Virtual World of WarⅢ・仮想世界の戦争
第12章
『製造番号11922960、N型VR機の維持装置が正常化されました。ログインが可能です。ログインしますか?YES?NO?』
「YES」
もちろんYESだ。
戸締りをきちんと確認した俺は、ソファーに深々と座りヘッドギアをかぶる。そして、視界がくらくなっていき、次に視界がはっきりしたのは、メインホールだった。
真っ白いそしてだだっ広い空間が広がり、その上空には飛行船型のゲーム表示器が浮かんであった。
メインホールでは、プレイヤーは様々な能力が付与される。
空を自由に飛ぶことだってできる。食料を出すこともできる。
なので、ソフトを買っていなくても楽しめる…。そんな作りになっていた。
ひとしきり空を飛びまわった俺は、せっかくなので飛行船からログインしてみることにする。
「ええっと、飛行船からのログイン方法は…。まず、飛行船の船体に降り立ちます。次に中央に置いてある木製の台に置かれているパネルをダブルクリックします…。あった、これか」
緑色に輝くパネルらしきものは確かに台の中心部に置かれていた。
俺は船体に降り立ち、緑色のパネルを説明所に書かれた通りの行動を起こした。簡単に言えば、ダブルクリックをしただけだが…。
『飛行船【ワールド・オブ・ウォーⅢ】へようこそ。設定およびゲームに関するウィンドウの表示をします。』
どこかの宇宙船の操縦席から流れるような合成音声が、台から聞こえてくる。
そして…
ヴォン
これまた宇宙船の隔壁が自動的に開くときになるような音で、緑色のウィンドウがパネルから出現した。
「ええっと、緑色のウィンドウが出てきたら、ゲームに関する設定を開き…」
自分専用のウィンドウに表示されている説明書を右目で読みながら右目、残った左目で緑色のウィンドウを捜査していく。
結構、別々に眼を動かすって辛い。というより眼が痛くなる。
「そこの、ログインと書かれた部分をクリックする」
言われた通り、ログインをクリックすると…いつも通りの画面が表示された。
『World of WarⅢ・ワールド・オブ・ウォーⅢへようこそ』
『所属希望国家を選択してください。』
前回はここで一時中断をした。
だが、盲点だった。初期設定では長時間ログインがないと、一時中断中でも強制的にログアウトになる。つまり、前回俺が入力した情報はバックアップなんてものは取っておらず、めでたく消えていたとい訳だ。
まぁ、必死に前回入力したことを思い出して、キャラクターも前の物に近いように作ったが…、依然として一部分は固定されている状態だった。
「さて…、確か柚木からはEU・OAU(欧州・アフリカ連合体)を選べと言われているが…。」
確かに陸軍としては理想的な国家なんだが…。
「まぁ…、約束しちゃったし…。ええっと、EU・OAUでOKっと…」
『所属希望国家が設定されました。所属国家EU・OAU陸軍、所属兵科なし…。以上の内容で変更がなければ、OKを押してください』
緑色のOKと書かれたスイッチが点滅しその存在感をあらわにする。
俺は何のためらいもなく、OKと点滅しているスイッチを押した。
『OKが選択されました。欧州・アフリカ連合大本営都市、イタリア州ローマ市に転送されます。それでは1万円先生様、行ってらっしゃいませ。』
俺は周囲の景色が徐々に変わっていることに気が付いた。
まるでアハ体験のように、試着室にOP画面が流れている部屋が少しずつ、人のいる広場や噴水、芝生が目立ち始めてきた。
待つこと数秒。
俺は、完全に町の中へと転移した。
驚くことに、街並みはVR技術とは思えないほどのリアリティーがあり、水の鮮明度や町にある建物一つ一つの再現率の高さ…。一瞬『VRか?ここは…』と我を疑ってしまうほどである。
ここ、EU・OAUの大本営都市(首都)でもあるイタリア州ローマ市は、人口1万2000人ほど。4陣営の中では現在2位。1位はアジア共栄圏で1万8000人ほど
少ないようにも聞こえるが、このVRMMOは現時点で日本独占技術でもある。つまり今ここにいる人たちは全員日本国民。これでも十分多いほうだと思う。
あっけに取られていたが、何しにこの世界に来たかの目的を脳内の引き出し(和ダンス)から引き出した。
「ええっと、地図地図…。?、あれフレンド申請?」
ウィンドウの設定画面を開き、地図の常時表示機能をONにしようとしたとき、『フレンド』と書かれた機能が点滅していた。
気になったのでウィンドウを開いてみると、一つのフレンド申請が来ていた。
「ええっと、プレイヤー名、ユズ…!」
その名前にはもちろん、ピン!と来ていた。柚木である。
確か柚木が変える直前に自分の名前を言っていたっけか…。確かユズだったような…。おや?フレンド申請と共にメッセージも来ているぞ?
「『一万円先生!フレンドおねがいします~』…。ユズお前、メッセージでもします~とか言うんだな…。」
幼馴染の口癖と、絶対無自覚でやっていることに俺は戦慄した。いや…文字を打つだけなのに、自分の口癖が入っているとか…。ねぇ~。ある意味戦慄するわ…!
「YES」
もちろんYESだ。
戸締りをきちんと確認した俺は、ソファーに深々と座りヘッドギアをかぶる。そして、視界がくらくなっていき、次に視界がはっきりしたのは、メインホールだった。
真っ白いそしてだだっ広い空間が広がり、その上空には飛行船型のゲーム表示器が浮かんであった。
メインホールでは、プレイヤーは様々な能力が付与される。
空を自由に飛ぶことだってできる。食料を出すこともできる。
なので、ソフトを買っていなくても楽しめる…。そんな作りになっていた。
ひとしきり空を飛びまわった俺は、せっかくなので飛行船からログインしてみることにする。
「ええっと、飛行船からのログイン方法は…。まず、飛行船の船体に降り立ちます。次に中央に置いてある木製の台に置かれているパネルをダブルクリックします…。あった、これか」
緑色に輝くパネルらしきものは確かに台の中心部に置かれていた。
俺は船体に降り立ち、緑色のパネルを説明所に書かれた通りの行動を起こした。簡単に言えば、ダブルクリックをしただけだが…。
『飛行船【ワールド・オブ・ウォーⅢ】へようこそ。設定およびゲームに関するウィンドウの表示をします。』
どこかの宇宙船の操縦席から流れるような合成音声が、台から聞こえてくる。
そして…
ヴォン
これまた宇宙船の隔壁が自動的に開くときになるような音で、緑色のウィンドウがパネルから出現した。
「ええっと、緑色のウィンドウが出てきたら、ゲームに関する設定を開き…」
自分専用のウィンドウに表示されている説明書を右目で読みながら右目、残った左目で緑色のウィンドウを捜査していく。
結構、別々に眼を動かすって辛い。というより眼が痛くなる。
「そこの、ログインと書かれた部分をクリックする」
言われた通り、ログインをクリックすると…いつも通りの画面が表示された。
『World of WarⅢ・ワールド・オブ・ウォーⅢへようこそ』
『所属希望国家を選択してください。』
前回はここで一時中断をした。
だが、盲点だった。初期設定では長時間ログインがないと、一時中断中でも強制的にログアウトになる。つまり、前回俺が入力した情報はバックアップなんてものは取っておらず、めでたく消えていたとい訳だ。
まぁ、必死に前回入力したことを思い出して、キャラクターも前の物に近いように作ったが…、依然として一部分は固定されている状態だった。
「さて…、確か柚木からはEU・OAU(欧州・アフリカ連合体)を選べと言われているが…。」
確かに陸軍としては理想的な国家なんだが…。
「まぁ…、約束しちゃったし…。ええっと、EU・OAUでOKっと…」
『所属希望国家が設定されました。所属国家EU・OAU陸軍、所属兵科なし…。以上の内容で変更がなければ、OKを押してください』
緑色のOKと書かれたスイッチが点滅しその存在感をあらわにする。
俺は何のためらいもなく、OKと点滅しているスイッチを押した。
『OKが選択されました。欧州・アフリカ連合大本営都市、イタリア州ローマ市に転送されます。それでは1万円先生様、行ってらっしゃいませ。』
俺は周囲の景色が徐々に変わっていることに気が付いた。
まるでアハ体験のように、試着室にOP画面が流れている部屋が少しずつ、人のいる広場や噴水、芝生が目立ち始めてきた。
待つこと数秒。
俺は、完全に町の中へと転移した。
驚くことに、街並みはVR技術とは思えないほどのリアリティーがあり、水の鮮明度や町にある建物一つ一つの再現率の高さ…。一瞬『VRか?ここは…』と我を疑ってしまうほどである。
ここ、EU・OAUの大本営都市(首都)でもあるイタリア州ローマ市は、人口1万2000人ほど。4陣営の中では現在2位。1位はアジア共栄圏で1万8000人ほど
少ないようにも聞こえるが、このVRMMOは現時点で日本独占技術でもある。つまり今ここにいる人たちは全員日本国民。これでも十分多いほうだと思う。
あっけに取られていたが、何しにこの世界に来たかの目的を脳内の引き出し(和ダンス)から引き出した。
「ええっと、地図地図…。?、あれフレンド申請?」
ウィンドウの設定画面を開き、地図の常時表示機能をONにしようとしたとき、『フレンド』と書かれた機能が点滅していた。
気になったのでウィンドウを開いてみると、一つのフレンド申請が来ていた。
「ええっと、プレイヤー名、ユズ…!」
その名前にはもちろん、ピン!と来ていた。柚木である。
確か柚木が変える直前に自分の名前を言っていたっけか…。確かユズだったような…。おや?フレンド申請と共にメッセージも来ているぞ?
「『一万円先生!フレンドおねがいします~』…。ユズお前、メッセージでもします~とか言うんだな…。」
幼馴染の口癖と、絶対無自覚でやっていることに俺は戦慄した。いや…文字を打つだけなのに、自分の口癖が入っているとか…。ねぇ~。ある意味戦慄するわ…!
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