Virtual World of WarⅢ・仮想世界の戦争
第10話
ロシア・中東連邦空軍、第2機動師団第3中隊所属第22分隊隊長機。
アカウントネーム、数字はゲーム歴4年、WWⅢβ初期プレイヤーとしてロシア・中東連邦軍を支えていた。
彼が隊長を務める第22分隊は地球で言うところのロシア、ブラジカフカス方面の防衛制空を担う部隊である。
数字はβ時代からの古参兵とも相まってロシア・中東連邦航空教官も務めたエリートでもあった。その数字はアジア共栄圏との国境付近とも会って、毎日毎日戦闘状態だった。
「分隊機は、後ろへ回れ!いいか、一撃離脱を徹底せよ!」
『了解』
このゲームでは、対レシプロ戦とジェット戦がある。局地戦ではレシプロ機のみ、大型戦闘では混合など規模によって変わることが多い。そのため22分隊はMIGC-21、32㎜機関砲型を主力で扱っている。
ダダダダダダ
敵の後方へ回っていた分隊機の32㎜機関砲、12.7㎜機関銃が火を噴く。
だが、敵は被弾しながらも左右や上下に細かく動き分隊機の射撃性能を低下させた。
「ほぉ、奴も相当な飛行機乗りだな」
古参兵でもある彼は直感でそう感じた。おそらく素人兵なら反撃しようとして急上昇や急旋回などを起こすだろう。
だが、アジア共栄圏の主力機体でもあるFJ-12はレシプロ機ながら加速や最高速度が高い。だが、格闘戦では露中連邦機の方が高い、つまり格闘戦となれば露中連邦が圧勝できる。だが一撃離脱の場合は加速が足りず、諦めることしかできない。
まぁ、機内には360度カメラがあるので避けようと思えば避けられるのだが…。
「…。む?なんだ?」
『どうしましたか?隊長!』
「いや…。今の敵機の状況は?」
『2機撃墜、1機取り逃しました』
「そうか…。お前たちは周辺の警戒後基地に戻れ!私は少し用事が出来た」
『了解しました』
分隊機は、彼が指示した通り友軍基地の方角へ旋回し基地への帰路についた。だが彼は、カメラに映った妙なものを確認するため、渓谷を旋回していた。
だが、この判断は正しかったのだろうか?
「…。気のせいか?…いや…、そんなはずはな!」
ジリリリリリリリ
機体不具合を示すベルが鳴り響く。
「なんだ?!何が起こって…!」
彼は必死に機体で起こった不具合を探していた。だが一瞬の脇見が不幸を読んだ。
気が付いた時には、目の前に地面が迫っていたのである。
「だ、脱出!」
コクピットを開けようとするが、開かなかった。否、ピクリとも動かなかった、そして…
ドゴー――――――ン
耳を裂くような轟音を立て、彼の乗った飛行機は地面に衝突した。
「…。痛たたたたた…。」
砂埃があたりをまき散らす。戦闘機は見るも無残にぐっしゃぐしゃになっており、戦闘機のコクピットも開かずにいた。
「くそったれ…!」
軍人御用達の自動小銃で何発か発砲したが、防弾ガラスのコクピットはびくともせずにいた。それどころかどこも割れた場所がない…。完全に閉じ込められた形である。
VRゲームなので抜けて強制終了すればいい話なのだが、彼はこの時焦っていた。何故なら…
「~♪………~♪…………~」
愉快な音楽、どこからか聞こえてくる歌い声。だが、無事に残っていた後部カメラには衝撃的なものが映し出されていた。
真っ白い顔をした、真っ白いワンピースを着た少女。見た限り同じような子が何十人も映っていたのである。
「なっ!?」」
しかもそれはあたりを囲むように、ゆっくりゆっくりと近づいてきた。
「おいおい、嘘だろ!」
さらに少女たちが歌っていたのは…
「法医学者、マヨコのed曲!?」
それのさび部分が無限ループのように流れていた。
彼女らはゆっくりとゆっくりと近づいていき、遂にコクピットの前にへばりついてきた。
バンバンバン
コクピットは激しくたたかれ、彼は護身用の自動拳銃の引き金に指をかける。
バンバンーーーーー!バリィィン!
ついに正面の防弾ガラスが打ち砕かれ、破片があたりに散乱する。
そこから中に入ってこようとした少女たちを、彼は一心不乱に引き金を引きまくった。だが、彼女たちは恐るべき速さでコクピット内に侵入し、彼の首筋に噛みついた。
「グ!があああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
強烈な叫び声が機内や渓谷を反響させたが…すぐにその叫び声は消え去った。
アカウントネーム、数字はゲーム歴4年、WWⅢβ初期プレイヤーとしてロシア・中東連邦軍を支えていた。
彼が隊長を務める第22分隊は地球で言うところのロシア、ブラジカフカス方面の防衛制空を担う部隊である。
数字はβ時代からの古参兵とも相まってロシア・中東連邦航空教官も務めたエリートでもあった。その数字はアジア共栄圏との国境付近とも会って、毎日毎日戦闘状態だった。
「分隊機は、後ろへ回れ!いいか、一撃離脱を徹底せよ!」
『了解』
このゲームでは、対レシプロ戦とジェット戦がある。局地戦ではレシプロ機のみ、大型戦闘では混合など規模によって変わることが多い。そのため22分隊はMIGC-21、32㎜機関砲型を主力で扱っている。
ダダダダダダ
敵の後方へ回っていた分隊機の32㎜機関砲、12.7㎜機関銃が火を噴く。
だが、敵は被弾しながらも左右や上下に細かく動き分隊機の射撃性能を低下させた。
「ほぉ、奴も相当な飛行機乗りだな」
古参兵でもある彼は直感でそう感じた。おそらく素人兵なら反撃しようとして急上昇や急旋回などを起こすだろう。
だが、アジア共栄圏の主力機体でもあるFJ-12はレシプロ機ながら加速や最高速度が高い。だが、格闘戦では露中連邦機の方が高い、つまり格闘戦となれば露中連邦が圧勝できる。だが一撃離脱の場合は加速が足りず、諦めることしかできない。
まぁ、機内には360度カメラがあるので避けようと思えば避けられるのだが…。
「…。む?なんだ?」
『どうしましたか?隊長!』
「いや…。今の敵機の状況は?」
『2機撃墜、1機取り逃しました』
「そうか…。お前たちは周辺の警戒後基地に戻れ!私は少し用事が出来た」
『了解しました』
分隊機は、彼が指示した通り友軍基地の方角へ旋回し基地への帰路についた。だが彼は、カメラに映った妙なものを確認するため、渓谷を旋回していた。
だが、この判断は正しかったのだろうか?
「…。気のせいか?…いや…、そんなはずはな!」
ジリリリリリリリ
機体不具合を示すベルが鳴り響く。
「なんだ?!何が起こって…!」
彼は必死に機体で起こった不具合を探していた。だが一瞬の脇見が不幸を読んだ。
気が付いた時には、目の前に地面が迫っていたのである。
「だ、脱出!」
コクピットを開けようとするが、開かなかった。否、ピクリとも動かなかった、そして…
ドゴー――――――ン
耳を裂くような轟音を立て、彼の乗った飛行機は地面に衝突した。
「…。痛たたたたた…。」
砂埃があたりをまき散らす。戦闘機は見るも無残にぐっしゃぐしゃになっており、戦闘機のコクピットも開かずにいた。
「くそったれ…!」
軍人御用達の自動小銃で何発か発砲したが、防弾ガラスのコクピットはびくともせずにいた。それどころかどこも割れた場所がない…。完全に閉じ込められた形である。
VRゲームなので抜けて強制終了すればいい話なのだが、彼はこの時焦っていた。何故なら…
「~♪………~♪…………~」
愉快な音楽、どこからか聞こえてくる歌い声。だが、無事に残っていた後部カメラには衝撃的なものが映し出されていた。
真っ白い顔をした、真っ白いワンピースを着た少女。見た限り同じような子が何十人も映っていたのである。
「なっ!?」」
しかもそれはあたりを囲むように、ゆっくりゆっくりと近づいてきた。
「おいおい、嘘だろ!」
さらに少女たちが歌っていたのは…
「法医学者、マヨコのed曲!?」
それのさび部分が無限ループのように流れていた。
彼女らはゆっくりとゆっくりと近づいていき、遂にコクピットの前にへばりついてきた。
バンバンバン
コクピットは激しくたたかれ、彼は護身用の自動拳銃の引き金に指をかける。
バンバンーーーーー!バリィィン!
ついに正面の防弾ガラスが打ち砕かれ、破片があたりに散乱する。
そこから中に入ってこようとした少女たちを、彼は一心不乱に引き金を引きまくった。だが、彼女たちは恐るべき速さでコクピット内に侵入し、彼の首筋に噛みついた。
「グ!があああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
強烈な叫び声が機内や渓谷を反響させたが…すぐにその叫び声は消え去った。
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