朝起きたら、幼馴染が悪魔に取り憑かれていた件

そらちーヌ

#21 三者面談

ーやばい。
私は、アクア・ロドニー。この人間界に「宮園 愛花」の
体を借りて降り立ってからはや数日というところ。
まさか、この短期間の間に2人もの人間に催眠魔法が
効かないとは。
いやーまだ決まったわけではない。隣にすわっている
冷や汗だらだらの徳馬はともかく、真正面、凛とした
表情を崩し、緊張と困惑が混ざった顔でこちらを
見ている少女ー 新宮 弓月は違うかもしれない。
『私の姿…どう映っているかな??』
もはや懇願の意を込め、最終確認をしてみる。
『悪魔。』
oh my god ︎ ︎   きっぱり、くっきり、はっきりと
弓月の口から出たのは悪魔の二文字。
もはや諦めるしかないようだ。
そもそも、催眠魔法は脳と言うよりは、心に直接
暗示をするという表現の方が正しい。
一応、悪魔界の有名な魔法術師にはお墨付きを
貰っているはずなんだが。
徳馬のように、常に心がオープンだからか、又は
心を固く、鉄の如く遮断してしまっているか。


『あ、あの…』
弓月の声に我にかえる。
もうここまで来たら今までの事情を説明せざるを
得ない。
『よし、徳馬!説明任せたゾ ︎』

『俺かよ ︎』

説明がめんどくさい私は徳馬に全部丸投げする。


           ○


           ○


           ○


『ふむ…なるほど。』
さすが優等生。物分りが良い。
『それで、正体がわかってしまった以上、私にその
「悪魔研究部」に入れと?』

『ま、まぁ、そんな感じ…だね?』
弓月は下を向いて、顎をしゃくる。暫しの時間を
置いて弓月は顔を上げる。

『いいでしょう、その悪魔研究部とかいうやつに
入りましょう。』
弓月の鋭い視線が徳馬、アクア2人に向けられる。
『…』
まさかまさかこんな簡単にokが出ると思わず、私は
つい弓月を見たまま固まってしまう。
どうやら徳馬も同じ状態のようだ。
『な、何か言いなさいよ…。』
2人にガン見され恥ずかしくなくったのか、弓月は
三つ編みを揺らしながら、照れている。
『きゃっ…!』
弓月が突然悲鳴を上げる。その理由は私が思わず
弓月に抱きつきいたのが原因だろう。
『ありがとう!!弓月 ︎』
私が弓月に抱きついている後ろでは徳馬も満足気に
頷いている。
『ま、まぁ、このくらい…別に…。』
弓月はぼそぼそと言葉を発する。
そして、自分の体を抱きしめる甘い香りを漂わしている
アクアの体を優しく抱きしめ返した。

コメント

  • ノベルバユーザー352514

    設定は面白いのですが、魂を抜いて身体を借りているにも関わらず容姿が悪魔そのもの(前述の幼馴染の髪型、自慢出来るほど見ているのに関わらず幼馴染と気付かない主人公、などから悪魔そのままの姿と自己判断)になってしまうのは少し気になりました。地上には器がないと存在出来ないという設定があったとしても容姿がまるっきり変わってしまうのは個人的に不思議だったのでコメントさせて頂きました。
    まだ、序盤しか読んでいませんが、気になった点を抜かせば、読みやすく面白いので引き続き読ませて頂きます。

    0
  • 豚の人。

    今回初めて読ませて頂きました!面白かったです(*´-`)

    0
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