しながら顔を出してきた幼馴染みだった。
彼女は久方純麗。
高校時代の心友だ。
私は、彼女の微笑みに涙した。
嬉しくて、ただ嬉しくて…。
彼女の胸で、ひたすらに泣いたことしか覚えていなかった-。
それから、子供が大きくなって早半年。
久方夫婦と共に、新婚旅行に行く予定を立てていたのだ。
純麗は、旅行が唯一の楽しみだったので、皆より口数が多かった人だった。
元々純麗は、内気な性格だったので、ありのままの自分を見せることが出来なかったのだ。
だから旦那の恵さんも、とても驚いたらしい。
その話は置いといて、何とか話し合って決定した行き先。
その一週間後に出掛けるつもりでいた-。
当日-
私達は、親戚に子供達を預け、出掛けた。
空港で待っていると、何やら警備員の数が増えたのだ。
警備員達に何があったのか聞いても、何も答えてくれなかった。
ただ見回りをしている。
それだけだった。
暫くして、久方夫婦が到着し、急いで飛行機に乗った。
飛行機に乗ってから、私達は一眠りについた-。
ふと目を覚ましたら、騒めきが聞こえた。
目の前に、刃物を持った男が、何か喋っていた。
何があったのか、何を言っているのか理解ができず、逃げる余裕がなかった。
男が私に近づき、人質にされたのだ。
純麗が走って、男を説得している様子だった。
だが、男は聞こうともせず、刃物を振り回して暴れていた。
純麗は血だらけになっていた。
その光景を見て、私は必死に抵抗した。
暴れるな!殺すぞ!-
暴れてもいい、殺してもいい!
純麗と恵さん、主人は必ず死なせたりしない!
でも…
男は、向かってくる純麗に刃物を刺した。
それを見た恵さんは、血だらけになった純麗を、ただ抱きしめることしか出来ず、私達もただ、2人を見てることしか出来なかった-。
純麗が亡くなって、通夜の日-
恵さんが、純麗から遺言を預かっていると言った。
私の大切な宝物を、子供に渡して欲しい、と。
恵さんは、私の手に、それを握りしめた。
僕からは渡すことが出来ないと言っていた。
あれはどういう意味だったのか、分からなかった…。
純麗が亡くなってから、恵さんは遺言書を残し、この世を去った。
私達は、唖然とした。
もう、2人は帰って来ないんだ…。
意識が朦朧となる。
ほっとしたせいか、深い眠りに陥りそうだった-。
翌日、ある新婚夫婦が御見舞いにやって来たのだ。
私と同じ年に結婚し、赤ん坊を抱えて、微笑しながら顔を出してきた幼馴染みだった。
彼女は久方純麗。
高校時代の心友だ。
私は、彼女の微笑みに涙した。
嬉しくて、ただ嬉しくて…。
彼女の胸で、ひたすらに泣いたことしか覚えていなかった-。
それから、子供が大きくなって早半年。
久方夫婦と共に、新婚旅行に行く予定を立てていたのだ。
純麗は、旅行が唯一の楽しみだったので、皆より口数が多かった人だった。
元々純麗は、内気な性格だったので、ありのままの自分を見せることが出来なかったのだ。
だから旦那の恵さんも、とても驚いたらしい。
その話は置いといて、何とか話し合って決定した行き先。
その一週間後に出掛けるつもりでいた-。
当日-
私達は、親戚に子供達を預け、出掛けた。
空港で待っていると、何やら警備員の数が増えたのだ。
警備員達に何があったのか聞いても、何も答えてくれなかった。
ただ見回りをしている。
それだけだった。
暫くして、久方夫婦が到着し、急いで飛行機に乗った。
飛行機に乗ってから、私達は一眠りについた-。
ふと目を覚ましたら、騒めきが聞こえた。
目の前に、刃物を持った男が、何か喋っていた。
何があったのか、何を言っているのか理解ができず、逃げる余裕がなかった。
男が私に近づき、人質にされたのだ。
純麗が走って、男を説得している様子だった。
だが、男は聞こうともせず、刃物を振り回して暴れていた。
純麗は血だらけになっていた。
その光景を見て、私は必死に抵抗した。
暴れるな!殺すぞ!-
暴れてもいい、殺してもいい!
純麗と恵さん、主人は必ず死なせたりしない!
でも…
男は、向かってくる純麗に刃物を刺した。
それを見た恵さんは、血だらけになった純麗を、ただ抱きしめることしか出来ず、私達もただ、2人を見てることしか出来なかった-。
純麗が亡くなって、通夜の日-
恵さんが、純麗から遺言を預かっていると言った。
私の大切な宝物を、子供に渡して欲しい、と。
恵さんは、私の手に、それを握りしめた。
僕からは渡すことが出来ないと言っていた。
あれはどういう意味だったのか、分からなかった…。
純麗が亡くなってから、恵さんは遺言書を残し、この世を去った。
私達は、唖然とした。
もう、2人は帰って来ないんだ…。
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