百合ルート攻略キャラになりましたが、そんなの気にせず普通に過ごしたい!

紫唯

第5話

「お父様、遅くなってすみません」<br />
「あぁ、大丈夫だ」<br />
「おっ、とても利口そうな子だねさすが修人の子だね!」
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なんだこの人は<br />
お父様の友人だって聞いてたからもっと威厳がある人だと思ってたんだけど…<br />
まぁ、人は見かけによらないとも言うしね
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「初めまして、白鷺蒼空です」<br />
「礼儀正しいし、真面目そうだね」
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すっごい笑顔だ。よく言う優男ってやつだと思う
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「あぁ、自己紹介をしてなかったね。僕は雨宮奏多(アマミヤ カナタ)だよ。そしてこっちが」<br />
「雨宮陸斗(アマミヤ リクト)だ!」<br />
「雨宮海斗(アマミヤ カイト)です。よろしくお願いします」
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双子なのかな?というか、この2人って攻略キャラじゃなかった?<br />
陸斗の方は俺様系のキャラで海斗の方は腹黒キャラだったと思うんだけど…
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「お前も来年から、私立星ヶ咲(ホシガサキ)学園の初等部に入学するのか?」<br />
「え?」<br />
「だーかーらっ!お前も来年から星ヶ咲学園に入学するのか?って聞いたんだ!」
「兄さん、言い方ってものがあるでしょ。ほぼ初対面だよ?」<br />
「こう言った方が早いだろ?」<br />
「はぁ…すいませんね、こんな兄で」
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すごい苦労してる感が溢れ出てるんだけど<br />
というか陸斗って礼儀知らず過ぎない?
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「別に大丈夫です。そうですよ、僕も来年から入学しますがなにか?」<br />
「よし!今からお前を俺の友達にしてやる!」<br />
「僕はそんな人のことをお前と呼んだり上から目線で命令してくる人とは友達にはなりたくないので拒否します」<br />
「兄さんきっぱりと断られたね」
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この弟、フォローする気ないな<br />
というかトドメをさしている気がする
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「なんでだ?俺とは友達になってくれないのか?」<br />
「ちゃんと名前で呼んで、命令しないのならいいです」<br />
「ほんとか!じゃあ、ちゃんと蒼空って呼ぶからいいか?」<br />
「僕とも友達になってくれると嬉しいんですけどいいですか?」<br />
「いいですよ。よろしくお願いします」<br />
「よし!やったぞ海斗!」<br />
「嬉しそうだね、兄さん」<br />
「あの、僕は君たちのことをなんて呼べばいいですか?」<br />
「え?そんなの蒼空の好きに呼べばいいだろ」<br />
「そうですよ、蒼空さんの好きなように呼んでください」
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えっ、それが1番困るんだけどなぁ<br />
無難に陸斗さんと海斗さんでいいかな?
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「では、陸斗さんと海斗さんで」<br />
「そんな、俺らにさん付けはいらないぞ」<br />
「流石にそれは譲れませんよ。しかも海斗さんは何も言ってないですし」<br />
「僕もいらないよ」<br />
「それじゃあ、僕の好きなように呼べないじゃないですか」<br />
「それはそれ、これはこれだ!」
「はぁ…じゃあ、海斗もさん付けしないでください」<br />
「うん、わかったよ蒼空」
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なんでかこの2人とてもニヤニヤしてるんだけど<br />
そんなに嬉しいのかな?
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「微笑ましいねぇ」<br />
「蒼空に変なことをしたらタダじゃおかないからな」<br />
「わかった、わかったから!そんな怖い目で睨まないでよ!」<br />
「わかればいい」
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そんな声がしてからお父様はとても勝ち誇ったような顔をしていて、雨宮様はとても悔しそうな顔をしていた<br />
この件で少しだけ学校が楽しみになったかもしれない

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