ニートレーナーな大学生活

チャンドラ

ニートレーナーな大学生活

 大学二年の期末テスト、俺はピンチを向かえていた。大学の授業に最低限しか出席していない俺は、期末テストが詰みかけていた。

 俺の名前は、九嶋阿久津くしまあくつ。私立の大学に通う情報学を先行している学生である。

 俺は、いわゆるぼっちである。一年の時は、ぼっちながらも頑張って実力で単位を獲得した。
 だがしかし! 春休み中、ひたすらアニメを見たり、ゲームをして過ごした俺は、授業が始まってもほとんど授業にもでず、家に引きこもっていることが多かった。

 やばい......そう心から思っている。一限の授業は、まぁ? 一日くらい休んでもいいよねとなり、二限目の時間には、アニメ見るということで休み、三限目は、お昼ご飯を家で食べて眠くなり、昼寝のために休み、四限目は、ミヤネ屋を視聴したくなる休み、五限目は、もう行く気力がなくなり休む。

 そんな生活をしていた。気分がいい時は、大学に行っている。ゆえに出席はギリギリだった。春休み中、ポ○モンのアニメにはまってしまったせいで、俺の生活は堕落した。初代のポ○モンは、本当に面白いと思った。
 まさに『原点にして頂点』だと思った。ポ○モンのアニメにはまりすぎたせいで、自分の単位が原点になろうとしているのだが。

 どうしたもんかと俺は考えた。とりあえずは、過去問を入手したり、ノートを誰かしらに見せてもらう必要があると思った。コミュ障の俺には、とてつもなくつらいことがだが、やるしかない。

 俺は、今日はきっちりと、大学に向かった。ほとんどでてない、パソコンのOSオペレーティングシステムについて学ぶ授業に出席した。
 OSとは、コンピュータを制御し、アプリケーションソフトなど、コンピュータ資源を利用可能にするためのソフトウェアのことである。
 代表例として、windowsやMacなどがあげられる。

 俺は、ほとんどでていなかった、授業で、ノートを取った。闇雲の板書をノートに記入していくが、全く理解できなかった。混乱しそうだった。わけも分からず自分を攻撃しそうだった。

 やはり、誰かに教わるしかないのかもしれない。が、自慢ではないが、俺は大学では友達がいない。つみかけている。レベルが高くないのに、げんきのかたまりもかいふくのくすりも一切購入せず、四天王に挑むようなものである。

 試験を乗り切るためには、がくしゅうそうち、すなわち、仲間が必要なのである。仕方ないので、誰かに話しかけてみようと考えた。
 授業を終え、誰に話しかけようとあたりを見回した。周りは、ほとんど友達と出席しているようである。どうやら、すでにコミュニティが出来上がっているようである。
 出席者のほとんどが、大学二年目なので当然といえば、当然なのだが。

 自分と似た人がいいと思ったが、そんな境遇のやつはいないだろ......と半ばあきらめかけていた時。
 見つけた。

 授業後もひたすら一人、ノートをまとめている者がいた。俺は、そいつに近づき、話しかけた。

「あの......すみません。」
「はい、なんでしょう?」
 顔を見たとき、驚愕した。髪も短く、後ろ姿を見た感じ男性だと思っていたら、女性であった。
 俺の通う学部では、女性はあまりいないのだが、1割くらい女性が所属していた。しかも見たところ、かなりの美人であった。ぱっちりとした二重で、しかもめがねだ。こだわっているな。特殊攻撃が上がっている気がする。

 俺は、迷った。女性に勉強の教えを請うなど、敷居が高すぎると。しかし、話かけたので、もう後には引けなかった。

「実はですね......僕、訳あって授業あんまり出てなくて......この講義に友達もいないので、1000円上げるので、ノートを写させてもらえませんか?」
 買収作戦を実行した。話し相手が誰であれ、この作戦で行く予定だった。

「ええ......初対面の人にお金を受け取るのは、ちょっと......この後自習する予定だったので、良ければ一緒に勉強しませんか?」
 突然の申し出に俺はとても驚いた。例えるなら、対戦で、いきなり、命中率の低い一撃必殺技を打ってきたときと同じくらい驚いた。だが、断る理由はない。
ほかの科目ももしかしたら、教えてもらえるかもしれない。

「よろしくお願いします!」
「分かりました。それじゃ、学習室に行きましょう。」

 俺たちは、学習室へと移動した。
「そういえば、あなたの名前聞いてないですね。何ていうんですか?」
「九嶋阿久津って言います。よろしくお願いします。あなたの名前は?」
「私は、菅野理恵子って言います。理恵子って読んでください。」

 それからというもの、俺と理恵子は、一緒に勉強するようになった。そしてたまに、雑談した。
「恵理子は、うちの学部で、一緒に遊ぶ人いないの?」
「うん......うちの学部、女子少ないし、私、こう見えてゲーム好きだから、友達と遊ぶよりそっち優先しちゃうんだよね。」
「へぇ......どんなゲームしてるの?」
「ポ○モンをやってるの。あんまり、知り合いでやってる人少ないんだよね。」
「マジか! 俺もやってるよ!」
「阿久津くんも! 本当に!?」
 それからというもの、勉強だけでなく、俺と理恵子は、一緒に過ごすことが多くなった。家に引きこもり、アニメやゲームをしていた俺の生活は以前とは、比べ物にならないくらい楽しくなった気がする。

 そして、俺と理恵子は、テストが終わったら、『ある約束』をした。俺は、理恵子から勉強を教わり、一生懸命テスト勉強を頑張った。
 そのかいあってか、テストの結果は、思ったよりも手ごたえがあった。

「テスト終わったね......阿久津くん。」
「ああ、理恵子。『あの約束』覚えているか?」
「もちろん!」
 俺と理恵子は、3DSを取り出した。
「目と目が合えば!」
 理恵子がそういい、
「ポ○モンバトル!」
 俺がそう呟いた。
 俺と理恵子は、テスト勉強が終わったら、一緒にゲームをしようと約束をしていた。
 理恵子がいれば、俺の大学生活はそれなりに楽しくなるであろう。

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