英雄って何ですか?

たかっしー

3話

12年後

レディアンside


ロストが魔人と戦った日から12年の年月が経った。


   そして、ロストの妹ことレディアン・バーズルスは元々住んでいた村の国であるピクセラの王都に来ていた。何故王都にかというと、この国は様々な特産品があるが国を支えているのは国立学園のアスカラマスである。
   因みに学院長の名前はアスカラマスで、代々男女関係なくアスカラマスと言う苗字っぽいが苗字でも無く名前を受け継ぐというか押し付けているらしい。………謎な家庭である。本人達はなんとも思ってないらしいが………。

  まぁ、何故そんなことをつらつらと説明したかというと、そこにこの年からレディアンが参席として入学するためである。

学園の講堂

「レディアン、しっかり学園で学ぶんだぞ。あの世で母さんたちも見てるからな。」

「はい、兄様たちに迷惑が掛からないように精一杯頑張ります。」

「よしっ、じゃあ行ってこい!」

「はい………。」

   何故レディアンが落ち込んでいるかというとーーーーーー

(はぁ、お父様が兄様たちの名前を出すから兄様たちを思い出しちゃったじゃないですか。      いえいえ、これからも頑張らなくては兄様たちに顔向けできません。)

   そして、レディアンが自分の席に着き、近くの知人とたわいもない話をして気を紛らわせていると学園の職員と思われる人物がレディアンに近づいて来た。

「お話中すいません。あなたがレディアンでいいですね?」

「はい、私がレディアンですが………。」

   何故ここで様や苗字を付けないかというと、この学園は様々な国の人物がやってきるので、この場所で権力などがあるといろいろ厄介なことになるので、国がここでは平民と同じような扱いをすると公的に発表をしているからだ。
   因みにバーズルス家は、ロストたちが死んだ悲しみなどをガラスやレディアンがモンスターや書類にぶつけていたらいつのまにか伯爵から公爵にランクアップしていた。

「では、申し訳ありませんが首席と次席が今日休んでしまったので、代わりに生徒代表演説を引き受けて貰えないでしょうか?」

「あの、いきなり言われても直ぐには思いつきませんので申し訳ありませんがーーーーーー」

先のような理由でレディアンは断ろうとするのだがーーーーーー

「いえ、そんなに長くなくてもいいのです。ただ、この演説は外せませんので短くてもいいのでお願いできませんか?勿論きちんと成績などの評価を上げさせていただきますので。」

「はぁ、では30分だけ時間を下さい。その間に考えますので。」

たった30分で挨拶を考えることが出来るのは流石公爵まで大きくなるまで支えていたという程の優秀さが分かるというものだ。

「ありがとうございます!では放送で30分遅くなると放送させていただきます。では失礼。」

   職員は全速力で放送部まで走って行った。魔法まで使っていたのを見て本当に焦っていたのだろう。
   そして、数分後、職員の言ったようにきちんと放送されていた。それに集まった人のそこそこの人が不満を口にしていたが、それでも従っていたのはここが国の直属の場所だからだろうが。だからレディアンも職員との約束は果たさなくてはいけなくなった。

「すみません。用事が出来てしまったのでお話ができなくなってしまいましたので少し席を外します。」

「いえいえ、レディアン様が謝られることはありませんでしてよ。寧ろこの大事な式を休んだものに謝って欲しいですわ。」

「ふふっ、有難うございます。では、頑張って来ますね。」

「ええ、職員の方々を驚かせすぎて気絶させるほどのものを期待していますわよ?」

   冗談のように言ってレディアンの緊張を解こうとしている筋骨隆々の男お友達ーーーシャーラーーーの事を考えながら控室まで歩いていた。 
  レディアンは別に家族が亡くなって心が壊れたから男性彼女と仲良くしているのでは無く、幼かったレディアンが王都に引っ越してから何気なく気になったシャーラがレディアンに近づいて最初は警戒されていたが、仲良くなりレディアンの事を支えていたからお互い気心が知れているわけでお互いがお互いを恋愛対象でわ無く只の友人としていか認識していなかった

(ふふっ、やっぱりシャーラは良いお友達ね。私には勿体無いぐらい。まぁ、そんな事を言ったらシャーラに怒られそうだから言わないけど。)

  レディアンの頭の中では、もう、私たちの中じゃない!そんな水くさいこと言わないの!と、決して誰も得をしないどころか損しかしないようなぷりぷりと器用に怒っているシャーラの姿があった。

   だが、ふと何か気になったのか、レディアンは顔を教師陣の方に向けると、自分のこと隅々まで観察するように見ている脂ギトギトででっぷりと太っり、うちわで扇がせたり飲み物を渡したりされている男を見つけた。
   その男はどこから持って来たのかこの国の国王以外が座ることができない玉座よりも豪華で成金趣味な玉座っぽい椅子に座っていた。

(あんな人貴族にいましたっけ?流石に全部の貴族の事を覚えている訳では無いのですが………。まぁ、でもここ学園では、何か出来る訳でもないし大丈夫でしょう。私も多少なら戦えますし。)

   その言葉を最後にレディアンの頭から男のことを追い出して控室まで歩いて行った。

「さて、では挨拶について考えますか。でも、いきなり言われると少し困るわね。……そうね、じゃあ最初は聞き慣れたあれから始まって、それでーーーーーー」

   それからはギリギリまで挨拶の内容を詰めていった。そして、約束の時間が来た。

「では、続きまして、新入生代表として首席と次席が休んでしまったので代わりに参席のレディアン・バーズルスが挨拶をします。どうぞ。」

   その声を聴き、レディアンは壇上の上を歩いて行き、マイクのところで止まり、講堂の中を見渡した。たったそれだけの行為で会場にあった雰囲気が驚愕になりすぐにレディアンの見惚れるような美しさを目にして会場の殆どの者が固まった。それは男や女など関係なくだ。

   そして、その静寂を破ったのは反応をされる当然ながらこのような反応に慣れているレディアンだった。

「皆さん、おはようございます。今日はこのような晴れやかな日に入学式を迎えることができ、とても嬉しく思います。ですが、私はこのような春の日になると何時も思い出してしまう事があります。それは皆さんも多少は聞いたことがあると思いますが、私の父が治めている便宜上は領地の端にある村の事です。そこで私は生まれ、そこで父や……家族達と……暮らしていました。」

   そこで、レディアンは限界だったのだろう。涙で溢れていた。何故、レディアンが辛い事を思い出す事を言ったのかと言うと、浮かれている生徒達にきちんと死ぬという事を知ってもらいたかった、という建然で本当のところはレディアンにも分からなかったが、何故かそうした方が良い気がしたのだ。

   だが、それでもレディアンは続ける、自分がどれだけおかしい事をしているのか自覚はあるが、それだもするべきだと、自分の中の何かがさけんでいるから。

「だけっ、だけど……何故かっ……魔人がやってきてっは、母は……闘いましたっ。……ですが、まっ、負けっ、負けて…しまいましたっ。更に、兄も……行方不明でっ、かっ、家族がっ、2人もっ、いなく、なりました……。」

  その言葉を聴いた会場の人は二つに別れた。そんな事どうでも良いと言う態度の薄情というか珍しくない話と思う人と、共感する様に同じように涙を流し頷いている人。だが、1人だけ、先程レディアンを見ていた男だけは玉座もどきと思われる椅子から立ち上がり、レディアンの方に歩いて行ったのだ。

   それを見たレディアン派と呼んでもさし支えないような男はそれに怒り止めようというしたが、メイドが男にたいしてだけ・・、殺気を飛ばして押さえつけた。

   それをチラッとだけ見た太った男はそのままレディアンに近づいていき、壇上に上がる。

だが、普段は気づくはずが、今は悲しみに包まれているレディアンはそれに気づかない。いつもならレディアンの為と動くガラスやシャーラだが、シャーラは前の方の席だという事で気づくのに遅れ、ガラスはメイドの練度の高さのせいで迂闊に近づけず非常に緊張していた。

そして、男はレディアンまであと7メートルぐらいの所でいきなり光り出した。その光は普通なら失明とまではいかなくても、暫くは目を開けられないほどを光量だったにもかかわらず、会場の人々は誰も目を悪くどころか身体が元気になるのを感じていた。

そして、光が収まった時、レディアンの近くには赤髪に非常に整った顔の男が立っていた。そして近くまで来られたら流石にレディアンも気づいたのだろう。男の方に顔を向けた。そして、男はポケットからハンカチを取り出してレディアンの目にある涙を拭きながら喋った。

「まったく、成長したと思ったらすぐに泣いて、可愛い顔が台無しとまではいかなくても勿体無いことになっていますよ?兄が居ないとダメになるのですかねぇ?」

そのような事を言って満足そうに涙を拭いたレディアンの顔をのぞいているのはーーーーーー

「兄、様?」

「せっかく泣いてくれたと思ったら私の顔を忘れたのですか?」

その男は死んだはずのロストだった。

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