私の中の僕

towa1999

再スタート

僕は、7年前に死んだ。脳が死んだ。僕は、このチューブ繋がれて生きているんだが、死んだも同然。僕は、1日の殆どを夢の世界にいる。綺麗な川の側の切り株に腰を下ろしている夢。それ以外は、自分の病室で自分を見つめている。明日と今日の境界線のない単調な毎日。僕は生死の境界線にいるんだ。でも、もうこのチューブの消費期限も切れるだろう。誰も僕が死んでも気づくことはあるだろうか。

7年前、僕は自殺をした。未遂に終わってこの状態になった。僕はその時死にたくてたまらなかった。海に行った。海で足がつかないところまで行って死ねると思った。
海に入った時、それは冬だったから、水がとても冷たかった。でも、死にたかった。海で死ねば誰も気づかないと思った。足がつかないところまで行き、僕はそのままもっと進もうとした。波がきて、僕は海と一体となった。なんか感覚が麻痺してた。塩水を飲み込み、とても苦しくなった。その時思ったこと、死にたくない。それだけだった。でも、僕には水面に上がれるような力はもう残ってなかった。


死にたくない、助けて、助けて、僕はここに、苦しい、僕はここにいるんだ。って沢山心の中で叫んだ。
そこからの記憶はない。
こんな脳死状態の僕に後悔したことを聞けば、それは自分で自分のピリオドを決めてしまったこと。

だから、7年ぶりに外気に触れて、生き返ってとても嬉しい。僕は7年前に着ていた服を着ていた。白のシャツに、黒のジーパン。

ふと胸の部分を触ると、さっきの彼女の涙で濡れていた。気になる。(あなたは誰ですか。)


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