朝起きたら、幼馴染が悪魔に取り憑かれていた件

そらちーヌ

#12 ランチタイム

無事に入学式も終わり、後は
人生初となる給食ではない
ランチタイムを迎えて帰宅。

だったのだが…
『この卵焼きおいしぃ〜!
ちぃちゃんが作ったの?』
『そーだよ!』
『お!美味そうだな ︎俺にも
分けてくれよ。』
『いやだよ!何でトウマにあげなきゃ
なんないのよ!』
ちぃは弁当をトウマから遠ざけ、
ぷくーっと頬を膨らます。
その光景を見ながら、俺は
(何故、こーなったんだ…。)
徳馬は心の中でポツリとつぶやいた。



ー数分前ー
『はい、それでは、皆さんの待ちに待った
お昼の時間です。存分に楽しんで
くださいね。』
お決まりの佐藤スマイルを生徒に
ぶちかまし、先生は教室を後にする。
みんながそれぞれ弁当を広げたり、
校舎1階にある、食堂へと向かう。
俺も弁当を食べようと後ろのトウマの
方を向くと、
『ねー!トウマ!あんたも一緒に
食べようよ ︎』
茶髪の女の子がトウマに話しかける。
マジかよ。オイ。
友達になって数時間のトウマに早くも
嫉妬するオレ。
『あ〜。いいよ。』
のんびりとした返事をするトウマ。
『隣の子は…?』
茶髪の子が自分の方を覗き込んで言った。
『こいつは徳馬。一緒に食ってもいいか?』
マジ神、トウマ。嫉妬した10秒後に
嫉妬した相手に感謝をする自分の心に
思わず驚く。
『うん!ぜんぜんOK!私も1人
いるから!』
そう言って少女は自分を指差し、
『あ、私、松葉 ちぃ ︎よろしくね!
ちなみにトウマとは幼馴染なの!』
『あ、あぁよろしく。』
ちぃの迫力に押されながらも、しっかりと
答える。
『じゃあ、行こっか ︎』
ちぃはスタスタと歩き出す。
『どこで食うんだ?』
トウマがちぃに話しかける。
『ん〜。天気がいいから屋上とか
どう?』
というわけで俺たちは屋上へと向かう。
前を歩くちぃとトウマの後を追う。
おっと…。重大なことを聞くのを
忘れていた。
『何でお前がいんだよ?』
隣を歩く悪魔に俺は問う。
『こっちのセリフよ ︎』
アクアは不機嫌そうに、そう答えた。
『私はちぃちゃんの友達なの!』
アクアはムキになってそう言う。
『俺はトウマの、友達だ。』
俺はフンッと精一杯威張る。
『あっそ。あんなに自己紹介
緊張してたのに。このコミュ症野郎。』
アクアはそう言ったので
『お前の方が緊張してた気がするん
ですけど ︎』
と、思わずツッコミを入れる。
『う、うるさいわね!』
反論する言葉がないのか、アクアは
早足で廊下を歩く。
『着いたよ〜』
ちぃの能天気な声で前を向く。
アクアと口論しているうちに、
いつの間にか屋上へ着いってしまっていた
ようだ。
ギィーっとトウマが重たいドアを開けると、
『『わぁ〜』』4人の声が同時に重なる。
そこには、透き通った青空、そして
ヒラヒラと舞っている満開の桜の花びらが
姿を現した。 

コメント

  • 某県民ソノイチ

    毎日の更新。お疲れ様です!

    本日も読ませていただきます!!

    1
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