東方龍人譚 ~龍神を統べる少年~
8話 紅キ館ヲ発ツ時
レミィ「う・・・うぅん・・・」
レミリアが目を覚ますと、そこは見慣れた部屋だった。
レミィ「私の部屋・・・あぁ、ゴードに負けたん、だったわね。」
レミリアが起き上がると、咲夜が入ってきた。
咲夜「お嬢様。」
レミィ「咲夜、ごめんなさいね、ここまで運ばせたちゃって」
咲夜「いえ。それよりお嬢様、ゴードのことなのですが」
レミィ「なにかしら?」
咲夜「明日、紅魔館を発つんだそうです。だから、今日、今までのお礼がしたいんだとか」
レミィ「別にそんなのしなくていいのに・・・私のことはいいから、図書館の本の整理と、フランの遊び相手をしてあげてって言っておいてくれるかしら?」
咲夜「承知しました。」
そういって、咲夜はレミリアの部屋から姿を消した。
レミィ(ゴード・・・あなたは、その龍の力がどれだけ偉大で、どれだけ危ないものなのか、わかっているのかしら・・・それに・・・あなたから感じる、寂しさや暗さの原因は、一体何なの・・・?それに、どうして、もっと強くなりたかったのかしら・・・。)
そして、次の日。
ゴードは、紅魔館を離れる準備ができ、外に出ようとしていた。そのとき、
フラン「おにーちゃーん!」
フランが飛んできて、ゴードに抱きついた。
ゴード「おわっ!?フラン!?」
驚いていて、後ろを見ると、フランはゴードの背中に、顔を押し付けていた。
ゴード「・・・フラン?」
フラン「・・・ぐすっ・・・お兄ちゃん、本当に、行っちゃうの・・・?」
ゴード「・・・あぁ。この世界のいろんな所を見ておきたいんだ。たまに紅魔館にも遊びにくるからさ。な?」
フラン「・・・うん、約束だよ?」  
ゴード「あぁ。」
その時、
レミィ「・・・ゴード。」
ゴード「レミリア?」
レミィ「・・・気をつけていきなさいよ。あなたなら、大丈夫だと思うけど・・・。」
ゴード「・・・あぁ、分かってる。心配してくれてたんだな。」
レミィ「あっ、当たり前でしょう!?1ヶ月もここに居たんだから、もう、家族同然よ。・・・たまには、こっちにも来なさい。待ってるから。」
ゴード「あぁ。ありがとう。・・・じゃ、またな。」
レミィ「えぇ。」
フラン「またね!」
そうしてゴードは、紅魔館の門をあけるのだった。
ゴードは、嘘をついていた。レミリアに、あれを秘策といったが、あれは
秘策のうちのほんの一欠片にすぎなかったのだ・・・。
今回は少なめです。
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